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亡くなった人が、あなたに知ってほしい40の真実 #5

10万部突破のベストセラー『亡くなった人と話しませんか』の著者、第二弾!幼い頃から、普通の人にはみえないものがみえるなど、不思議な力をもっていた著者のサトミさんは、スピリチュアルテラーとして、亡くなった人の言葉を相談者に届ける活動をしています。最も「してはいけないこと」は、亡くなった人への後悔です。

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真実7 亡くなった人への後悔は、してはいけない

生きている時間を無駄にしてはいけない

Cさんは、人生の節目にご相談にこられる方の一人です。10年ほど前に実家の事業を継承し、経営者として力を発揮されている、とても明るくてタフな女性です。

ところが、旦那さんを亡くして以来、ずっと元気がありません。「自分にはもっとできることがあったんじゃないか?」という後悔が何年経っても消えないと言います。

そこで、旦那さんをお呼びすると、とてもハツラツとされています。すでに成仏され、次に生まれ変わるため、しっかりとした足取りで川のほとりを歩いている様子がみえました。私からみると、Cさんよりよほど元気そうです。

「旦那さんが心配してはります。こっちは大丈夫だから、もっと自分を大事にしなさいって言ってはりますよ」

それでも、「自分が事業を立て直すのに忙しくて、夫に何もしてあげられなかった。本当にあれでよかったんでしょうか……」とCさん。

自分が親の会社を継ぐことになり、責任感から仕事にかかりきりになってしまったことや、夫の病気がわかっても、なかなかそばについていられず、最後は施設で息を引き取らせてしまったことで、ずっと自分を責めているのです。

それを聞いていた旦那さんが言いました。

「たしかに、仕事、仕事で、晩年は夫婦の会話も少なかったな。お前が外でイキイキとしているのを知って、面白くない時期もあった。俺の出る幕ではなかったからね。でも、時間がないなかで精一杯のことをしてくれたじゃないか。それで十分だ。お前には胸を張って生きてほしい」

Cさんはうつむき加減で、旦那さんのひと言、ひと言にうなずき、涙ぐみながら聞いていましたが、旦那さんに励まされたことで納得できたのか、顔を上げ、「わかりました。私も心を入れ替えて、これからは前向きに生きていきます」と言ってくれました。

どんなにがんばって看病した人でも、身近な人を失うと、「もっと何かしてやれたはずなのに」「あんなことを言わなければよかった」などと悔やむことが多いようです。いろいろがんばった人ほど、後悔の念が強いと感じることもありますが、おそらく、それだけ責任感が強いのでしょう。

ただCさんのように、亡くなった人はあの世で元気にしているのに、この世にいる人が暗く沈んでいたら、せっかくの“生きている時間”を無駄にすることになります。

亡くなった人で、大切な家族に対して、時間を無駄にすることを望む人は一人もいません。残された家族が何かと後悔をして落ち込んでいる姿をみて、亡くなった人は深く悲しんでいるのです。

この本を読んでくださっているみなさんも、同じような経験があるとしたら、いつまでも思い悩まずに、「自分はできる範囲で、精一杯がんばった」と自分自身を認めてあげて、残りの人生を思いっきり楽しんでほしいと思います。

真実8 すぐに成仏できない人もいる

成仏のきっかけになる、家族の祈り

病気ではなく、事故で亡くなられた方の家族は、亡くなることを予想だにしていない状況ですから、ショックから立ち直るのがとても難しいと思います。

Rさんのお兄さんは山登りが趣味で、あちこちの山に出かけていましたが、あるとき、山の事故で亡くなってしまいました。

Rさんが相談にこられたとき、男性が崖がけから落ちる姿がみえ、そのことを伝えると、「はい、仲間と山登りに行って岩壁で足を滑すべらせ、転落して亡くなったんです」と教えてくれました。

ただ、ご本人は成仏していて、後悔もないようでした。

「いさぎよい方ですね。山を登っていれば、いつそうなってもおかしくないと覚悟していたみたいで、悔いはないと言ってはりますよ」と言うと、ほっとした表情で「兄は警察官だったんです。今の言い方、それこそ兄らしいです」と笑顔をみせてくれました。

しかし、お兄さんとは対照的に、Rさんのお母さんの悲しみがとても深いことが伝わってきました。お母さんの様子をたずねると、「母がまだ立ち直れていなくて……」と言います。

