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英日フリーランス翻訳の仕事の実態

翻訳業務に携わる場合、英語を日本語に翻訳する業務を行うことになる場合は多いようだ。一般的に、この翻訳業務は、日本語を英語にする翻訳の仕事より難易度が低いと聞いたことがある。

本日は英日翻訳業務について私が知っていることを公共の利益の観点から正直に書くつもりである。

翻訳業界側の人間(翻訳会社関係者、翻訳学校関係者、翻訳関連団体関係者等)は「1ワード10円のレートで1時間に300ワード翻訳すれば時給3,000円になる。」とよく謳っている。

この類の話は信じるべきではない。

Facebook上で、東大卒、英国大学院卒、翻訳実務検定TQE合格の実績がある方が、顔と実名を出して、スターティングレートが1ワード5円である翻訳会社から英日翻訳の仕事を受注した時、時給350円が限界だったと語っていた。この事実は、最高クラスの実力を持った翻訳者でも1時間に70ワード翻訳するのが限界である場合があり得るということを示している。

東大卒、英国大学院卒はすごい経歴だが、翻訳実務検定TQE合格の実績も稀有な実績である。

1ワード10円のレートは標準的なレートであり、1ワード8円、9円の場合もあり得ると聞いたことがある。1時間に70ワードしか翻訳できないのであれば、標準的なレートで仕事をしても時給700円である。1ワード8円のレートで1時間に120ワード翻訳すると時給960円である。

翻訳会社は、時給をベースに報酬を算出することなく、1ワード〇円とか1文字〇円で報酬を算出することによって、法の穴をかいくぐって最低賃金法を回避し、フリーランス翻訳者への支払いをごまかしている。翻訳会社はフリーランス翻訳者を利用(搾取)し法の穴をかいくぐること(脱法行為又は違法行為)によって、利益を出しているのだ。

AIによる無料翻訳(Google翻訳やDeepL翻訳等)の発達は近年著しいものがある。従って、AIを使って翻訳し、AIによるミスがあれば、社内の英語ができる社員にミスを修正させている企業は多いだろう。難易度が中程度までの文書ならこの方法でうまく行くかもしれないが、難易度が高い文書は専門的技能を備えたプロ翻訳者に翻訳してもらうことになるだろう。

このような状況を鑑みると、プロであるフリーランス翻訳者に楽な仕事が来ることはあり得ないのではないだろうか?サクサクとスピーディにできる簡単な翻訳の仕事は既にAIに喰われているのではないだろうか?

専門的知識が要求される難解な文書をサクサクとスピーディーに翻訳するのは不可能であるように思える。翻訳会社は、プロであるフリーランス翻訳者に一般企業の英語が堪能な社員では手に負えない骨の折れる仕事を発注し、フリーランス翻訳者がGoogle翻訳等を使用することを禁じているからだ。

「1ワード10円のレートで1時間に300ワード翻訳すれば時給3,000円になる。」

この種の甘い言葉に騙されてはならない。

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