見出し画像

#28 人生が動き出すきっかけを与えてくれた本


我が家は、結婚、出産後も"共働き"なのだけど、夫と結婚前に話し合って価値観のすり合わせを行ったこともなく、それが私の中では前提になっていた。

ふと、なぜ"共働き"でいることが自分の中でベーシックになっていたのだっけ…?と思い出してみると30を前に出会った一冊の本が、私の人生を動かしてくれたことを思い出したので、特に響いたコンテンツを紹介。

約10年前に著書と出会う。私の価値観を形成してくれた本だったことを思い出しこの10年、できたこと、できなかったことを振り返りながら読み直す。

女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方 中村芳子 / 初版発行 2009

著者は1986年からFP業に携わり日本で初の女性FPになった方。

この本、お金の貯め方に特化しておらず、女性の人生に言及しているところが非常に良かった。お金の貯め方も大変参考になったけれど、私はそれ以上にこれからの生き方について考えさせられて、影響を受けた。

大卒で働き始めて5~6年。
実家から通学通勤ができていたので家を出ることなく30歳目前になる。彼氏もいない。これと言った趣味もない。休日は寝て過ごしたり、目的なく買い物に出かけたり、友達と飲み歩いたり。時間を持て余していた。

漠然とこのままでいいのかな~と不安があった。そんな時この本に出会った。口語に近い文章で、読み始めたら止まらなかった。

◾︎ 現代の女性は一生働く覚悟を決める

現代のシンデレラは、「自分の馬」を走らせる!

プロローグより引用

自分たちの親世代は、母が専業主婦、父が働くスタイルが主流だったが、現代では厳しい。

「自分の馬」に乗って森の中を駆けめぐり、行きたいところに自由に行こう。白馬の王子様がやってきたら、馬を並べて駆ければいい。1頭に2人で乗るより、それぞれ自分の馬に乗るほうが快適だ。時には、2頭立てにして馬車を引かせてもいいだろう。今後、自由で豊かな生活を送るには、どういう形であれ、女性が働くことは必須だ。「一生働く」という覚悟を決めよう。すると仕事や人生に対するあなたの姿勢は変わってくるはずだ。ただし、一生働くといっても、定年までずっと同じ働き方をするわけじゃない。
結婚して子どもを産んだら育児休暇をとってもいいし、疲れたら長期休暇をとってもいい。いったん仕事を辞めてもいい。でも、3年後か5年後か10年後かには、資格をとったり、新しい仕事に挑戦したり、何かの形でもう一度、社会に出て働くのだ。

プロローグより引用

働き方を柔軟に変えていく発想は当時の私にとって目からウロコで、これから始まる30代の生き方を想像するとワクワクするような感覚になった。

◾︎ どんな時でも貯金を続ける

お金は「余裕のあるときに貯めればいい」とか「余裕ができたら貯めよう」というのは大間違い。収入が増えるほど、ほしいもの、やりたいことも増えるから、余裕なんかできない。収入が少なくても、少ないなりに貯金するのが大切だ。
収入・支出には波がある。就職したばかりや結婚して子どもが生まれたばかりのときは生活が苦しい。そんなときでも手取り収入の10%は貯金する。収入が増えて家計が落ち着いてきたら、徐々に額をアップさせよう。

本文より引用

実家暮らしをしながら、夢だったマイカー購入のために貯金を続け購入に至ったあと、著書を読んで一人暮らしを決意。マイカーを手放して家を出るための貯蓄に精を出す。

実家暮らしが一番貯蓄ができる環境だけれど、著者は貯蓄が全てとは語っておらず、その時の生活レベルに合わせて貯金をキープしながらも、その年齢でしか経験できないことにチャレンジする大切さも教えてくれた。

◾︎ 自立の意味

自立したい、結婚したいと思うなら、親元を離れよう。なるべく早く「自分の収入で生活する」体験をしよう。限られた収入でやりくりする技術、センスが身につく。「一人でやっていける」という自信が持てる。お金で買えない価値がある。

中略

遅くても29歳までには自立したい

本文より引用

仕事して帰宅して、母の作るごはんを食べて、休日はなんとなくダラダラ過ごして…このまま30代に突入して歳を重ねる?

