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2020年、個人的"リバイバル"ベストソング10

 前回記事「2020年、個人的ベストソング10」の後編的位置づけです。ギリギリ年内の投稿、間に合いました! やった!!!!!

 わたしにとって2020年は「音楽を聴く」ということにおいても、これまでとは大きな変化があったと感じています。その1番の理由は、何といっても夏にSpotifyをはじめて、新旧問わず膨大な量のライブラリにアクセスできるようになったからです。いやあ、サブスクなめてたけどほんとすごいわ。
 なので今年は、2020年リリースの音楽のほか、ちょっと昔にリリースされた曲を改めて聴き、めちゃくちゃハマり直すケースがかなりありました。「年代別」ジャンルのプレイリストをひたすら聴きまくっているので、そりゃ古い曲ばっか聴いてるわけだよ…

 前回「個人的2020年ベストソング」を作成したときに改めてそのことに気づき、今年に入ってから特によく聴いた既リリース曲、いわば「個人的2020年"リバイバル"ベストソング」も作りたくなって仕方がなくなってしまいました。
 本企画のスタート自体が出遅れ気味だったものの、なんとかこちらも2020年中に間に合いました。こっちも作っててめっちゃ楽しかったです。

 リリース年の縛りもないので、前回よりもわたしの個人的な趣味が滲み出まくっています。今これ!? という選曲もあるかもしれません。それを含めてぜひお楽しみいただければ幸いです。

個人的2020年"リバイバル"ベストソング10

 今年に入ってよく聴いた、特に思い入れのある「2020年"以前"リリースの楽曲」には、この10曲を選びました。通し番号はわたしが思いついた順で、こちらもランキングは特に決めていません。

1. POP STAR / 平井堅
2. Wall of Glass / Liam Gallagher
3. 君は薔薇より美しい / 布施明
4. ハリケーン / シャネルズ
5. FIRE GROUND / Official髭男dism
6. I'LL BE / Mr.Children
7. やさしい悪魔 / キャンディーズ
8. Ill Ray (The King) / Kasabian
9. マジでハイ / 梅田サイファー
(KZ, peko, ふぁんく, KOPERU, KBD, KennyDoes, R-指定)
10. Love so sweet / 嵐

 それではこの10曲を、選曲理由とともに振り返っていきたいと思います。

POP STAR / 平井堅 (2005)

 早速かなり懐かしい曲です。そういえばこんなMVだった!

 たしか緊急事態宣言中に観た、ニコニコ動画の「sideM(THE IDOLM@STER sideM)仮想カバーソング」動画のなかで久しぶりにタイトルを見かけて、懐かしくなって聴きだしたのがきっかけでした。リアルタイムで聴いていた以来なので、小学生の頃ぶりの再会です。

 確かに歌詞をちゃんと読んでみると、アイドルソングとしてもハマるくらいの甘酸っぱいキラキラさ! 【君をもっと夢中にさせてあげるからね】の「からね」という文末からキュートがすぎるし、【隠していたい暗闇も君はそっと拾い上げて 大切な僕なんだと抱きしめてくれた】のところなんて、2人の深い関係性を感じてなんだかキュンとします。

 この曲がハマるラブコメがめっちゃ観たいし、めっちゃ書きたいです…

Wall of Glass / Liam Gallagher (2017)

 間違いなく、10月に観た映画『Liam Gallagher: AS IT WAS』の影響です! あの映画、さらに最後に絶妙なタイミングでかかるこの曲を聴いてしまったら、もう聴き倒さずにはいられませんでした。イントロのブルースハープの音色からして、静かな闘志がみなぎってくる感じ。ワクワクしますね!

 歌詞はノエルに向けて歌われているのでは? という説も多くあるようですが、わたしは自分自身に向かって言い聞かせているように捉えていました。リアム本人も、歌詞の意味について尋ねられたインタビューにこう答えています。

「(略)あとは、明らかにノエルのことを指してる歌詞も少しあったりする。母親とか、俺の子どもとか、デビー(リアムのガールフレンド)を指してる歌詞もある。今まで色んな人間と関わってきたからな。(“Wall Of Glass”は)俺自身のことでもあり、お前のことでもあり、奴らのことでもあるんだよ」(英『NME』インタビュー)

 自分に向けて、と捉えると、"One day you'll shatter like a wall of glass(ガラスの壁のように,お前もいつか粉々に砕け散るぞ)"と諫めるような歌詞ながらも、力強いサウンドで背中を押してくれる応援歌として解釈することもできるんじゃないか、と思っています。そしてわたしは今後も、そういう解釈でこの曲を聴くと思います。

 にしてもこの曲、3年も前にリリースされてたんですね。もっと早く知りたかった…!

