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フレマルを応援する理由。

ご存知の方もいると思いますが、私は現在、飲食店などの開業支援をメインに活動をしています。その中で産直サイトの「フレマル」の普及活動をしています。

まずきっかけとしては、友人の食品加工のプロがfacebookでチラチラと載せていたのに対し、アレコレと頑張ってねーくらいの軽い気持ちで接していました。
そんな感じの他人事でいるうちに、少しづつ相談と言うほどのことではないですが、こんな事があってーやこんな困りごとがあってーという様なやり取りが始まっていきました。

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興味本位でいろいろ聞いていくと、首都圏の飲食店へのアプローチが足らないということでお手伝いしてもらえないかというような話しになりました。

とはいうものの、こういったサイトは割とたくさんあるし、偏見もありますがWEB屋さんがやるのって、現場無視した効率化オンリーの事が多いので半信半疑でした。もしその様なやり方ならまったく応援する気はありませんでした。
自社サイトだけが儲けるために、どんな生産者かも確認せずに登録してもらい販売金額を釣り上げ手数料を増やす・・・そんなやり方にはまったく賛同できません。

それでとにかく一度代表の安達さんと一緒に会おうとなりましたが、あいにく緊急事態宣言の真っ只中というのもあり、まずはzoomでとなりました。
会って?みると、久しぶりに顔を見る友人と共に優しい人柄が垣間見えました。こちらはというと病欠している3人の娘達が、仕事だというのに散々邪魔してくれている様な状況でした。
こんなやり取りの中で自分の何かが伝わったのか不安でした。

その際、当然費用の話しになりました。仕事ですから報酬は当然のことです。あちらからは明確な金額の提示はありませんでしたので、こちらが金額を提示しなければなりませんでした。
この様なパターンのときにやり方はいくつかあります。月額制にする、活動毎に報酬を決める、というのがメインになります。ちなみに友人は後者でした。
私もTOKYO DESIGNER’S というサイトを立ち上げ、まだまだ頑張らないと行けない状況もあり、その経験から察すると、フレマルがまだまったく収益を上げていないのが予測できました。
そこで私は営業に掛かる交通費と打ち合わせの際のお茶代だけくださいと伝えました。
それはこの縁を繋いで頂いた友人のこれまでの関係性への感謝の気持ちもありました。それに報酬はフレマルが成功してからで良いかなという、正直甘い考えもありました。ですからそれまでの費用はフレマルへの投資と考えることにしました。
ただ一つだけ「ワクワクさせてください」と言う注文は付けさせてもらいました。

といっても実際どう進めれば良いか悩みました。仲間に手伝ってもらうのは良いですが、営業の組み立て方が分かりませんでした。というのもフレマル側がどういった意思の元動いているという最重要なところが理解できていませんでした。

そんな中少しづつやり取りをしていく中で分かった事がありました。登録される生産者は誰でも良いと言う訳ではない。高品質でこだわりや特別な技術を持つ自信のある生産者でなければならないとうこと。
また、なぜBtoBでは有料なのかと言う問いに対しては、冷やかしやお互いにリスペクトを持てない方へのハードルなんだと言うこと。有料に関してはモノが売れれば大した費用ではないのですが、参加へのハードルが上がってしまうのはある意味仕方ないのかも知れないと一応の納得はしました。

それからある日、聞いてはいましたがすっか忘れていたことでお誘いを受けました。それが先日伺いました佐渡島のイベントです。

新潟は初めてでワクワクしましたが、個人的に1泊2日の出張に家庭内の調整が必要でした。
何とか嫁さんを説得して行ける手筈が整い当日を迎えました。

住んでいる埼玉から新潟県内までは新幹線もありなんてことはないのですが、直江津からジェットフォイルで1時間ちょいかかります。少し酔ってしまいました。

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ところで皆さん佐渡島ってどんなイメージですか?
おそらく私も同じように「まぁ島だしこじんまりとしてるんだろうな」なんて思っていました。
ところがよく調べると面積は東京都より大きく、車で島の端から端まで行こうとすると2時間くらいはかかるそうです。デカイ島です。正直舐めてました。

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小木港に着くと、友人と一緒にフレマルを立ち上げた安達さんが出迎えてくれました。
友人との再会の挨拶もそこそこに、まずは少し観光案内をして頂きました。
最初に案内されたのは昔ながらの街並みが残る宿根木地区。まだまだ住民がいらっしゃるとのことです。JRビューカードのCMで吉永小百合さんが撮影をした場所でもありました。過疎化が避けられない中、何とか保存していこうという試みは非常に感銘を受けました。