もともと没頭できる趣味が皆無の私は、これといった楽しみを持っていなかった。働き出して自分のお金で好きなことができる喜びは大きかったけれど、漠然と孤独を感じていたように思う。

通勤も不自由なく親もうるさく言わない。
家を出るという選択肢のなかった私に自立の意味を教えてくれた。

◾︎ 借金をしない

もともと毎月の収入で回せるようにはしていたが著書を読んで、車のローンも借金に該当することに改めて気付かされた。当時購入した新車はもちろんローンで利息もしっかり付いていた。

車の購入はローンが普通という認識を変えてくれた。おかげで結婚後に夫と購入した車は無理なく一括払いできる中古車を選んだ。今は次の車購入のための費用をせっせと貯めている。

◾︎ 結婚観

結婚は人生の重要プロジェクト。なりゆき任せにしない!

晩婚化、非婚化が進み、日本では今や30代の女性5人に1人、男性3人に1人がシングルだ。でも「ずっと結婚しないつもり」ではなく、ほとんどは「いずれ結婚するつもり」。結婚しないのは「まだ、いい相手にめぐり会ってないから」。でも、「いつか自然に、結婚相手にめぐり会える」と思っているなら、それは間違い。学校や職場で出会える人も確かにいるが、それは運のいい少数派だ。

中略

結婚したいなら、待っていないで積極的に出ていこう。毎日、同じ電車で同じ会社に通い、同じような週末を過ごしていては、出会いはない。

本文より引用

上記の引用はまさに当時の自分だった。漠然と30までには結婚したいな~と思っていた。合コンに行ってみたり、全く行動しなかった訳じゃないけど、このままじゃヤバい…とエンジンをかけることができた。偶然タイミングが重なっただけかもしれないけれど、一人暮らしを始めてすぐに友人を通して夫に出会った。結局一人暮らしの経験は2年で終了したが、著書に出会わなければ全く違う人生になっていたんじゃないかと思う。本当に感謝している。

著書では、先ほどの引用の通り結婚、出産後も共働きを続けることを推奨している。もちろんライフステージに合わせてその働き方は柔軟に変えながら、また社会に戻る。それは収入を安定させるためだけでなく、女性の生き方をもっと楽しむことに繋がるから。

子供を産む前は、「子供が産まれたらこれからの私の人生は子供が主役になるんだ」と思っていた。自分のやりたいことは我慢して、子供を第一優先する人生にシフトしていくものだと思った。

実際に産んでみて子育てが始まると、そんなことはなかった。独身時代とは圧倒的に違うけれど、夫と働くこと、子育てすること、家事をすることを共有すると家のことを任せて自分時間を取ることができた。

育休の1年がしんどかった。
完全に子供の世話、家事は私、働くのは夫で役割が決まっていたから。赤ちゃんの世話と家事の同時進行の大変さ、泣き止まない辛さ、身動きの取れない時間…経験として夫と共有できないのが1番辛かった。

夫も子育てや家事はしていたけど、私が常時家にいることで無意識に仕事優先になるのは仕方なかった。

育休明け、仕事に復帰すると"家庭を回すこと"全般を夫と協力していく。残業があれば夫に迎えを頼み、そのまま寝かしつけまでやる。土日出勤があれば夫が1日子供のことと家事をやる。お互いの仕事とすり合わせながら家庭を回すことが習慣づいたのは、私の精神的な負担を大きく減らしてくれた。

初版は2009年と古いので、育休制度などの情報はアップデートが必要だがお金の使い方、30代を迎える女性のこれからの生き方については、まさに現代のことを指していて大変参考になるのでオススメ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?