長谷部誠が実践している、心も整う「整理整頓」の習慣 #2 心を整える。
ワールドカップ日本代表をつとめ、現在はドイツのアイントラハト・フランクフルトで活躍する長谷部誠選手。東日本大震災直後に刊行し、多くの読者に勇気を与えた著書『心を整える。』は、150万部突破のベストセラーとなりました。あれから10年、私たちの社会はふたたび大きな困難に直面しています。だからこそ今、読み返したい本書。中身をほんの少しご紹介します。
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整理整頓は「人生の半分」
ドイツには「整理整頓は、人生の半分である」ということわざがある。
日頃から整理整頓を心がけていれば、それが生活や仕事に規律や秩序をもたらす。だから整理整頓は人生の半分と言えるくらい大切なんだ、という意味。
このことわざに、僕も共感できる。
試合に負けた次の日などは、何もしたくなくなって、部屋が散らかってしまうときがある。あの場面で違うプレーをすれば良かったという未練や悔しさが消えず、自分の心のなかが散らかってしまっているからかもしれない。
そんなときこそ、整理整頓を面倒くさがらなければ、同時に心のなかも掃除されて、気分が晴れやかになる。
「80点」でかまわない
今、僕はヴォルフスブルクの街中から歩いてすぐのアパートに、ひとりで住んでいる。部屋は全部で4つ。メゾネットタイプになっていて、下の階にダイニングルームとゲストルーム、上の階にリビングルームとベッドルームがある(現在は移籍にともない、ニュルンベルク在住)。
もともとはヨシトさん(大久保嘉人)がヴォルフスブルクでプレーしていたときに、奥さんと息子さんと3人で住んでいた部屋で、ヨシトさんが日本に戻ったときに入れ替わりで入居させてもらった。リビングにある大きなテレビはヨシトさんが置いていってくれたものだ。
当時は毎日のようにヨシトさんの家に行って、奥さんの手料理をごちそうになっていた。フェリックス・マガト監督の練習がどんどんハードになって、身体が悲鳴をあげそうになったときにはヨシトさんと「明日も頑張ろう」と励まし合った。
優勝争いの重圧がのしかかったあのシーズンは、ひとりじゃ乗り越えられなかったと思う。ヨシトさん一家に心から感謝している。
この家の難点は部屋数が多いので掃除が大変なこと。掃除で身体が疲れてしまったら元も子もないので、週に1回、チームが手配してくれるお手伝いさんに掃除を任せている。
とはいえ、整理整頓は毎日のこと。
朝起きたら簡単にベッドメイキングをする。本棚は乱れていたら整理する。ダイニングテーブルの上には物が散らかっていないようにする。ただ、あまり整理に対して気を遣いすぎると精神的に負担になるので、100点満点で言えば80点くらいの清潔感を保つようにしている。
きれいになった部屋を見たら、誰だって心が落ち着く。僕は心がもやもやしたときこそ、身体を動かして整理整頓をしている。心の掃除もかねて。
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