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チャレンジしていく階段について

鳥取県で「大学生×地域」の仕掛けをしているゲンヨウです。活動を17年やってきながら、最近感じていたことをたまたま読んだ記事で共感したので書きます。

1.大学生と地域の関りを複層的に作る

僕たちの事業は、大学生と地域の接点を段階的に作っているのがポイントだと活動しながら気づいていました。最初は飲み会・懇親会的な環境から、単純なボランティア参加へ、受動的な立場から、自分たちで企画をしていく能動的な立場へと変化していくようになっています。この徐々に地域との関りを増していく部分にポイントだと考えていました。

(1)交流会「アジトノウタゲ」
一番小さな接点は「アジトノウタゲ」という名前の懇親会です。鳥取大学近くの弊社事務所に、社会人と大学生の交流の機会を作りました。当時、つながった社会人と学生との接点を、プロジェクトに行かないまでも作れないかと思って始めた企画でした。また若手社会人も周りに増えていたのもあります。

自分たちでメニューを作ることで、参加費も安くして参加のハードルをさげました。また途中から学生たちが話すテーマがあった方が参加しやすいということで、テーマセッションも設けてみました。1回2時間程度の拘束で地域の方と接点が持てる場として一定の機能は果たしていたと思います。

(2)ボランティア参加
ボランティア参加については、半日から一日の拘束で主に農村地域の共同作業を担ってもらっています。創業当初はなんでもボランティア派遣をOKにしていましたけど、コーディネートに関するコストを誰が負担するのか問題にぶち当たり、現状は農村(鳥取県の委託事業を活用)と自社事業に関する部分に限っています。

受入れ先と内容調整を事前に行ない、特に農村系については一緒にご飯を食べるという手順を入れてもらい、地域の方と一緒に話をできる場を作っています。ボランティアの良いところは、やる事が決まっていることです。自分で考えなくても、あらかじめ期待されている動きがあり。それをまず丁寧にやることで役に立つことができるというのが大きいです。

また、単純作業という部分もポイントで大学生くらいの年齢であれば可能な作業です。筋力・体力に個人差はありますが、そこまで技術が必要なわけではなく、スコップで土をどかすとか、地域の人が刈った草を動かすとかです。誰でも、その日に説明を受ければいくらかできるのがポイントです。

(3)学生プロジェクト
その次の段階として、大学生の地域プロジェクトです。これは、大学生がやってみたいテーマと、地域が求めているテーマをうまく組み合わせて実行する企画です。

立上げ期に関しては、僕ら職員がサポートしながら始めますが、原則、学生たちが自分たちで決めて動く企画になっていますし、各自プロジェクトでの予算を持っていてお金の使い方も自分たちで決めてもらっています。

プロジェクトは毎年継続しているものと、時限的にやるものとありますが、基本的には出入りに関しても学生が自分で決めています。入学のタイミングで入ることが多く、学年が変わるタイミングや、夏休み前、大学祭後が入れ替わりが多めの時期です。

(4)長期実践型インターンシップ
ここ数年で、取り組んでいるのが「大学生×企業」です。長期実践型のインターンシップとして、企業の取り組みたいテーマに大学生と一緒に挑むというプログラムです。

最低1か月から6か月の期間、大学生に取り組んでもらいます。大学生は夏休みなど長期休暇の期間に挑戦する人もいれば、在学中に講義をうまく組み合わせて取り組む学生もいたりします。前者は、鳥取県外の学生が参加し、後者は鳥取県内の学生が参加しています。

2.段階を区切るのは時間だと捉えていた

そこで段階として捉えていたのは、”時間の長さ”でした。半日程度のボランティア作業を通じて、自分で企画をやってみたいと思い、毎週会議で検討しながら自分の企画をカタチにする。そんなことをイメージしていました。

実際に学生人材バンクという組織も、最初は受け身のボランティア作業のつなぎから始めて、企画を提案していくスタイルに変わってきたので、それが自然な流れでした。

また、企業の方と一緒に自分のやりたい事だけでなく、社会が求めているものをアウトプットとして出すということもメニューの一つと捉えてやっていました。

しかし、パチッとはまる学生とそうでない学生が出てきます。なんでだろう。これは学生スタッフが増える流れになればなるほど、違和感が少なからずありました。その都度、フォロー体制だったり、面談サポートだったりしてきていました。

3.承認された場所を経て自己実現に踏み出す

何かの資料を見てた時に、マズローの5段階の欲求をもとにした分析がかかれていました。そこには、自己実現を最上級に置いた時に、自分から企画をやってみたいと思うには、その前段階の承認欲求を満たさないといけないというようなことが書いてありました。

最初に引用したnoteを読んで、その部分がより一層鮮明になりました。どちらかというと、僕はやりたいことを勝手にやってしまう多動な人なので、あまりその辺がぴんと来ていなかったのですが、自組織を通っていった学生を振り返ると、階段を上っていた学生は、コミュニティになじむこと、自己有用感(感謝の場面、具体的に役に立つこと)、自己肯定感(役割を務める事)の部分をやっていたなと。

そして、安定的な運営ができているプロジェクトには、基本的な作業があること、特に農村16きっぷには、農作業ボランティアがあり、感謝される場面(自己有用感を得る部分)がプログラムに入っていたのです。

4.自社のプログラムを再整理するタイミング

うちのプログラムの強みは、地味なことでも続けるのが大事なことをわかっていること。まず行動すること。の2点を大学生活において体感してもらうことを大事にしてきました。

それは言語化ができていなかったのですが、なんとなく哲学として伝えていました。

そして、そこからじわじわと成長した若者が社会に出て、少しでも自分と周りの人の暮らしを良くする動きや提案をする人材として動いてくれれば幸いと思っていますし、大きく言えば毎年そんな人材が日本全国に散らばっていると考えると、20年後とか面白くなるなと思っています。

今回の段階や承認の場などについて考えたときに、より一層、僕らのプログラムを通過した若者が面白くなるためには、プログラムの再整理や注目すべき部分について再考が必要だなと思ったのです。

常に手探りな部分は否めないのですが、少しでも型にしていくことで、より多くの学生に機会を作ることができるのではないかと思っています。

今日のおまけは、僕がやりたいことを、自然とやるようになっていた、実家の教育の話です。というか、知っている人は知っていますが、うちの父母は面白い人ですが、母にあった人はほとんどが「この親にしてこの子あり」と言われます。そんなことを書いています。

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