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発達障害の人が優先順位をつける方法5選(ひさびさの記事更新)

発達障害を持つ人にとって、優先順位をつけることは大きな課題です。

実際、ASDの人は物事の全体像をつかむことが難しく、ADHDの人は注意力や計画力に課題を感じることが多くあります。このような特性が優先順位をつけるのを難しくしていると言えるでしょう。

しかし、適切な方法を使い分けることで、発達障害の人でも優先順位を上手くつけられるようになります。この記事では、発達障害を持つ人が日常生活で活用できる優先順位の付け方を5つのテクニックに分けて紹介します。


テクニック①: To Doリストを作成する

発達障害を持つ人は、頭の中で物事を整理するのが難しいことが多いため、視覚的に情報を確認することが効果的です。そのため、最初に取り組むべきはTo Doリストの作成です。To Doリストを作ることで、何をするべきかが明確になり、見失いがちな優先順位を視覚的に確認することができます。

たとえば、ADHDの人は同時に複数のタスクに気を取られやすいため、To Doリストがあれば集中すべきタスクが視覚的に明確になります。紙に書くかスマホのメモアプリを使うことで、どこでもリストを確認し、作業の管理ができます。

特に、「具体的に書くこと」が重要です。「仕事をする」ではなく「プレゼン資料を半分まで作成する」のように明確なアクションを書き出すことで、行動に結びつきやすくなります。

ただし、To Doリストはあまり先のことまで書き出さないようにしましょう。それだと、作ること自体が目的となって、時間が過ぎてしまった、と言うことになりかねないからです。

テクニック②: タスクを緊急度と重要度で分ける

タスクを「緊急度」と「重要度」で分類するのは、優先順位をつけるための基本的な方法です。発達障害を持つ人は、目の前の緊急なタスクに囚われやすく、本来重要なことを後回しにしてしまうことがあります。

そこで、「緊急度・重要度マトリックス」を使うことで、自分の時間とエネルギーをより効果的に配分できます。このマトリックスは以下の4つの領域から成り立っています。

A.緊急かつ重要なタスク(今すぐやるべきこと)
B.緊急ではないが重要なタスク(計画して取り組むべきこと)
C.重要ではないが緊急なタスク(できるだけ早く対応するが優先度は低い)
D.緊急でも重要でもないタスク(後回しまたは削除)

文字だと分かりにくいかもしれませんので、図を用意しました。

たとえば、ASDの人などは、細部にこだわりすぎて全体像を見失ってしまうことがよくありますが、このマトリックスを使えば、何が最も重要なのかを視覚的に整理し、こだわるべきポイントとそうでないポイントを見分けやすくなるはずです。こうして、重要な作業に集中することが可能になります。

テクニック③: タイマーを活用する

発達障害を持つ人にとって、時間の感覚がつかみにくいことがよくあります。そのため、時間を意識して行動するためにタイマーを活用する方法が有効です。この方法は、時間を区切って集中力を保つ「ポモドーロ・テクニック」にも応用される手法で、特にADHDの人に効果的です。

タイマーをセットして「今から25分間だけ、この作業に集中する」と決意します。集中時間が終わったら5分間の休憩を取り、その後また25分間の集中に戻る。このサイクルを繰り返すことで、長時間集中できないという課題をクリアし、少しずつタスクをこなしていくことができます。

この方法は、時間の進捗が赤色で視覚化されたタイマーを使うとより効果的です。気になる方は、アマゾン等で「タイマー 視覚化」などでチェックしてみてください。

テクニック④: 小さなゴールを設定する

発達障害を持つ人にとって、やるべき仕事が時に威圧的に感じられることがあり、結果として先延ばししてしまうことが多くなります。そのため、やるべきことを小さなステップに分け、取り組みやすくすることが重要です。これは「小さな成功体験を積む」という、モチベーション維持の観点でも非常に効果的です。

たとえば、レポートの作成といった大きな目標がある場合、「情報収集だけ行う」「アウトラインだけ作る」といった小さなゴールに分けて進めると、1つ1つ達成するごとに「よしっ」という気持ちが生まれ、次の行動への意欲が湧きます。

テクニック⑤: 視覚化ツールを使う

視覚化は、発達障害を持つ人にとって非常に有効な方法です。特にASDの人は視覚情報で物事を理解するのが得意で、カレンダーやホワイトボード、アプリを使った視覚化が大きな助けになります。タスクを視覚的に整理することで、頭の中で混乱している情報を整理しやすくなります。

視覚化ツールとしては、GoogleカレンダーやTodoistなどのアプリが挙げられます。これらのツールを使うことで、タスクの進捗状況を色分けしたり、完了したタスクをチェックしたりできます。また、ホワイトボードに付箋を使って「未着手」「進行中」「完了」のエリアに移動させることで、進捗が一目でわかる物理的なやり方も有効です。

視覚化することで、頭の中にある情報を「見える化」し、次に何をするべきかを整理するのに役立ちます。見えないことがストレスになる発達障害の特性をカバーし、安心感をもたらしてくれます。

まとめ

発達障害を持つ人にとって、優先順位をつけるのは難しいことですが、今回のテクニックを使うことで整理しやすくなります。To Doリストやタイマー、視覚化ツールなどを活用し、自分に合った方法で少しずつ取り組んでみてください。

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