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井上尚弥、4団体統一王座の防衛に成功!!

井上尚弥がTJ・ドヘニーを7回TKOで下して4団体統一王座の防衛に成功した。

水抜きからの大幅な戻しで11kgも体重を増量してきたドヘニーだったが、王者・井上の前になす術なく最後は井上のラッシュ後に発生した腰付近の故障によって続行不可能となりレフェリーストップとなった。

今回の防衛戦も終始井上がペースを握り、ドヘニーの一発の脅威に対してもまるで問題が無いような立ち回りで対処しながら、ラウンドを重ねるごとにギアを上げていった井上はドヘニーをロープ際に追い詰め続け、元世界王者を最後まで苦しめていた。

ドヘニーはフルトンやネリのように井上に対して積極的に勝負を仕掛けるのではなく、タパレスのようにディフェンシブな姿勢で守りを固めながら一発をヒットさせるチャンスを伺いつつ、井上の攻撃から生き延びることを最優先に考えているような動きを見せていた。

しかし、それでは王者・井上尚弥に勝つことは難しい。

それはバトラーやタパレスで明らかになって来たことではあるが、ドヘニーの勝ち筋として可能性が考えられる方法は限られていたであろうということを考えると、あの戦法に落ち着くのも致し方ないことだったのかもしれない。

ただ高齢のボクサーとは言え、TJ・ドヘニーはWBOで2位のランクを持っているベテランの選手である。

そのドヘニーがまるで相手にならない内容になってしまうところに井上尚弥の底知れぬ恐ろしさが垣間見える。

あの故障がなく、後ろのラウンドまで試合が続いていたとしても恐らく井上がそのまま圧倒し、ドヘニーを追い詰める展開になっていただろうと思う。

そのぐらいチャンピオンには安定感があり、挑戦者との間にある能力的な差が明確になっていたように感じる。

下馬評で圧倒すると言われていた試合で本当に相手を圧倒し、当然のようにTKOというフィニッシュ勝利を手にする井上はやはり規格外の存在であると言えるだろう。

どんな相手であっても最高のクオリティで仕上げ、抜かりなく挑戦者を迎え討つ。

そんなブレることのない強固な芯を持つチャンピオンはとても強力で隙が無いことが改めて分かる内容になっていたと感じる。

スーパーバンタム級に転向してから少しずつ試合を重ねて来たことで、この階級への慣れというものもかなり身に付いて来たであろう4団体統一王者は、試合後のマイクで12月に次戦を行うことを告げており、年内にもう一試合が予定されていることが分かった。

対戦相手は恐らく当初予定されていたサム・グッドマンだろうと思われるが、指名されているムロジョン・アフマダリエフの可能性もある。

どちらにせよドヘニー以上の強敵であることは確かだが、相手が強ければ強いほど井上尚弥の真価は発揮されることになると思うので、12月の試合にも期待しながら続報を待ちたい。

老獪なベテランボクサー・ドヘニーを撃破した井上尚弥のスーパーバンタム級統治はこれでまた一歩進んだ。

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