君は薔薇より美しい / 布施明 (1979)

 布施さんの微笑みがすてきなジャケ写です。MV(的なもの)がYouTubeで公式公開されていないせいもありますが、Spotify配信のこれを選んだのには理由があります。

 まず、この曲を今年よく聴いた理由から。
 テレビで耳にすることも多く、みなさんもこの曲を一度は聴かれたことがあるのではないでしょうか。わたしももちろん前々から聴いていましたが、それでも今年のベストに選出したのは、4月に公開されたこの動画がきっかけです。

 ニセ明さんです。

 星野源さんのライブのアンコールで、毎回「君は薔薇より美しい」を歌う謎のシンガー・ニセさん。自粛期間中に名曲「うちで踊ろう」ほか、過去のライブ映像など多くのコンテンツを提供してくれた星野さんですが、4/20からは突然の〈ニセ明ウィーク〉と題し、ニセさんのコンテンツが1週間毎日配信されました。そのラストを飾ったのが、このニセさんの持ち歌(?)「君は薔薇より美しい」。

 ニセさんの歌唱はこれまで2回生で観たことがありますが、改めて単体で歌唱映像を観ると、なんかこう、インパクトがありますよね。
 何度も聴いていると「本家ってどんなんだっけ?」と妙なゲシュタルト崩壊を起こしてきて、自然と指が本家の「君は薔薇より美しい」を検索していました。

 そこでSpotifyで聴きはじめたのですが、聴いてみてびっくり。リンク先のこちらはちょっとBPMが早く、より軽快なのです。試しに曲名検索してみると、同じ布施明さん歌唱のものでも、総演奏時間3:03のもの(軽快なほう)と3:42(ゆったりしたほう、ニセ明さんはこちら)のものがありました。詳細については調べても詳しい情報が得られなかったのですが、この軽快なほうがめっちゃ好みでした。スキップするようなサビ、そして「変わった」のロングトーンの爽快さが最高。
 つい1日何回も聴いてしまっていたので、迷いなく選びました。

ハリケーン / シャネルズ (1981)

 今年の紅白になんと24年ぶりにご出演される、鈴木雅之さん率いるシャネルズ。「ハリケーン」も、PUFFY、ゴスペラッツほか多数のアーティストにカバーされる名曲です。
 実は、この曲もカバーバージョンからハマりました。

 見取り図のおふたりのカバーです。にしてもサムネの合成感すごいな。

 前作、ゴスペラーズ「ひとり」から視聴すると上達してはる…! と妙な感動があるのですが(説明欄にも「今回はちゃんと練習をしてから」と記述があります)やっぱりあと一歩なクオリティが妙な中毒性があって、いつの間にかこの曲自体が頭から離れなくなっていました。

 本家はもう別格なのですが、やはりリードボーカル・鈴木雅之さんの甘く安定感のある歌声を軸に、正確で心地よいハーモニーが重なるさまはほんとうに素敵。日本のお茶の間に「ドゥーワップ」というジャンルを浸透させたそのポップさと実力は、いま聴いても素晴らしいとしかいいようがありません。

FIRE GROUND / Official髭男dism (2018)

 「FIRE GROUND」は『CDTV ライブ! ライブ!』の特番企画「1時間まるごとOfficial髭男dismフェス」で演奏されていて、気に入ったのが聴きはじめたきっかけでした。

 「ノーダウト」「宿命」の例外は知っていたけれど、「115万キロのフィルム」「Pretender」、そして「I LOVE…」とラブソングの大ヒットが続いていたことで、個人的にヒゲダンにはすっかり”ラブソングの名手”のイメージがついてしまっていました。なのでこの曲を聴いて、彼らにこんなアプローチの曲があったことに驚いたし、僭越ながら「ヒゲダン、ラブソングだけじゃないじゃん!」とすごく衝撃を受けました。