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またこの地区の向かいには海が広がっているのですが、その美しさといったらもう!一気に引き込まれました。私自身長崎で幼少期を過ごし、五島列島などの景色も知っていたので単純な海岸では何とも思わないのですが、夕陽に照らされたあの海岸はそれだけで佐渡島に行く価値があると言えます。

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次に向かったのは佐渡にある青の洞窟です。イタリアではないですが、水の透明度が非常に高いと光の反射から水が青や緑色に見えます。

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その場所もそうですが、時間帯の関係もあり青くは見えませんでした。しかし佐渡島の海が透明度が高く綺麗な理由が少し分かりました。その周辺の岩が溶岩などの火山特有のものでした。転がっている小さな石は小さな穴が多数ありフィルターの役割りを果たしています。道中聞いた話しでは、佐渡島というのは不思議な環境で、この辺りの緯度ならりんごが生産されるのは分かるのですが、みかんも良質なものができるというのです。豊かな自然の恩恵を受けた非常に稀有な島だということも理解できました。

その後は、一度旅館に荷物を置き夕食に出かけました。お店の食材はなかなかの味でした。その時に色々お話しをさせて貰いました。私と友人以外は車の運転がありましたので飲めませんでしたが、私は遠慮なく飲み好きなこと言いました。仕事の考え方のこと、フレマルのこと、これからのこと、失礼なことも含めてズケズケと言いました。それには理由がありました。まず自分を知って欲しいという理由とどの程度の本気なのかということが主な理由でした。
帰る頃には少し酔い旅館に着くとすぐに寝てしまいました。翌朝は早くに目が覚めて温泉に入りました。1人の露天風呂は贅沢ですね。

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イベント当日は、スタッフや役所の方々とテントなどを張り備えました。次第に生産者や関係者が集まりイベントが始まりました。目玉はすし崇のタカさんが握る熟成寿司です。

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採れたてで新鮮なものをそのまま頂くのは、生産者の皆さんはよく知っているでしょうが、技を尽くした食材の使い方は余り馴染みがありません。イベント終了後に私も食べさせて頂いたのですが、熟成された食材から感じる素材の良さがはっきりと分かりました。素材の持つパワーはそれは凄いものでした。

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自分で言うのも何ですが、私はそこそこ舌に自信があります。ちょっと旨いくらいでは正直感動しません。しかし佐渡島の食材は本当に素晴らしかった。素直に感激すると同時に、友人の舌のレベルとフレマルが求める生産者のレベルが確認できました。実はコレが非常に重要な指標でした。美味いのレベルが低いところで納得してしまうと、結局はそこらのサイトと同じレベルに落ちて先行者に勝てないからです。それに私自身大して美味しくないものを人には勧められません。

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(素晴らしい食材を作ってくれた生産者さんとイベントを成功させた皆さん)

それと前日の青の洞窟の帰りに教えてもらったのですが、生産者の生産品目への新たな試みの提案もしているとのことでした。
それとは逆に、いつも良い品質のものを作っていたがその年の出来が悪すぎた場合は、そのままサイトには載せず加工品などの提案を行い、品質と生産者の所得の確保を考えるとのことでした。また生産者のレベルアップに必要なことは、バックアップ体制を整えていくことも話しました。例えば土の改良には専門家を派遣したり、海産物ならその餌や住処の改良まで考えていく。そうして全体のレベルをアップさせて一般消費者はもちろん、飲食店まで高品質のものを流通させ生産者を支えていくということでした。

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(フレマルを立ち上げた安達さんと友人の二人)

私はこういった行動が、決して楽観できる状況ではない生産者自身の未来も明るくしていくという思いが一致した気がしました。
日本の人口がどんどん減っていく中、自然環境も変化が激しく外国の攻勢も厳しい。後継者も育たない。行動しなければ既に壊れ始めている日本の食文化は廃れてしまいます。

こんなを話していくうちに、これまでのサイトとは違う、ましてやWEB屋さんが仕掛ける現場無視のものとも違うのもが出来上がる予感がしました。
とはいえかなりの前途多難が待ち受けています。資金的にも相当なものが予想されます。そんな中において少なくとも私の命題である、飲食店へのアプローチをまだできていない内は報酬を貰うわけにはいかないのです。
それこそもう収益が上がっているサイトが仕掛けるならしっかり頂きますが、産みの苦しみの真っ只中にいるうちは私の投資として考えることにしました。
友人は食の専門家ですからその仕事にはしっかり報酬を支払うべきです。しかし私への依頼は元々飲食店への営業です。もうすでにその範疇を超えて動いていますが、その部分は経費さえ出れば問題ありません。


生産者にとことん向き合い寄り添うだけではなく、時にはお互い厳しく意見し高め合う様にして生まれた商品を世に送り出す。こんな仕事って素敵じゃありませんか?

だから私はフレマルを応援しているのです。

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