ひとりぼっちの避難
2024年元旦
旅行帰り
大きなアラーム音とともに、
ゆらゆらと車体が大きく揺れ動く中で、
私の手はハンドルを強く掴むことしかできなかった
手の震えを必死に抑えながら、
避難区域を確認
海沿いにある家は完全にアウト
家に帰る途中でまさかこんなことになるとは
この時、私は1人で避難することを決意した
焦りながらも近くの避難所を調べた
しかし、回線の混雑か分からないが開くのに時間がかかった
そこで思いつく限りの
「高い、安全な場所」を考えた
あそこしかない
少しアクセルを強めに踏みながら、
私は向かった
5分後
市役所に到着
車を駐車場に止め、
建物の中に逃げ込むことができたと
気づいた時には
不安と恐怖で口がカラカラになっていた
自販機で買った飲み物を飲んだ後
ふと周りを見渡すと、
1人で避難したのは私だけだった
家族や友人とは連絡をとり
安全を確認できたものの
不安な時に、
誰かと話せないのはかなり辛い
余震が収まった頃
コンビニへご飯を買いに行った
店員さんたちはせかせかと
品物や物流の確認をしていた
意外にも、お客さんは少なかった
何なら、私1人だけだった
寂しい商品棚から
2、3個選んでレジへと向かう
レジのおっちゃんが
「お家大丈夫やったー?、新年早々から大変やね」と話しかけてくれた
「ご安全に」という言葉を最後に退店
縮こまっていた私の心は
少しだけ元に戻った気がした
家はズタズタになってるだろうし
今後、1週間は余震の心配もある
まだまだ安心はできないけど、
今を一生懸命生きるしかない
みなさんのご無事を心より祈願しています
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