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流浪の食微録

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知られざる美味の探求と出逢いを求めて彷徨う、ロンリー・ミニマリストの食紀行。
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2021年3月の記事一覧

唐突に訪れた札幌ジンギスカンへの衝動。

唐突に訪れた札幌ジンギスカンへの衝動。

「だるま5.5店」2021年3月8日(月)

何かに追われるように、時が途切れなく過ぎてゆく。
背中を押されるように前進しても、スクラムのように前進しがたい。
追うように進んでいるつもりなのに、追われて前に進まない。
この矛盾した状況下において、どう身を処するか?
“仕事を愛せよ”
かのスティーブ・ジョブズの尊い箴言は、明快であり重厚な意味を帯びてくる。
愛する仕事ということと、仕事を愛すること、

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スパイスラーメンという新潮流の不意の試み。

スパイスラーメンという新潮流の不意の試み。

「辛いラーメン14」2021年2月28日(日)

透徹とした夜の空に、朧げな光を放つ月が浮かんでいた。
もうすぐ冬が終わるはずだった。
なのに、何故に寒いのであろう。
“永遠というものは、何か不可解な観念、何かとてつもなく大きな物だ”
と、ロシアの文豪ドストエフスキーは書き連ねた。
きっと永遠にこの寒さが続くはずもなく、さもなくば永遠などは存在しない、と焼鳥と酒で酩酊した思考が迷走しているだけなの

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うどん無法地帯に突如として現れた力量。

うどん無法地帯に突如として現れた力量。

「手打ちうどん 力」2021年2月23日(火)

“北の街の春の到来とは雪の喪失である”、と自ら定義づけている。

灰色の空からは、槍のような雪が鋭く重たげに降り落ちる。
突如として冬に逆行しては、歩幅が狭いながらも春へゆっくりと歩む日々が続いているが、静かに春を待つばかりだった。

午後とはいえ、夕刻の微かな兆しが街に漂う中、空腹に息絶えるように彷徨った。
強く降る雪に溶け合う白く大きな暖簾は、

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