忘年会
サーファーがまた忘年会をした。
今度は国民宿舎だ。
海から少し離れているので、サーファーの悪い噂も無かったらしく、めずらしくすんなりと予約が出来た。
大広間で宴会がはじまった。
人数は20人ぐらい。
いつもの仲良しチーム員達だ。
みんなワクワクしている。今日は何が起きるのだろう、と・・・。
今夜も酔っ払って、適当に物を壊している。
酔っ払いサーファーの目の前にあったんだから仕方がない。
いつものことだ。
ときどき、高校生のアルバイトの少年達が、お酒や料理を運んできていた。
冬休みを利用してのおこづかい稼ぎかな・・。
誰かが、「おい、おまえら高校生だろ?酒は飲んだことあるんだろ?」と聞いた。
「あっ はい、少しだけ飲んだことがあります。」
高校生バイトは答えた。
「じゃ 飲んでいきなよ」
「いや 仕事中ですから・・」はじめは遠慮していた。
「これも仕事のうちだぞ、飲んでいきな」
むちゃくちゃな理屈である。
むりやり飲ませ始めた。
何か料理を運んでくるたび飲ませた。
2・3回広間にきたら、真っ赤な顔になった。
みんな面白がって、どんどん飲ませた。
「いや~ もうダメです。」そんな言葉も聞かず、羽交い絞めにしても飲ませた。
酔っ払うとサーファーはしつこい。
いつのまにか高校生はいなくなった。
それから1時間以上宴会は続いた。
「さあ もう寝るか」誰かが言い出し、自分の部屋に帰ることになった。
(4~5人ずつの4部屋が割り当てられていた)
「なんだ こりゃ~!!」
大きな声が廊下に響いた。
みんながその部屋に集まると、さっきの高校生が寝ている。
布団の上で、寝ゲロをはいていた。
よく見ると、おしっこも漏らしている。
「お おい、生きてるかな・・」
「あっ 息はしているみたいです」
誰かが口に手をやって、息を調べた。
「じゃ、いいだろう」
そういうことになった。
その部屋は臭くて使えないので、他の部屋にいって寝た。
翌朝、宿舎の人から烈火のごとく怒られたが、いつものことなので別に気にするヤツはいない。
アノ高校生はどうやって家に帰ったのか、それだけが気になった。
(替えのパンツは持っていたのかな・・!?)
その後 国民宿舎も出入り禁止になったことは言うまでもない。