亡くなってもうすぐ1年、家族で亡くなった場所に行ってお参りしようと思っているということでした。

お兄さんからも、「それを機会に、母さんには元気になってほしい」というメッセージが届きました。その場所を訪れることで、お母さんの落ち込んだ気持ちに、何かしらいい変化があるのではないかと感じました。

亡くなった事故現場に足を運ぶことは、故人の家族が気持ちを整理するためだけでなく、実は、亡くなった人のたましいを救うためにも重要です。

Rさんのお兄さんは成仏していましたが、事故で亡くなった人のなかには、自分が死んだことに気づかず、成仏できずに、その場所にとどまったままの人もいるからです。

成仏は、自分で自分の死を認め、現世への未練を断ち切り、あの世に行く覚悟を持つことで、可能となります。

なので、亡くなったことに気づいていない人にとっては、家族が訪れて花などを手た向むけ、「あなたはここで亡くなったんだよ」と教えてあげることに、大きな意味があります。それによって、亡くなった人がようやく死を受け入れ、成仏できることもあるのです。

可能であれば、外国など遠いところで亡くなったとしても、その場所へ一度は行ったほうがいいと私は思います。家族がその場所で手を合わせることが、成仏のきっかけになることは本当にあるのです。

成仏に長い時間がかかる人もいる

成仏するタイミングは人それぞれです。亡くなってすぐ成仏する人が大半とはいえ、数年後に成仏する人がいないわけではありません。

ある相談者の旦那さんは、3年以上前に亡くなっていましたが、成仏したのは1年前ぐらいでした。

では、なぜ長い時間が経ってから成仏したのか、亡くなった旦那さんに聞いてみたところ、親戚の葬儀に参列して、遺影に写っている本人から「あなたはもう死んでいるよ」と教えてもらって初めて、自分が亡くなっていることを知ったそうです。

「どうりで家族に話しかけても、誰も反応してくれないわけだ。おかしいなとは思っていたが、ようやくわかりました」と話していました。

また、相談者が私のところにこられたタイミングで、すでに亡くなっている家族が自分の死にまだ気づいておらず、成仏していないことがわかることもあります。

事故で亡くなった人のほかにも、自殺するつもりはなかったけれどふらっと逝いってしまった人、夜、布団に入ったまま亡くなった人などは、死を自覚していないために、自分が亡くなっていることに気づかない場合があるのです。

亡くなって肉体は消えても、たましいは残るとお話ししましたが、亡くなった人のたましいは生き続けているわけです。そして、成仏している人と、していない人では、私へのみえ方や声の届き方が明らかに違います。

成仏していない人は、姿がぼんやりとしていてはっきりみえず、声も聞きとりづらいことが多いので、すぐにわかります。

そこで、成仏していなければ、「すでに亡くなっている」ことを伝えて、自分の死を受け入れてもらうようにしています。

それで本人が納得できれば、ちゃんと成仏して、あの世へ行くことができます。

しかし、なかには自分が死んだとわかっていても、なかなか成仏できない人もいます。「自分の死に納得がいかない」「自分にはまだやり残したことがある」など、この世に未練があり、執しゅう着ちゃくしている間は、なかなかあの世に行くことができません。

それはなぜでしょうか。

あの世に行けば、すべてがいったんリセットされ、用意スタート! で新しい死後の世界が始まるというわけではありません。

死後の人生は、肉体がない状態であの世へ行くだけで、性格や考え方も生きているときと同じ。この世の記憶もほとんど持っていきます。言ってみれば、生きている今の人生と地続きなのです。

ただし、過去を振り返り、後悔や思い残したことがあったとしても、この世に戻ってやり直すことはできません。

だからこそ、「がんばったけれど、できなかったことは仕方ない」「やりたいことはまだまだあった。それでも十分にいい人生だった」と、自分の生き方を肯定して納得し、死を受け入れることが大切なのです。

裏を返せば、今、生きている私たちが「毎日、精一杯生きた」と思える日々を過ごすことが大事なのです。

一人ひとりに与えられた時間は、限られています。亡くなったとき、「あれもこれも、やっておけばよかった」と後悔しない生き方をすることができたら、成仏できずに苦しむことはなくなるのかもしれません。

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亡くなった人が、あなたに知ってほしい40の真実

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