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[UFC292] アルジャメイン・スターリングVS.ショーン・オマリー

UFCバンタム級王者のアルジャメイン・スターリングは、つい最近タイトルマッチを行ったばかりではあるが早くも次戦の予定が組まれている。

UFC292にてバンタム級ランキング2位のショーン・オマリーを挑戦者に迎えて、バンタム級のタイトルマッチが行われる予定になっているようだ。

オマリーは前戦で当時ランキング1位だったピョートル・ヤンと激戦を繰り広げた末に、2-1のスプリット判定で勝利を収めて大金星を上げたバンタム級のスター選手である。

対する王者スターリングはピョートル・ヤン、TJ・ディラショー、ヘンリー・セフードといった錚々たるファイター達とベルトを賭けた勝負を行い、その全てに勝利を収めている。

ディラショーやセフードは既に全盛期を過ぎていた状態ではあったと思うが、それでもこの二人から勝利したという事実は大きな説得力をもたらす。(ディラショーに至っては負傷もあったのでパフォーマンスを発揮し切れてはいなかったところがある)

そんなトップファイター同士がチャンピオンの座を賭けてぶつかり合う。

大金星を上げた勢いのままに王座挑戦へと臨むオマリーと、王者としての実力を証明したスターリング。果たしてどちらがベルトを手にするのか。

グラップリングとストライキング

多彩な打撃と当てる技術に長けているオマリーの武器は間違いなくストライキングにある。一方のスターリングは一発の威力というよりもレスリング技術を活かしたバックテイクやグランドコントロールによる支配力の高さが武器となっている。

打撃で勝負したいオマリーとグラップリングで制圧したいスターリング。

スターリングはここ最近の数試合、5Rマッチの前半でポイントを稼ぎ、後半は無理せずに勝ち切るスタイルで勝利をもぎ取って来ている。

そのやり方でオマリーとの試合も進めていくのであれば、前半の1〜3Rまでが肝になってくるのではないかと思われる。

オマリーはヤンとの試合からも分かるように、組み展開の対応が出来ない訳ではなく、そこに対する技術も備えてはいる。

しかしスターリングはヤン・ディラショー・セフードといった総合力の高い選手たちからも組み勝負でポイントを奪って来ている猛者である。

なので対処する技術があるにしてもオマリーがスターリングに組まれた際に全てを捌き切ることは難しいだろう。

そこでスターリングに好きにさせてしまうとオマリーは前半のラウンドを失ってしまうことになる可能性が高い。

ただオマリーには一発があるので打撃を効かせることでその嫌な流れを断ち切ることが出来るチャンスがある。

スターリングの入り際に合わせるカウンターやアウトボクシングによる距離の支配、または打ち合いで上手を取るといったことに成功すれば前半でKO・TKOを生み出すことも出来るかもしれない。

なんにせよ前半でのポイント獲得がこのタイトルマッチの勝敗を大きく左右することになるだろう。

終盤のチャンス

総合力やMMAの安定感というところではオマリーよりもスターリングの方が優れているように感じるが、スターリングには終盤戦での不安がある。

スタミナや手数の減少・反応の低下などが極端に顕れがちなスターリングは最後の4・5Rで危うい場面を作り出してしまうところがある。

前半の安定感を後半まで中々保てないというところにチャンピオンの危うさがあり、一発の威力を持つストライカーが相手だとその危険はより増していくことになるだろう。

なのでオマリーがもし前半戦をスターリングに支配されたとしても、後半戦で落ちてくるスターリングを捉えることが出来れば逆転勝利を達成できる可能性は十分にあるのではないかと思う。

ヤンにも効かせることが出来る打撃を持つオマリーの一発がヒットすればスターリングはそのままパウンドアウトされることになるかもしれない。

逆に後半戦でスターリングがオマリーの打撃を避け続けることは出来ないのではないかと思うので、オマリーには最後までチャンスがあり、スターリングは最後まで危険がつきまとう形になっているのではないかと思われる。

しかし終盤でオマリーがスターリングにテイクダウンされるようなことがあれば勝負はスターリングに大きく傾くことになるだろう。

また、この二人の勝負は判定決着よりもフィニッシュで終わる可能性の方が高いのではないかと個人的には思っている。

KO・TKOでオマリー、サブミッションでスターリング。

そういった明確な決着が生まれる展開が生まれやすい組み合わせなのではないかと思うで、劇的なフィニッシュが見られることを期待したい。

果たしてバンタム級のベルトはどちらの手に。

王座を守る“ファンク・マスター”か、それともスター街道を行く“シュガー”となるのか。


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