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気象予報士試験対策 学科 一般知識

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#気象予報士試験

気象予報士試験対策 学科 一般 過去問

気象予報士試験対策 学科 一般 過去問

過去問
令和2年度第1回(第54回)
問5 霧についての正誤問題。
(1)エーロゾルの有無は霧の発生に影響を及ぼさない。❌
 👉もや・霧の発生という点から見て、水蒸気が凝結するには凝結核が必要です。もやや霧は雲粒と同じです。雲粒が出来やすい凝結核は、水溶性エーロゾルが代表的です。
 霧の発生にはエーロゾルの影響が大きいと覚えておきましょう。

(2)初夏に釧路沖で発生する海霧は、海面水温より冷た

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気象予報士試験対策 一般知識 過去問 中層大気

気象予報士試験対策 一般知識 過去問 中層大気

平成28年度第1回(第46回)学科 一般知識 問10
年平均した下部成層圏のエネルギーサイクルについて述べた正誤問題。
(1)下部成層圏は大気の成層が極めて安定であるため、対流圏内の擾乱が成層圏へ伝播して擾乱の運動エネルギーを生成することは稀である。❌
 👉ここは迷いました。末尾の「稀である」が誤りなのか否か。
  前段の「極めて安定」の記述が誤りと判断しました。元々、成層圏という名称は対流圏よ

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気象予報士試験対策 学科 一般知識 降水過程、十種雲形と霧

気象予報士試験対策 学科 一般知識 降水過程、十種雲形と霧

🟣まずは雲粒
 水蒸気が上昇して冷却されて凝結することで雲粒ができます。エーロゾルなどの微小物質が空気中にあれば凝結核として働き、水蒸気が凝結しやすくなります。
また、海上の上空にある吸湿性のエーロゾルである海塩粒子は水蒸気の凝結を起こりやすくしています。

🟣雲粒が降水粒子に成長
(1)併合過程 暖かい雨
 雲粒同士が結びつき、より大きな粒子が落下中に小さい粒子を取り込んで降水粒子に成長して

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気象予報士試験対策 学科 一般知識 前線の話

気象予報士試験対策 学科 一般知識 前線の話

天気予報でよく聞く言葉ですね。「前線」
前線は性質の異なる空気が接したところと説明しました。
日本付近には、4つの大きな性質の異なる空気のグループがあります。

🔵オホーツク海気団
 オホーツク海にいます。海洋性の気団なので空気は湿っています。背の高い高気圧なので上空は相対的に暖かくなっていますが、下層は冷たい海で冷やされて寒冷になっています。梅雨期と秋霖期に影響を及ぼします。

🟡小笠原気団

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気象予報士試験 学科 一般知識 大気の流れ

気象予報士試験 学科 一般知識 大気の流れ

地球の受け取るエネルギーについて学習しました。
低緯度は高緯度に比べて太陽から受け取るエネルギーが大きいこと、そしてその受け取った熱を低緯度から高緯度に運ぶために海流や台風などがあることに触れました。
ハドレー循環などの大気の流れを今回は紹介します。試験にもよく出ています。

 大気の南北の動きとして、低緯度側から、ハドレー循環、フェレル循環、極循環があります。
 ハドレー循環と極循環は直接循環と

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気象予報士試験 学科 一般知識 大気の安定度

気象予報士試験 学科 一般知識 大気の安定度

よく天気予報を聞いていると特に梅雨期や夏季に「上空に寒気が入って大気が不安定になり・・・・」というフレーズを耳にすることが多いと思います。
大気が不安定になると天気が荒れます。荒天になるとはどういうことでしょうか?「荒天」と同じ読み方で「好天」があります。全く正反対です。
荒天(severe weather)。確定した定義はありません。しかし、好天と正反対で雨や風がつよく、雷が鳴ったり落雷があった

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気象予報士試験対策 学科 一般知識 エマグラム

気象予報士試験対策 学科 一般知識 エマグラム

本日はエマグラムについてです。気象予報士試験の勉強をするまで、お恥ずかしきことながら「エマグラム」を見たことはありませんでした。

上の図は気象庁ウェブサイトにあります。詳細なる解説も書かれているので、詳しく勉強される方は、そちらをご覧いただければ。
まず、グラフの縦軸(y軸)は気圧を示しています。y軸の大きくなる方向は高度が高くなる方向と同じです(高度が高くなるので、気圧は下がります。このため縦

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気象予報士試験 学科 一般知識 熱力学その2

気象予報士試験 学科 一般知識 熱力学その2

本日は、乾燥断熱減率と湿潤断熱減率と温位などについてです。
🟢乾燥断熱減率 dry adiabatic lapse rate DALR
空気塊がその空気塊の外から熱をもらったり、与えたりすることなく(このことを断熱と言います)変化することを断熱変化と呼んでいます。
乾燥断熱減率は、空気塊が飽和していない(湿度が100%に達していない)状態で空気塊が上昇した時に、周りから熱の出入りがない時の気温

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気象予報士試験対策 学科 一般知識 大気 その2

気象予報士試験対策 学科 一般知識 大気 その2

大気の部門に関する過去問です。昨日の記事「気象予報士試験対策 学科 一般知識 大気」を合わせてどうぞ。

令和4年度第1回(第58回) 学科一般知識 問1
正誤問題
(1)対流圏の気温の鉛直分布は放射収支によって決まり、気温は平均的に高度が1km高くなると約6.5℃低下する。❌
👉対流圏における気温の平均的な鉛直分布は、放射のバランスと対流による大気の鉛直混合および水蒸気の凝結過程によりほぼ決ま

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気象予報士試験 学科 一般 大気

気象予報士試験 学科 一般 大気

小倉先生の「一般気象学」では、まず初めに太陽について解説されていますが、太陽自体の出題は極めて稀なので省略します。

気象現象を引き起こす大気について出題されています。
本日打ち上げのロケットは対流圏から出ることはありませんでした。次回に期待しています。技術者の皆様、応援しています。
さて、気象予報士試験では大気の項目で地上から宇宙空間の手前までの現象について出題されます。

頻出項目の一つに大気

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