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半年目の葛藤

ルワンダに来てからあっという間に半年が過ぎたオバラです。

半年が経過したものの実際に活動が始まってからは5ヶ月、ましてや学校に配属されている私は休みが多いので実働したのは3ヶ月弱です。
しかし、半年この国で過ごし、3ヶ月弱同じ場所で勤務しているともう私にゲストという肩書きはないように感じています。

私のコミュニケーションが足りてなかった話

以前のどこかの記事でもお伝えした通り、配属先の体育の授業は全て座学で行われています。しかし、ルワンダの教育庁的なところが発行している体育のシラバス、教師用教科書には「体育の授業はアクティビティを用いるべきであり、教師は生徒にこれを提供すべきである。」と記載されている。このことを唯一の同僚の体育教師(以下、CP)に確認すると、「私もそれは知っている。」と言われた。

そして、前学期にも確認しているがもう一度なぜうちの学校では実技の授業が行われていないのか聞いてみた。前と同様CPは私に幾つかの理由を教えてくれた。
①時間の問題 ②生徒の更衣室の問題 ③シャワーの問題 である。
正直、①はどうしようもない問題であるため、この問題とはずっと付き合っていかなければならない。②、③についてはどうであろうか。すぐに解決できるものではないか。ましてや③については私の感覚にはないものであった。③の問題はCPがいうには、実技の後など(運動の後)はルワンダでは必ずシャワーを浴びるという。そんな文化があったなんて聞いたことなかった私が目をまんまるくしていると彼が続けて「日本では体育の後シャワーを浴びないのか?」と聞いてきた。私の経験上授業後シャワーを浴びたことはないし、そのようなことを聞いたことがない。このことを伝えると今度はCPが元ならまるい目を見たことがないくらいまんまるにしていた。

前の私であったら、CPに理由を並べられて諦めていた。なぜなら彼がスラスラと理由を述べてくるものだから、彼は実技に対するモチベがないと勝手に判断していたからだ。今回は負けてたまるか精神でどうしたら私たちは実技ができるの?と聞いてみた。すると彼はこう答えた。「上の人たちの決定だからできない。」一言目でこういわれたのでほぼ私の負けが確定していた。でもここで負けたら私がここにいる意味があまりないと思い「あなたは実技したほうがいいって知ってるよね?したくないの?」と食い下がった。すると「必要なことも知ってるし、実技もしたい。座学だけで授業をするのはもう懲り懲りだ。」と言ってくれた。これを聞いた時、ああもっと早くこのことを聞けばよかった。勝手に私が判断してただけなんだと恥ずかしくなった。
その後、どうすれば実現できるかもう一度聞くと「上の人に交渉して①は無理だけど、②と③の問題を解決しなければならない。」と教えてくれた。

このことから、コミュニケーションの質の大切さ、ルワンダの文化、ルワンダ人の人間関係など多くのことを学ぶことができた。

私の環境

上記の話からJICA海外協力隊(主に学校隊員)にはさまざまな環境があるのではないかと考えることができた。あくまで自分の考えです笑

それは大きく分けて4つ。
活動できる環境の有無、活動先の技術の有無である。

①環境が整っており、一緒に活動する人たちの技術も確保されている。
このようなケースでは、隊員はその環境を、その人たちの技術等を一緒に活動する中で開発、向上に努める活動になるのではないかと思う。そのため、隊員自身の経験、知識・技術等が問われるのではないか。

②環境は整っているが、現場の人たちの技術が発展途中である。
このようなケースでは、隊員はその環境を十分に理解・把握して、現場の人たちと共に活動しながら、知識・技術等を伝えていく活動が主になってくるのではないかと思う。

③環境は不十分であるが、現場の人たちの技術は十分である。
このようなケースでは、隊員は環境の課題改善につとめたのちに現場の人と共に活動するという活動になってくるのではないかと思う。

④環境も、現場の人の技術も十分ではない。
このようなケースでは、隊員は環境の課題改善に取り組みながら、現場の人たちへも知識・技術を伝えるという活動になってくるのではないかと思う。

文字にするとこんだけの量で終わってしまうが、どのケースでも様々な課題があるし、できないこともたくさんあるし、全てが先が見えない状況でものすごく労力のいる環境であることは間違いない気がしている。

私の場合はどうであろうか。
私は③に分類されるのではないかと思う。というか③であると期待している。
期待しているというのは、CPの実技の授業は見たことがないので実技の授業での課題等がまだわかっていないからである。しかし、彼は実技は座学の授業より、好きだし簡単だ(?)というので期待している。
その課題を出す前に私は実技が実施できる環境づくりに努めなければならない。上記の話で出てきた上の者の交渉し、実技が今実施できていない理由を解決するということである。

しかし、ここで1つ葛藤が生まれた。
それは、もしこれで実技ができていいものなのか。ということである。
実は、5〜6年ほどまではCPは実技を行なっており、コロナからずっと中止されていた。その間彼は1回も実技をしようと試みていない。そんなところに私がきて実技がしたいと交渉し実現したとしてどうだろうか。彼のためになるのだろうか。彼と一緒に交渉したほうが彼にとってはいい機会になるに決まっているが、彼はおまえがやってくれと言っている。でも、私が動かないと一生このままな気がする。でも、私は彼のこれからのためにも一緒に行ったほうがいい気がする。という感じに、「でも、、、でも、、、」と考えていてもキリがない。
やはり、私にとって一番に考えなければならないのは、それが生徒のためになるか。ということである。
そう考えるとCPについて考えるのは生徒の次でいい気がしたので環境を作ることに尽力したいと思う。

考えすぎな葛藤で途中で自分が馬鹿馬鹿しくなりましたが、結局やってみないとわからないことばかりと心の中で唱えることにしました。

それではまた!

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