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気象予報士試験対策 学科 一般 過去問

過去問
令和2年度第1回(第54回)
問5 霧についての正誤問題。
(1)エーロゾルの有無は霧の発生に影響を及ぼさない。❌
 👉もや・霧の発生という点から見て、水蒸気が凝結するには凝結核が必要です。もやや霧は雲粒と同じです。雲粒が出来やすい凝結核は、水溶性エーロゾルが代表的です。
 霧の発生にはエーロゾルの影響が大きいと覚えておきましょう。

(2)初夏に釧路沖で発生する海霧は、海面水温より冷たい空気が、オホーツク海などから流れてきて発生することが多い。❌
 👉初夏に釧路沖で発生する霧は、移流霧と呼ばれているものです。移流霧は南からの暖かい空気が釧路沖の冷たい海面で冷やされて凝結して発生するものです。釧路沖の沖合いから霧が陸地に向かって流れてきます。釧路では初夏はこの移流霧の発生によって日照時間が十分とならず寒くなりストーブが必要となります。洗濯物も乾きません。ただ、この移流霧は内陸に入って気温が上昇すると消滅します。釧路地方では沿岸部が霧であっても内陸に入ると晴天となっています。海外の例では、カリフォルニア州のサンフランシスコの霧も移流霧です。

(3)放射霧は雲の少ない夜間から明け方にかけ発生しやすいが風が強いと発生しにくい。⭕️
 👉記述の通りです。(放射)⇨(放射冷却)⇨(明け方に発生)
  ただし、風が強いと消える。というイメージで覚えましょう。線香の煙というか
  湯気も風が強いと見えなくなるのでそのようなイメージで。

(4)温暖前線に伴い長時間降雨があり、地表面近くに湿った冷気があるところへ、上空の暖気から比較的高温の雨粒が落下して蒸発すると、前線霧が発生することがある。⭕️
 👉正しい記述です。正確に覚えておきましょう。

令和元年度第1回(第52回)
問5 大気中の水蒸気の凝結によって雲粒が生成される過程に関する正誤問題。
(1)表面張力のために、雲粒が小さいほど低い過飽和度で生成される。❌
 👉雲粒が小さいほど「高い」過飽和度で生成される。

(2)雲粒が凝結過程によって成長するとき、周囲の空気の過飽和度が同じであれば、雲粒の半径が小さいほど一定時間内での半径の増加量が大きい。⭕️
 👉正しい記述です。雲粒の半径が小さいほど、半径の増加量は大きくなります。

(3)雲粒の落下の終端速度は、雲粒の大きさによらない。❌
 👉大きい雲粒の方が落下速度は大きくなります。小さい粒(霧など)の時の雲粒の終端速度は半径の2乗に比例します。一方、大粒の雨では終端速度は半径Rのルートに比例します。

(4)雲粒の併合過程では、雲内の雲粒の大きさが不揃いの場合よりも、大きさが一様な場合の方が雲粒は速く成長する。❌
 👉雲粒の大きさが一様であると、終端速度が各粒子において同じなので、お互いがぶつかることなく落下を続けます。一方、大きさが異なる場合には落下速度が各々異なるために大きい雲粒が小さい雲粒に追いついて併合を繰り返すことになります。


平成30年度第1回(第50回)
問4 降水過程におけるエーロゾルの役割に関する太字部分の記述に対する正誤。
(1)エーロゾルを含まない正常な空気中では相対湿度が101%になっても水滴は形成されない。これは、小さな水滴が平衡状態として存在するために必要な過飽和度が1%よりも高いからである。⭕️
 👉正しい記述です。たとえば、半径が0.01μmの水滴は相対湿度が112%、すなわち過飽和度が12%の時にはじめて平衡状態になれます。
  また、半径が0.3μmの吸湿性エーロゾルの場合は、0.4%の過飽和度で平衡状態隣ります。

(2)水溶性のエーロゾルの働きによって大気中に発生した水滴は、溶解した物質の効果により相対湿度が100%に達しなくとも水滴として存在できる。⭕️
 👉正しい記述です。水溶性のエーロゾルにより水蒸気の凝結が進みます。

(3)大陸上の積雲は、一般に海洋上の積雲に比べて単位体積あたりの雲粒の数が多く、かつ雲粒の平均的な大きさは小さい。これは、凝結核として働く単位体積あたりのエーロゾルの数が、大陸上の方が海洋に比べて多いことによる。⭕️
 👉エーロゾルの個数の目安。
  海上では、10の9条個
  陸上では、10の10条個
  市街地では、10の11条個
  海上<陸上<陸上の市街地 となります。
  半径0.005〜0.02μmのエイトケン核が最も多いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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