見出し画像

婚活を成功させる一番のポイントは「自分の決心」だった

大ベストセラー『嫌われる勇気』の著者として名を馳せた、アドラー心理学の第一人者、岸見一郎さん。そんな岸見さんの幸福論の決定版が、著書『成功ではなく、幸福について語ろう』です。アドラー心理学をベースに、仕事、恋愛、子育て、介護など、あらゆる悩みに答えた本書は、「人生相談」形式になっており読みやすさも抜群。そのうちのいくつかを抜粋してご紹介します。

*   *   *

相談「現在三十九歳・婚活中ですが、男性全般に幻滅しています」

現在三十九歳ですが、三十五歳より結婚したくなり、お見合いや紹介で男性と十人以上会いました。地方であり、年齢も上なので、多くの男性には会っていないと思います。どの方にも興味をもてず、かといって男性側も私より皆年上でしたが会いたがる割には、言葉にはしないのでよくわからない方々でした。女性とアポイントを取ることができないという人もいました。

それを繰り返して、男性に嫌悪感を抱くようになりました。最近では図体がでかい、邪魔。むさ苦しいハーフパンツ、にきび顔など見るとイライラします。婚活を通して男性に憎しみを抱くようになりました。私は男性に幻滅しています。私は結婚したいのに。どうしたらよいのでしょうか? 結婚を諦めたくはないです。一人で生きていくのは困難だということは理解しています。

ちなみに結婚を維持していくには、やはり最初だけでも相手に恋愛感情を持たない相手とは難しいというアドバイスをもらい、そうありたいと思っています。身近な人にはこの悩みに答えられる人がいないと思いますし、私が我儘、理想が高い等の責めを受けそうなので。よろしくお願いします。

(39歳・女性)

お答えします

驚かれるかもしれませんが、出会いを結婚まで持っていくのは自分の決心なのです

人と人との出会いは縁としかいえないものがあります。どんな出会いも始まりは偶然ですが、その出会いが運命的なものと思え、結婚を決心するまでになることもあれば、二度と会うことにならない出会いもあります。

一体、その違いはどこにあるか考えてみられたことはあるでしょうか? 誰かと付き合うと、関係がよければどんなことも長所に思えます。ところが、何かのことがきっかけになって相手への思いが変わった途端、それまで長所だと思っていたことが短所にしか見えなくなってしまいます。

優しい人が優柔不断に、頼り甲斐がある人が支配的に見えるというふうに、相手は何も変わっていないのに、相手についての見方が変わってしまうのです。

この基準で相手と会ってみる

結婚を視野においてお付き合いする時には、性格的なことだけではなく、収入や社会的地位、容姿や服装まで結婚の条件として考慮に入れることになります。しかし、どんな条件を満たしていれば結婚しようと思えるのかは自明ではありません。例えば、収入を結婚の条件にしない人や、外見的なことをまったく考えない人もいるからです。

画像2

驚かれるかもしれませんが、見合いや紹介などでの出会いを結婚まで持っていくのは自分の決心なのです。決心をすればこそ、関係を育む努力もできますし、関係が変わってくれば最初は強い印象がなかった人も違って見えてきます。

反対に、出会いがあっても関係が深まらないことはあります。その場合も、自分がこの人との関係を深めないでおこうと決心しているのです。

いずれの場合も、相手の条件は、結婚する、しないという決心を後押しするための後付けの理由でしかありません。

相手に恋愛感情を抱くことは、結婚を決心し、その後結婚生活を維持するための有力な後押しにはなりえますが、恋愛感情は突如として湧き起こるようなものではありません。付き合ったり、生活を共にしたりする中で、いいコミュニケーションが取れるようになれば、恋愛感情が起きるのです。

ただし、いいコミュニケーションという言葉を使いましたが、ことさらに「いい」コミュニケーションを取れなくてもいいのです。「この人の前では自分をよく見せようと思わなくていい」と感じられれば十分です。

このような気持ちは普通に恋愛感情としてイメージされるような激しいものではありません。もちろん、そのような感情があってもいいのですが、知り合った最初だけでなく、長く付き合っていく時にこのような感情をいつも抱き続けることができれば結婚生活も続けられるのです。

この人の前では普通にしていられるかということを基準に会ってみられたら、これまでとは違う目で男性を見られるようになると思います。

著者の岸見一郎さんの「note」はこちらから


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!