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【読書】ほんタメ文学賞2022年上半期ノミネート作品を読んでみた【あかりん部門】【まっとうな人生】


前回の記事に引き続き、今回は、ほんタメ文学賞あかりん部門のノミネート作品を紹介します。


〈前回の記事はこちらから〉


本当は、ここで3冊ともについて書きたかったのですが、今の状況は、『まっとうな人生』の前編に当たる『逃亡くそたわけ』『まっとうな人生』を読み終わり、『パパイヤ・ママイヤ』を読んでいる途中なのです。


本日20時から大賞の発表ということなので、発表前に、一旦現時点版として記事を更新したいと思います。


『まっとうな人生』の前に


『まっとうな人生』(絲山秋子 著)は、『逃亡くそたわけ』というお話の後日談なので、まずはそちらを読みました。


九州における逃亡劇が描かれています。あたしとなごやんは喧嘩もするし、トラブルもたくさん起こる。それでも、溢れる生命力のようなものに突き動かされて、最後には明るい気持ちになれる作品でした。


各地の言葉や風景、道路、食べ物などが詳しく描写されていて、楽しいばかりの旅ではないものの、実際に九州を旅しているような、開放的な気分にもなれました。


『まっとうな人生』絲山秋子


今回ノミネートされた『まっとうな人生』は、『逃亡くそたわけ』から時が経ち、あたしが結婚して夫と娘と富山に住んでいるところを描いています。


また、なごやんも、妻と息子と同じく富山県内に住んでいます。


色々ありながらも、落ち着いた幸せな毎日を送るあたしですが、次第に新型コロナウイルスの感染が拡大し、また、肉親の死も襲い掛かります。


2019年から2021年が描かれたこの作品を読み、コロナ禍の生活が、前編の逃亡劇と同じくらい「非日常」だった頃を思い出して、複雑な気持ちになりました。良くも悪くも、慣れてしまったな、と。


「まっとうな人生」とは何か。正解があるのか。私は、この本の中にあった、次の数行がしっくり来ました。

暑いときも寒いときも、体が苦しいときも頭がおかしいときも、その気持ちをきちんと感じる。不安も恐れも受け止めるしかない。楽しかったら笑い、美味しかったらちゃんと喜ぶ。
『まっとうな人生』(絲山秋子 著)より

日々を、一瞬一瞬を大切にしていきたいと改めて思います。



ほんタメ文学賞、あかりん部門のノミネート作品のうち、『まっとうな人生』(絲山秋子 著)を紹介しました。


他の2冊は、大賞発表後になってしまうと思いますが、また記事を更新します!



最後まで本記事をお読みいただき、ありがとうございました。


大賞の発表、楽しみですね🏆💙💛




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