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江國香織『シェニール織とか黄肉のメロンとか』

「三人娘」とかつて呼ばれた親友同士の三人の女性の、35年後を描いた作品。
 三人それぞれは男性関係や親戚関係、家族関係で様々な問題や悩みを抱えているけれど、三人の仲だけはいつも良好。会えば話が弾むし、笑いが絶えない。甥っ子が女装少年だったり、母と時々ぶつかったり、息子が突然結婚すると言い出したりするけれど、三人の関係性は微塵も変わらない。
 私にも、四人娘と呼ぶべき、中学時代の親友たちがいる。今も相変わらず仲は続いていて、また今度の6月に会う予定がある。子供がいたり、働いていたり、私みたいに病気を抱えていたり、みんなそれぞれ全然違う人生を生きているし、性格も全然似ていないけれど、それでもやっぱり会うと会話が弾んで、昔と今が入り交じったような空間が形成される。私はその空間が大好きだ。
 だから、この本の三人娘のように、私たち四人娘も、ずっとずっと、老いるまで、仲が続けばいいなと思った。
 本の感想よりも自分の話になってしまった。失敗だ。でも消したくないので書いておきます。

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