 先述の”例外2曲”は1番に「おしゃれ」な印象を持っていたのですが、この「FIRE GROUND」は熱く、力強い印象を1番に感じました。
 【天才? 秀才? 20年にたった1人の逸材? そんな安い言葉売っぱらって 替えのきかない目で見つめろ】なんて熱い歌詞、正直ヒゲダンにあると思っていなかったし、実際に聴いてみるとすごく自然に入ってきて。この部分はメロディもすごく好きなところです。

 Official髭男dismのイメージを変えてくれた1曲として、今年特に印象に残ったので選びました。

I'LL BE / Mr.Children (1999)

 90年代・ミスチル黄金期のシングル曲の割にはあまり話題にのぼらない印象ですが、ミスチルにどハマりしていた小学生時代、1番好きなシングル曲がこの「I'LL BE」でした。でもこの曲、アルバム『DISCOVERY』にはゆったりしたバラード調のものが収録されていて、2018年5月のデジタル配信解禁までは、シングルバージョンはずっとシングルCD(しかも8cm)を購入するしか聴く手段がなかったのです。今ならMVもYouTubeで公開されているなんて…

 配信解禁時に、解禁日から1年間限定でリリースされていたベストアルバム『Mr.Children 1992-2002 Thanksgiving 25』には、このシングルバージョンが収録されています(これがアルバム初収録)。でも、なぜか当時のわたしは購入しておらず、また随分「好きだけど(物理的に)ずっと聴けていない曲」のままでいました。そんな経緯があり、Spotifyを始めたとき真っ先に「聴きたい曲」として思い浮かんだのが、ほかでもないこの曲でした。

 ミスチルファンであり、ボーカル・桜井さんとも長年交流のある元サッカー日本代表・名波浩さんが、セリエA・ACベネツィアへ移籍する際に贈るため書かれたこの曲。挑戦する人の背中を押してくれるような、前向きな歌詞がとても勇気づけられます。なかでも【不安や迷いと無二の親友になればいい】というフレーズには、わたしも何度も助けられてきました。

 全編読んでほしい歌詞なので、歌詞サイトのリンクも下に貼っておきます。ご存知ないかたは、ぜひ一度読んでみてください。

やさしい悪魔 / キャンディーズ (1977)

 特に理由は思い出せないのですが、なぜかよく聴いていた1曲です。たぶんSpotifyの「昭和ポップス」プレイリストにあったのかな?
 ロックや歌謡曲を飲みこんだ特徴的なメロディは、聴くだけで吉田拓郎さんの作曲とわかります。父の車で、幼い頃にたくさん拓郎さんの曲を聴いてきたわたしには、どこか懐かしいような雰囲気も感じました。

 「キャンディーズを大人にしてくれ」とのオーダーで作られた曲とのことですが、その通り”かわいくて、ちょっと色っぽい”感じがめちゃくちゃアイドルらしさを感じる名曲だと思います。間奏のスキャットとかめっちゃその感じがする。
 あと聴くと、音域の広さにびっくりします。度々言われることかとも思うのですが、”昭和アイドル”の歌唱力の高さ、スキルフルな魅力には、いま聴いても魅了されてしまいますね。

Ill Ray (The King) / Kasabian (2017)

 Kasabianは高校時代、Oasisからたどって聴くようになりました。厚みとアクのある特徴的なサウンドと、楽曲全体に漂うダーティな雰囲気が好きです。

 2014年のアルバム『48:13』はよく聴いていたのですが、この「Ill Ray (The King)」収録の最新アルバム『FOR CRYING OUT LOUD』は発売後も未聴で(たしか近所のTSUTAYAで貸してなかったので…)。Spotifyの加入をきっかけに聴きはじめたら、過去イチでお気に入りのアルバムになりました。

 個人的に、Kasabianはアルバム1曲目に名曲を置いてくる印象が強くあります。『FOR CRYING OUT LOUD』の1曲目を飾るこの曲も、例に漏れず彼らの特徴的な厚みあるロックサウンドに攻撃的な歌詞がのって、アルバム全体の流れを作ってくれるような高揚感がありました。こんなの1曲目に置かれたらアルバム全部聴いちゃう… そのあとに続くのが、全然タイプの違うダンサブルなメロディの「You're In Love With a Psycho」なのも良い。

