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【第6回:ちょっとだけ教授法③】で、一体どれが一番良い教授法なの?

こんにちは!

今まで2回に渡り教授法について触れてきました。

色々とありましたが、一体どの教授法が一番良い方法なのでしょうか。

私の答えは・・・

万能な教授法なんてない!

です。(なんとなく予想はついてましたよね。。)


今、一般的に批判されることの多い文法訳読法も、使い方によってはその効果を発揮します。

また、流行りのコミュニカティブアプローチも、導入する場面を間違えば授業は上手くいきません。

結局のところ一般化は出来ず、クラスの雰囲気や学習目標に応じて使い分けていくしかないようです。

それではあまりにも投げやりなので、少し場面例を出しながらどんな教授法を使うことが出来るか一緒に考えてみましょう。


①初級(ほぼ初めて)/年齢13〜15歳/とりあえず言語に慣れることが目標

この場合、どのような教授法を使った授業が考えられるでしょうか。

年齢が低いことを考えると、あまり机に座り続けて勉強するのが難しいかもしれません。そうすると、コミュニカティブアプローチを使い、他学習者と会話をしながら学んでいく方法が考えられます。

また、グループ活動をメインにして、タスクを与えるTBLTを使ってもいいですね。

もしかすると、「日本語に翻訳してみる」というタスクを与え、グループで短い文章を翻訳させるのもいいかもしれません。最後にどの翻訳が一番良いか投票させるのも面白そう!これは、TBLTと文法訳読法が混ざった形になりますね。

さらに文法にフォーカスするのであれば、最初に文法項目をいくつか教え、翻訳させながら教えた文法項目をグループで見つけ出してもらうのも楽しいと思います。

小人数であれば、直接法や全身を使うTPRを活用してもいいですね。授業中ずっとだと教員が大変なので、何かゲームを行うときに組み込んでも面白いと思います。TPRは教員が行う必要はないので、学習者同士が体を使ってお互いに伝えあってもいいですね。

授業の最初のウォーミングアップでは、オーディオリンガルメソッドを使うのもありですね。決められた形を他の学習者と練習するのは負担が少なく、ウォーミングアップには最適です。


②上級/20歳〜/文法項目はほぼ全て学習済

この場合、批判されている文法訳読法を駆使することも出来ます。日本語に直すので、日本人教員でも使いやすい方法ですね。

ただ、翻訳させ一文ずつ確認する・・・という授業は皆さんも中学校や高校で経験済だと思います。私はただただつまらなかった記憶しかありません。

では、どうするか。まず全員に宿題で文章を翻訳させ、その後、クラスで一文ずつ自然な日本語になるように確認します。えっ、同じじゃん!と思った人もいますよね。

でも、ポイントは「自然な日本語になるように」というところです。黒板に一文ずつ書いて、クラス全体でその一文を出来るかぎり自然な日本語になるように日本語で意見交換します。できれば、司会や板書も学習者が行うと面白くなります。教員は教室の後ろで、たまにツッコミを入れるだけ(結構細かなところでツッコミを入れるといいですよ。例えば英語のVolkを国民、市民、住民、民衆などどう訳すか。)

同じ文法訳読法なのに授業が活発に動きます。

もちろんTBLTを使って、何か問題提起しディスカッションを行ったりも出来ますね。学習者が大人なので、文法項目を一切排除するよりはTBLTのように少し文法に触れられると学習者が満足するかもしれません。

教員が自信を持って学習言語を話すことができるのであれば、直接法を用いて授業を行うことも可能です(ここでの直接法は学習言語のみを使って授業をするという広義的な意味です)。

上級クラスでは、授業方法は無限大にあります。


長くなってしまうのでこのへんで終わりにします。

ここまで書いた方法はあくまでも一例です。クラスによっては上手く機能しないこともあります。

ただ、これまで書いた6つの教授法をアレンジするだけで無限大の可能性が生まれます。

冒頭に書いた通り「万能」な教授法はありません。

ただ、色々な教授法を組み合わせることによって「各教員」にとってのある程度万能な教授法が出来上がるかもしれません!








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