柳広司「アンブレイカブル」
ジョーカー・ゲームでD機関のスパイたちの活躍を描いた柳広司が送る、もうひとつの視点から見た日中戦争~太平洋戦争の物語。背後に見え隠れするのは、特高。
特高が関わる話ということで、どれもハッピーエンドとはいかなかったのだけれど、一つ目の小林多喜二が出てくる話がとても好き。小説の力を思い知らされた。
四話目の、今まで見え隠れするかたちで登場していた特高のクロサキ視点の話も良い。特高の人間も一人の人間なんだ、と感じられた。
ジョーカー・ゲーム以外の柳広司の作品では、一番好きかもしれない。
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