[UFC] 平良達郎VS.ジョシュア・ヴァン
UFC302で行われることになった平良達郎のUFC6戦目、当初予定されていたティム・エリオットとのランカーマッチは中止となってしまったが、勢いを見せているジョシュア・ヴァンに勝利することが出来れば、ランキング上位のファイターと戦うための説得力を得ることが出来るだろう。
(13)平良達郎(15-0)VS.ジョシュア・ヴァン(10-1)
14位のムダルジから13位の平良に対戦相手が変わったヴァンと、10位のエリオットからランキング外のヴァンに変わった平良とでは得られるメリットが大きく異なってしまうが、ヴァンはUFC4戦目でランカーマッチを組まれるファイターなのでUFC側からの注目度が高い選手であることが分かる。
なので内容次第では次戦でエリオット以上のファイターと試合を組んでもらえる可能性があるため、ヴァンとの一戦は平にとっても大きな意味を持った試合となるだろう。
ジョシュア・ヴァンは現在3連勝中のストライカーで、パワーと耐久力に優れている上に腰の重さもあるので、平良にとって危険な相性を持ったファイターとなっている。
軽量級であるフライ級の中で一発のパワーを持つ選手は、他の選手と差を付けやすい強みを持つことになるので、ヴァンは技術とは別に大きな武器を持ったファイターとなっていると言える。
加えて打たれ強さも平良より優れているように感じられるので、ストライキングでのやり取りでは平良が不利となってくる可能性が高い。
平良は前戦でUFC初の打撃によるフィニッシュ勝利を収めたが、打ち合いで強く出ることが出来るタイプには感じられないので、平良がヴァンに差をつけるとしたらやはりグラップリングの展開となるだろう。
しかし、その得意な展開に入って行くためには圧力をかけて相手をケージ際に下げる必要がある。
スタンドで圧力を掛けられながらテイクダウンを狙いに行っても成功する確率を低い上に、寝かされない自信を相手に与えてしまうとペースの主導権を握られてしまうことにもなりかねない。
なので、平良はヴァンの強みであるストライキングと向かい合っていかなければ自分の強い展開へと入って行きづらいため、スタンド展開での作りが重要になってくると思われる。
カーフで崩して行くのか、三日月を狙って手を出しづらくさせて行くのか、一番理想的なのはヴァンよりも長いリーチを活かしてジャブで距離を支配して行くことなるのではないかと思う。
そこで主導権を奪い返そうと前に出るヴァンに対してタックルを合わせてテイクダウンを奪えると、多くの展開でアドバンテージを得られるような状況に持ち込むことが可能になるのではないかと感じる。
ただヴァンは足関節に自信を持っているところもあるようなので、その点には注意を払っておきたいところだろう。
これでもし、平良がヴァンから完封もしくは一本勝利を奪うような結果になったとしたら、彼の評価は下位ランカーに留まらなくなるはずだ。
個人的にヴァンは一発のパワーと当て感の良さはこれまでの対戦相手の中でも一・二を争うレベルにあるように感じている。
それくらいストライキングに怖さを持ったファイターだと思う。
平良はUFC6戦目で自身よりも若いファイターを相手に迎えることとなったが、果たして一体どんな試合を見せてくれるのだろうか。
この戦いは両者ともに自身の強さをアピールする絶好のチャンスになっていると思うので、「次は誰か」で盛り上がるような勝利を飾ってUFC6連勝を記録する平良達郎の姿を見てみたいと思う。