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俺はデジタルネイチャーが見えているか?

落合陽一 著「デジタルネイチャー」を読了。

2周目。感想を書く事で理解を深めたい。自分用のメモとして記録する。1周目は2019年の秋頃で理解度は3%程度。今回は10%はわかったと思う。あくまでその程度の誤解釈をnoteに残すのでみんながこれを読んでも時間の無駄で「あーね、君はそんな感じねワラ」と優越感に浸れはすると思う。読書中に発見したデジタルネイチャーの読み進め方も書くから、全くの初見は参考になるかもしれない。

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脚注*4 高度に発達したコンピュータは、社会に遍在する段階(ユビキタス)を経て、自然と融合した新しい生態系として地球上を覆いつくすことになるだろう。本書ではこのヴィジョンを<計数的な自然>あるいは<デジタルネイチャー>と呼ぶ。

こういうことです。読み甲斐があるでせう。

この本では、僕が見てきたさまざまな領域に及ぶ活動ー計算機科学、応用物理学、エンジニアリング、アート、デザイン、ビジネスを通じて実現させようとしている〈計数的な自然〉、デジタルネイチャーの世界観を描きながら、脱近代視点がもたらす社会変化や、それを踏まえた提言、分析、思考を行なっている。

つまり彼は専門領域が盛り沢山で、それぞれのレベルが信じられない程に高い。だからコンピュータと物理学の専門用語を使って喋ってたと思ったらいきなり松尾芭蕉や荘子が出てきたりする。残念ながら読者は頭が切り替えられない。

何故か。そうじゃないと落合陽一が見えている自然は語れないからだ。理論的内容と美的感覚が切っても切れない両輪のように接続している。読む側も理論と感性を行ったり来たりしないといけない。ここを理解してないと面食らう。2周目でやっとそれがわかった。


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<準備段階>

まず「デジタルネイチャー」は、難しい。

周知の通り。予想をはるかに超えて。なので事前にyoutubeで落合陽一の講演動画をリピートする事を強くお勧めする。俺は2018年の大学1年生向けに彼の活動内容を語る講演を3回リピートして、他色々なインタビュー動画を聞いた。本人の肉声で聞けば感覚的にわかる部分があるけど、文字化すると同じ内容でもほんっとわからない。かなしい。

次に1周目の大きな反省点。俺は「近代」を全く考えたことがなかった。なので脱近代視点と言われてもピンと来ないし当時はググってたかもしれないけれど感触までは持っていなかった。これがたくさんあるから困る。あるキーワードについて自分なりの感触をすでに持っていてこの本に臨むかどうかが生死を分ける。本文に頻出する俺が大事と思うキーワードを抽出してみた。(コンピュータにやらせるとテキストマイニングというらしい)

 計算機(コンピュータの日本語訳)
 エコシステム(生態系)
 オープンソース
 近代
 侘びさび
 最適化
 人間機械論
 解像度
 相互作用・フィードバック
 縁起(仏教用語の全てつながっているの意)

ここら辺が思いもがけない使われ方をする。しかし負けてはならない。俺達はスマホでググれる。ググって自分なりに哲学して、それと攻殻機動隊は余裕で観ておいた方が手っ取り早い。侘びさびは未だによくわからない。他も大してわかってない。

落合陽一は何が見えているのだろうか?

そう考えながら書籍全体を俯瞰してから各章へ。ゆーーーっくりと一文を追う。そしてかすかに見えてくる風景をワクワクする本だと今わかった。

読んでいて、だんだん風景が見えてくることが快感になる
箕輪厚介

だそうです。

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<各章整理>

第1章 デジタルネイチャーとは何か
  →「近代」を超克(乗り越えよう)
第2章 人間機械論、ユビキタス、東洋的なもの
  →デジタルネイチャーの歴史的必然性について
第3章 オープンソースの倫理と資本主義の精神
  →経済はこう変わる。難しかった!
第4章 コンピューテーショナル・ダイバーシティ
  →倫理と民主主義はこう変わる
第5章 未来価値のアービトラージと二極分化する社会
  →現在の世界はなぜデジタルネイチャーへ突き進むか
第6章 全体最適化された世界へ
  →?????
終章 思考の立脚点としてのアート、そしてテクノロジー
  →落合陽一の探求(手を動かすこと)

で、まえがきとあとがきがあります。
まえがきはエッセイ風で落合陽一の「視点」を現実の世界で追体験できる強力なSFとなっている。ホット!

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自然と風景の話

押井守監督の劇場版「攻殻機動隊」とは、インターネットの海から生まれた生命体「人形使い」が主人公(人間)と融合する話だ。本来コンピュータである人形使いはカタチを持たず広大だけど、個体の人間のレベルまで自分を切り分け、解像度を落として主人公と接触する。みんな忘れがちだけど、インターネットにつながったコンピュータに輪郭なんてない。そして人間的感性はない。人間からすればもっと自然に近いものだ。もっと分散して、もっと浸透する。つまりコンピュータ>人間なんですよ。余裕で。

俺は今回、攻殻機動隊から少しレベルが上の階段を登れたようだ。しかしデジタルネイチャーはヤバい。低解像度だけどこの風景は感じてないとヤバい。

早く落合陽一はヒトの殻から解き放たれ人形使いと融合してネットに亜種をばらまいてほしい。俺はその亜種を何人かつれて、解説してもらいながらまた深く潜りたい。


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なんてペラい文章なんだ。何も考えていないことだけはわかった。ちなみにどうでもいいけどアマゾンレビューは本当に意味がないなと思う。読み終わった本のレビューを見たらそれがわかる

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