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【読書】ほんタメ文学賞2022年上半期ノミネート作品を読んでみた【たくみ部門】


YouTubeチャンネル「ほんタメ」をご存じでしょうか?


教育系YouTuberのヨビノリたくみさん女優の齋藤明里さんが、おすすめの本を紹介したり、本に関するクイズに挑戦したり、本屋さんで選書をしたりするチャンネルです。二人の本への愛が伝わってきて、観ると読書をしたくなります。



以前からちょこちょこ観ていたのですが、今年に入ったくらいから特にはまり、今では更新を楽しみに待つようになりました。


ヨビノリたくみさんと齋藤明里さんが、半年の間に発売された本から3冊を候補作として選び、そのうち1冊を大賞とする「ほんタメ文学賞」というものがあります。2021年から始まり、今回の2022年上半期で3回目です。


これまでの2回は、「これは私も読みたいと思っていた!」などと、大賞が決まってから眺めていただけだったのですが、今回は、ノミネート作品をすべて読んでみたいと思い、一冊ずつ読んでいくことにしました。


私はミステリーが好きなので、初めにたくみ部門の3冊を手に取りました。この記事では、この3冊について紹介します。あかりん部門の3冊も、大賞発表までに紹介できると良いのですが……。


3冊を読んで


たくみ部門のノミネート作品3冊は、どれもSNSが効果的に使われていて、新しいミステリーを存分に楽しめました。


携帯電話やDNA鑑定の登場により、ミステリーの創作が難しくなることが想定された時期もあったかと思いますし、実際にそうだと感じますが、マッチングアプリ、YouTube、Twitterといったツールを使った新しいミステリーの形に感動を覚えました。



『#真相をお話しします』結城真一郎


今回の3冊の中で、短編集ということもあり、一番読みやすい印象です。


作者の結城さんも、テレビの取材で、「YouTubeを見るような感覚で楽しんでほしい」という趣旨のことをおっしゃっていました。


普段あまり本を読まない方にもおすすめの、「何かがおかしい」という感覚とそれが明らかになったときの納得感が味わえる一冊です。


『俺ではない炎上』浅倉秋成


普段は電子書籍派なのですが、こちらは、八重洲ブックセンターの特設コーナーにてサイン本を購入しました。ほんタメ特製ステッカーもいただいてきました。


こちらは、自分にも起こり得るかもしれないという恐怖と、鮮やかな伏線回収が心に残る作品です。


『爆弾』呉勝浩


こちらは、読んでいるうちに、自身も取調室でスズキと向き合っている気持ちになり、そして、スズキを通じて自分自身と向き合うことになるような、そんな不思議なお話でした。


前半は、次の爆発場所はどこなのか、必死に頭を働かせて読み進めましたが、次第に、スズキや周りの刑事たちの価値観、そして自身の価値観について考え始め、今でもスズキが本当に言いたかったことなどを考え続けています。



以上、ほんタメ文学賞2022年上半期ノミネート作品(たくみ部門)について紹介してきました。
18日(木)の大賞発表が楽しみですね!



本記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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