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【GENT'S STYLE】偉大なる旅 コロナ禍旅行記2 英国入国&サヴィル・ロウ編

Text Yoshimi Hasegawa

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人生のある瞬間で、どんなに自分が幸運なのか、気がつかないことは多い。

 わずか二週間前、ロンドンから帰国した時はこんな事態が起こるとは信じられなかった。世界は正に激動の時を迎えている。ロシアによるウクライナ侵攻は民主主義と国際社会への大きな挑戦となり、日々、状況は激しく変化している。

 BBCニュースによれば、昨日の朝、British Airwaysの短距離フライトは全便キャンセルされた。理由は技術的な問題によるもので、サイバーアタックによるものではないと報道された。サイバーアタックはUKが発表した経済制裁へのロシアからの報復ではないかとの憶測が流れているからだろう。

 問題はロンドンのヒースロー空港だけではない。このままロシア空域が閉鎖もしくは制裁対象となれば、日本からヨーロッパへの直行ルートは使用できなくなる。アラスカのアンカレッジ空港経由を模索しているとロイターが伝えている。コロナ感染拡大予防の制限が次々とヨーロッパで解除される中、新たな問題が勃発した。今、渡航は別の意味で難しくなりつつある。1日も早く停戦協定が交わされて、ウクライナに平和が戻ってほしい。

 私がミラノからロンドンに移動したのは2月3日。British Airwaysの第一便はキャンセルとなったが、無事に次の便に乗ることができ、ロンドンのヒースロー空港ターミナル5に同日夕方に到着した。

 コロナ感染症対策として、英国政府は日本政府とはまるで違う対応をしていた。

 英国政府指定のレッドリスト以外の国からの入国であること、2回目のワクチン接種が6ヶ月以内のグリーンパスポートを持っていることを条件に、搭乗前のPCR検査は無く、その代わりに入国後のPCR検査が義務付けられている。

 搭乗後に空港、または待機施設でのPCR検査を予約しておき、予約番号を英国政府指定のPassenger Locator Formのサイトに記入、申請するとQRコード付きの登録書が送られてくるので、これも携帯に保管しておく。

 私はヒースロー空港で検査の時間を取られるのが嫌だったので、検査キットをホテルに送っておいた。特に制限がないので、ヒースロー空港からホテルまで通常の交通機関で移動した。チェックインしてすぐにレセプションで検査キットを受け取り、部屋で検査キットの指示通り、検査を行う。

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