 ずっと聴いてたらライブに行きたくて仕方なくなってしまって、コロナが落ち着いて来日が決まれば観に行きたい…! と思っていたら、7月にメインボーカル・トムが脱退してしまうというショッキングなニュース。悲しいですが、新しいKasabianも楽しみにしたいと思います。

マジでハイ / 梅田サイファー(KZ, peko, ふぁんく, KOPERU, KBD, KennyDoes, R-指定)(2019)

 音楽を好きになったきっかけがモーニング娘。だったからなのか、『うたの☆プリンスさまっ♪』のガチめのオタクをしていたからなのか。とにかく(4人以上で)歌うアイドルソングに深くハマっていた期間が長いせいだと思うのですが、日本語ラップでもついマイクリレー曲を好んで聴いてしまいます。それぞれの個性が繋ぎ合わされてひとつの曲に昇華されていくさまは、アイドルソングでも日本語ラップでも変わらず、テンションが上がってしまうのです。

 梅田サイファーを聴きはじめたのは、お察しの通り昨年Creepy Nutsにめちゃくちゃハマって、おふたりのCreepy Nuts以外の曲も聴いてみたいと思ってたどり着いたのがきっかけでした。日本語ラップ聴き始めの頃に出会ったわけですが、ほんとにどのメンバーのバースも聴きやすくてわかりやすい! MCも”大阪の兄ちゃんたち”という感じで親しみやすく、個人の活動も少しずつ聴くまでにすっかりハマりました。楽曲はひと通り聴いているのですが、やっぱりこの「マジでハイ」が1番上がります。

 7月にYouTubeで開催された無観客配信ライブ「梅田サイファー無観客無料配信LIVE UC Week 20 Summer ~今 ステージの上~」の最後にその日の出演メンバー全員でこの曲を歌われたときは、歌い出しのフックからもう楽しくて! もちろんライブも素晴らしかったですが、この印象もあって、特にこの曲を今年はよく聴いた思い出が強くあります。

Love so sweet / 嵐 (2007)

 2月7日、まさかのニュースが音楽業界を駆け巡りました。嵐のオリジナルアルバム・全16タイトルが、各種配信サービスにてDL・ストリーミング解禁となったのです。

 嵐は、ファンクラブにこそ入っていませんでしたが、特に中学生のときには冠番組は毎週録画、CDは毎作予約して買っているくらいのファンでした。活動休止、とてもさみしいです。できるだけ近い将来に、また5人揃った姿を見られることを願ってやみません。

 そんな具合だったので、彼らの曲、特に2010年頃にリリースされていた曲はまさに、わたしの思い出がたくさん詰まっています。Spotifyでも色々聴いていましたが、そのなかでも特に聴いていたのがこの「Love so sweet」でした。
 この曲が主題歌に起用されていた『花より男子 2(リターンズ)』も大好きで、もちろんリアルタイムで全話観ていました。物語クライマックスの雪山のシーン、めっちゃドキドキしながら観てたな…

 そしてこの曲といえば、昔にネットで「どんなシーンでも嵐のLove so sweetを流せば恋が始まる」という(謎)ムーブメントが思い出されます。それくらい、この曲のイントロから溢れる多幸感・キラキラ感は、多くの人の心を明るくしてきたのではないでしょうか。わたしもこのイントロを聴くだけでわくわくしてしまうし、ドラマを思い出すし、サビではついあの振り付けで踊り出したくなってしまいます。

 いつ聴いてもこんなに明るい気持ちになれる曲はあんまりないし、さらにこんなに多くの人がそう思える曲なんて、めったに現れないと思います。ここに、嵐というアイドルグループの偉大さを感じずにはいられません。

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 以上10曲が、わたしの「個人的2020年"リバイバル"ベストソング10」です。
 ほんとにギリギリになってしまいましたが、2020年が終わる前に、1年の出来事を振り返りながら音楽を聴く時間はめちゃくちゃ贅沢でした。楽しい。ぜひ来年もやりたいです。

 ほんとうに、今年は例年にない混乱の1年でしたね。わたし個人的にも、音楽業界も、色々とつらい時期が続いています。まだこの状況は明ける気配があんまりないけれど、どうか2021年もささやかでも音楽を楽しみ続けられますように。

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