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【財政赤字】全人代で中国は財政拡大路線を微修正。経済正常化した中国でも財政健全化はまだ先の話。

経済正常化で先行する中国は、他国の将来を予測する上で多方面で注目されますが、財政健全化については、ゆっくりとしたペースで進み見込みです。

1. 全人代の内容

3月5日から1週間に亘って開催される全人代では、2021-2025年までの5ヵ年計画が議論されています。本日報道では、2021 年の政府成長率目標は 6.0%以上とされ市場予想並みとなりました。

また、継続性、安定性、持続可能性を重視するとのスタンスで、経済の重点分野(環境、IT、サービス)の発展を目指しつつも、過度な財政拡大やインフラ支出に依存しない経済構造のリバランスを目指すとしています。

一方で、2021年の財政赤字幅は3.2%とし、昨年度の3.7%から縮小するものの、市場予想3.0%よりマイルドとなりました。足元の経済回復路線の腰折れを防ぎ、国内の失業率改善、社会的不満の抑制のために、当面は財政政策を活用していく様子が窺えます。

米国では、バイデン政権が1.9兆ドルの追加財政措置を検討していますが、経済回復に先行する中国においても、財政政策の急激な縮小は回避したいとの思惑です。今後も財政の健全化の先行指標として中国が注目され続けますが、当面は、急激な政策変更は予想されず、グローバル経済(特に製造業)を下支えする構図が続くと考えられます。

また、中国のマイペースぶりは環境政策にも表れており、今回も特段、新しい踏み込んだ目標数値(CO2排出計画)には言及されませんでした。


2.  投資のインプリケーション

中国が、グローバル経済を支える世界最大の消費地であるという構図は不変。また、中国のみならず他国も容易に財政政策への依存から抜け出すことはできないでしょう。英国で増税の後倒しが議論されているように、引き続き景気をサポートする要素は強固になってきています。

足下では、金利上昇から株価は神経質な展開が続いています。調整局面が終わり次第、再び景気回復局面が意識され、株式などリスクアセットは底堅い展開が継続すると考えています。

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英国紳士

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