映画レビュー 24作目 wの悲劇

今回は、先日、35ミリフィルムで視聴する事が
できた  wの悲劇をレビューする。


薬師丸ひろ子演じる三田静香は劇団で日々、大女優になる事を夢見ていた。
そんな、三田に森口昭夫という不動産屋の男が
ファンとして現れる。
ある日、脇役を演じていた三田に三田佳子演じる
羽鳥翔からある要望をお願いされるという物語
である。

この作品の見所は、主に2つある。

1つ目は、三田佳子の演技である。
彼女は、今回、大女優ながら、妻子を持っている人と不倫を行い、その人を事故で亡くしてしまう。
それを静香になすりつけるという役を演じている。
この責任をなすりつけるシーンやなすりつけた後、平気で舞台に立ち続ける役に見ていて、心を惹き
つけられ、また怖さを感じてしまった。
正直、主役の薬師丸ひろ子の演技よりもこちらの
演技に目がいってしまった。

2つ目は、劇団の様子である。
この作品では、大量の研修生がいて、稽古風景を
見学しているというシーンが多々見られる。
蜷川幸雄が実際に演出家として出ているので
実際の劇団の風景もおそらくこのような形で行われていたのだと思う。
私自身、劇団の稽古風景の様子を見た事が無かったので、このシーンがとても新鮮に見る事ができた。

一方、この映画でもっと見て見たかったシーンが
2つある。

1つ目は静香が代役にばってきされ舞台が成功して、大女優になっていく場面だ。
稽古場での厳しい指摘、葛藤がものすごくあったと思われる。
このシーンがあることによって、余計最後の
劇場のシーンに釘付けできたと思う。

2つ目は、羽鳥と三田のその後である。
恐らく、羽鳥は何らかの責任を取ることになった
と思う。
そして、三田も真実が発覚後、どのようにして、
乗り越えていったのかがまるっきり映画では書かれていないのが、非常に残念である。
もっと、前半のシーンを削除にして、そのシーンを見て見たかったと心から思う。

星は3つ。

最後に気づいた事を一つ。
以前、テレビで放送されて後薬師丸ひろ子の探偵物語をレビューした際に、映像が粗いという表現をしたと思う。
今回、フィルム上映から、薬師丸ひろ子の初期の
作品は、テレビ放送やソフト化でもあえて、めちゃくちゃ高画質な映像にするのではなく、フィルムの
映像の雰囲気を残しているのではないかという考えが浮かんだ。
薬師丸ひろ子の他の作品の画質はどうなのだろう?
今度検証してみようかな?

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