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【読書】ほんタメ文学賞2022年上半期ノミネート作品を読んでみた【あかりん部門】


YouTubeチャンネル「ほんタメ」において、教育系YouTuberのヨビノリたくみさんと女優の齋藤明里さんが、半年の間に発売された本から3冊を候補作として選び、そのうち1冊を大賞とする「ほんタメ文学賞」


たくみ部門の受賞作が『俺ではない炎上』(浅倉秋成 著)あかりん部門の受賞作が『ゆきあってしあさって』(高山羽根子・酉島伝法・倉田タカシ 著)と発表されてから1か月以上が経ちましたが、あかりん部門のノミネート作のうち、『パパイヤ・ママイヤ』と『ゆきあってしあさって』については記事にできていなかったので、遅くなりましたが、書いていきたいと思います。

📚ほんタメ文学賞に関するこれまでの記事はこちら


『パパイヤ・ママイヤ』乗代雄介


『ゆきあってしあさって』もそうですが、あかりん部門ノミネート作品として紹介されていなかったら、きっと私は手に取らなかったであろう一冊です。出会いのきっかけがあって良かったと感謝しています。


高校のバレー部で人間関係に心をすり減らす、アルコール中毒の父親が嫌いなパパイヤと、学校に行かず一人で過ごす、芸術家の母親との距離感に迷いのあるママイヤ。


二人が一緒に過ごしたかけがえのない時間を覗き見て、胸がいっぱいになりました。
「なんか、なりたい自分だって気がするんだよね、あんたといる時だけ」
こんなふうに言える、言ってもらえる友人関係は、なんて貴重なのだろうと感じます。


30代に足を踏み入れた今思うことは、大学受験第一で勉強ばかりの高校生も、今の状況下で思うように行事などを経験できていない高校生も、いつかきっと、高校時代を青春だったと思う日が来るので、誰かが決めつける「青春」にとらわれず、目の前のことを大切に、一生懸命前に進んでほしいということです。


『ゆきあってしあさって』高山羽根子・酉島伝法・倉田タカシ


あかりん部門の大賞受賞作🏆
おめでとうございます!


素敵なまち、楽しそうな旅—と必ずしも言えないような旅が語られているところが、この作品の魅力です。


実際に自分が行くとなったらためらいそうな場所や経験について、これほど具体的に想像を膨らませられる作家さんはすごいです。


閉塞感を覚えやすい世の中ですが、外の世界の空気を吸えた感じがして、何だか開放的な気分になれました。



YouTubeチャンネル「ほんタメ」は、先日チャンネル登録者数が6万人を超え、初の公開収録も行われるなど、勢いがあります!


引き続き、動画も読書も楽しんでいきたいと思います。


この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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