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【夏の文庫フェア】【カドフェス】『探偵倶楽部』東野圭吾


9月になりましたが、「夏の文庫フェア」の作品で読めていないものがたくさんあります。まだ夏は終わっていない!ということで、引き続き紹介していけたらと思っています。


今回は、角川文庫の「カドフェス」より、『探偵倶楽部』(東野圭吾 著)を読みました。


以前、アイスのブックカバーについて紹介しましたが、3色アイスのカバーの中にあったのは、この本でした。


東野圭吾さんの作品は、どれも面白くて大好きです。今も次々新作が発表されていますが、この『探偵倶楽部』は初期の作品です。


しかし、読んでみると、時代の古さを感じさせない新鮮さがありました。固定電話を前提にお話が進むところなどは少し違和感があるものの、その辺りも含めてちょっぴりSF感があるというのか、このお話はとても魅力的でした。


お金持ちの会員のための調査


お金持ちの会員のため、「探偵倶楽部」は秘密厳守で様々な調査を請け負います。黒っぽい服を着た男女二人組は、探偵として、隠された事実を明らかにしていくのです。


この本には、彼らが調査する事件を扱った短編が収められています。


大手スーパーマーケットの経営者の死について、その後の勢力争いや保険金の受取り等のために隠そうとする『偽装の夜』。高校生の美幸の母親が何者かに殺害されたのですが、なぜか父親や姉の様子がおかしい『依頼人の娘』。短大時代の友人と浮気をしていた自分の夫とその友人の夫が、友人の前で亡くなる『探偵の使い方』。


日常に潜む妬み、恨み、不満といったものが人を動かしてしまい、起こった事件が取り上げられています。


お気に入りは『探偵の使い方』


私が特に好きなのは、『探偵の使い方』です。あっと驚く真相も、終わり方も良いなと思いました。


警察官が探偵倶楽部について、「会員が庶民化してきたのかもしれない」と考えるのですが、それが結末に繋がっていくのが面白かったです。お金持ち専用、という設定が、なんだかわくわくしますね。



お読みいただき、ありがとうございました。


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これまで紹介した夏の文庫フェアの作品はこちらから↓


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アイスのブックカバーの記事はこちら↓



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