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固定資産チェックなど固定資産管理の業務フローを構築した話

こんにちは、jojo太郎です。未上場企業で経理・財務の仕事をしています。
会計とその周辺の領域で、業務改善など行ってます。
本日は、固定資産管理の業務フローを構築した話しです。

なぜ固定資産チェックが必要なのか

固定資産と言うと、代表的な物は土地、建物ですが、それ以外にも、取得価額10万円以上、耐用年数1年以上の品を購入した場合は資産として計上し、減価償却処理を行います。
また、それらの品については、毎年、償却資産税がかかります。それらの処理を正しく行うために固定資産チェックは必要なのです。

当社では、購入時は請求書を経理財務部がチェックしているので、漏れなく資産として補足し、固定資産台帳に記帳しています。それを元に減価償却の処理を行い、償却資産税も支払っていました。しかし、現物のチェックを何年もしていなかったのです。私が経理財務部に赴任した時点でおよそ5~6年はしていなかったと思われます。かつては年一回。経理財務部社員が店舗を回って資産チェックしていたのですが、店舗数が増えたため、やりきれなくなり自然消滅していたようです。今回、それを復活させました。

固定資産チェックは店舗社員にやってもらおう

現在の店舗数では、経理財務部員が回るのは現実的ではありません。そこで店舗社員にやってもらうことにしました。やり方は年一回の棚卸しの際に、固定資産台帳を店舗社員に渡して、そのリストにあるものが現場にちゃんとあるか、をチェックして返信してもらいます。

現物には固定資産管理シールを貼ろう

また、これまで現物に何も印をつけていなかったのですが、今回から固定資産管理シールを貼るようにしました。


固定資産管理シール(イメージ)

自分たちでラベル印刷して作ってもいいんですが、
固定資産リストを渡したら固定資産管理シールを作成してくれるサービスがあったので、それを使うことにしました。


固定資産を移動、廃棄する時には、その都度申請してもらおう

これまで、固定資産の管理について本社が何も言ってないため、店舗社員は移動、破棄しても何も本社に連絡してきていませんでした。年一回の資産チェックをするだけでは、資産が無くなっていても「なぜ無くなっているのか」が分かりません。そこで、専用のワークフロー(承認申請)を作成し、固定資産を移動、破棄する際には、その都度、社内で店長に申請を上げてもらうようにしました。こうすることで理由と共に申請された記録、エリア長による承認の記録が残ります。それを元に固定資産台帳を更新すればよいのです。

固定資産チェックをすることで得られるメリット

(1)無駄な税金支払いが減る
固定資産チェックをすることで、固定資産台帳に記載があり、まだあると本社は思っていたが、実は既に壊れていた、紛失していた、店舗社員が破棄していた、というケースを見つけることができます。
その場合、固定資産の除却損として費用計上します。その結果、減価償却として毎年少しずつ損金算入していたものが、一括して全額損金算入することができます。つまり、利益が減るので(利益がでている法人なら)法人税が減ります。
また、毎年かかっていた償却資産税が減ります。償却資産税は、毎年1月1日時点で保有している資産に対してかかる税金なので、ある資産が無くなったら次の年からのその分の償却資産税は減る、という訳です。

(2)盗難の抑止力が上がる
資産を会社が全くチェックしていない、ということは、無くなっていても誰も気がつかない、ということです。いつ無くなったのか、原因は資産の移動によるものなのか、廃棄したのか紛失したのか、分かりません。この管理状態では、盗難が起こってもおかしくありません。チェックを行い、かつそれを従業員に周知することで盗難への抑止力が上がります。

(3)無駄な投資が減る
それぞれの店舗では自店舗にある設備・備品しか見ていません。なので自店舗に無いもので必要なものがあれば、購買しようとします。しかし、もしかしたらその必要な品は、別の店で使われないまま眠っているケースもあり得るわけです。そこで、本社が全体の資産リストをリアルタイムで把握していれば、A店で使われていないまま眠っている備品を、必要としているB店へ送って活用することができるようになります。そうすることで無駄な投資が抑制できます。


以上、固定資産チェックなど固定資産管理の業務フローを構築した話、でした。
できている殆どの会社さんから見れば、「何を当たり前のことを言っているんだ」「そんなこともできてないのか」と思われることだと思います。
しかし、できてない会社もあるんですよ、中小企業の中には。
そんな会社の中では、やらないで当たり前の世界観なので、「もしかして、これやってないって、まずいんじゃね?」と一人で疑問点を見つけ、社外の人に話を聞いて確信を深め、社内の人を説得して、実行しています。

同じような状況で働いている方に、少しでもお役に立てたら幸いです。




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