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『medium 霊媒探偵城塚翡翠』と『invert 城塚翡翠倒叙集』(『medium』は現在、Kindle Unlimitedで読むことが可能!)


私は『Kindle Unlimited』を利用している。月額980円で、制度の対象となっている電子書籍が読み放題というAmazonのサービスだ。


現在、この『Kindle Unlimited』にて、『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(相沢沙呼 著)を読むことが可能となっている。最近、続編の『invert 城塚翡翠倒叙集』が刊行されたことでも話題のこの作品。


私は『medium』を早速読み、そして『medium』が良かったことから『invert』も購入して読んだ(※『invert』は『Kindle Unlimited』の対象ではない)ので、今回はこの2冊について書いていきたい。


『medium 霊媒探偵城塚翡翠』


推理作家の香月は、他人のオーラのようなものを読み取ることができて犯人が「視える」美人霊媒の城塚翡翠と協力し、様々な事件を解決してきた。翡翠が犯人を見抜き、香月が誰もが納得できるような論理を組み立てたり証拠を探したりして、犯人逮捕へ導いていく。


そして今、若い女性の連続死体遺棄事件が世間を騒がせている。犯人は何も手がかりを残さず、殺害現場すら特定されていない。香月は、被害者の遺族から依頼を受け、事件解決へ向けて動き出す。


表紙に「すべてが、伏線。」とあるとおり、終盤、様々な事柄に説明がなされていく衝撃は、なんだかすがすがしくも感じられたが、結末は哀しかった


『invert 城塚翡翠倒叙集』


続編は、読者が犯人を知った状態で話が進んでいく、倒叙形式がとられている。


『medium』をまだ読んでいない方には、何を言ってもネタバレになってしまう気がするので難しいのだが、翡翠のキャラクターの濃さが『medium』より増幅している感じがする。


どんな理由であれ殺人は認められないとする翡翠が当然正しいと理解しているが、犯人目線で読み進めているためか、追い詰められる犯人に同情的な気持ちになってしまうときもあった


他の推理小説を読んでいて、犯人が探偵により追い込まれても、犯人側に寄り添った気持ちになることは滅多にないので、そんな自分に少し驚くとともに、翡翠の能力が高すぎることから生まれた判官びいきのような感情なのかなとか、他の推理小説も犯人側の視点で記述したら見方が変わってくるのかなとか、考えを巡らせた。


この作品については、読んだ他の方とぜひ意見交換をしてみたいと思った。翡翠のキャラクターは好きですか。推理小説には驚きを求めますか。倒叙形式についてどう思いますか。聞いてみたいことがたくさんある。


読んで良かった!


今回、『medium』が『Kindle Unlimited』で読めるということをきっかけにして2冊とも読み、あっと驚かされたり、倒叙形式で新たな感情に出会ったり、楽しむことができた。読んで良かったと思う。


『Kindle Unlimited』を利用している方には特に、まずは『medium』を読んでみることをおすすめしたい。



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