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峰森ひろかず『少年泉鏡花の明治奇談録--城下のあやかし』

 大のおばけずきの少年時代の泉鏡花--泉鏡太郎が、妖怪に見せかけた様々な事件を解決していく話。
 展開は子供向けなので読めてしまう部分もあったけれど、元ネタの小説からのアレンジが秀逸。最後の話でそれまでの話が全て繋がるところも好きです。
 そしてこの泉少年が、本当に泉鏡花の少年時代に思えて仕方がないのです。おばけずき。博識。そして年上の美しい女性を前にすると称賛の言葉が止まらない。泉鏡花っぽい!と思わされます。泉鏡太郎の人間性もまた魅力。
 泉鏡花はまだまだ読んでいない作品も多いので、このシリーズを読むと「読まなくては……!」と思わされます。紅葉の作品に出会うところまで、是非とも書いて欲しいシリーズです。

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