「気力の再生・充実」
兼好法師は徒然草で
「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」
という。
( 住まいにおいて、冬の寒さはなんとかなるが、
夏の暑さはそうはいかない。暑さを和らげる工夫をしなさい。)
徒然草が書かれたのは14世紀前期。
当時の人々も夏の暑さに
おうじょうしていたのだろう。
兼好法師の不快に満ちた顔が目に浮かぶ。
今年の夏も暑い。
各地で猛暑日が続く。
クーラーの効いた快適な部屋で、
表面に水滴が付いたコップ片手に
冷たい麦茶を飲みながらの読書もいい。
が、休日は外出したい。
京都に避暑地はないのか?
あるじゃないか貴船が!
というわけで、貴船へと向かった。
目指すスポットは、
京都御所の真北に鎮座する貴船神社。
以前投稿した二十二社巡りのひとつ。
神社参拝において、
私は可能な限り早朝に参拝するようにしている。
早朝の神社は、
澄んだ空気と心地よい涼風を
より一層感じることができるからだ。
兼好法師の言葉にかこつけて言うなら、
「神社参拝は早朝を旨とすべし」である。
貴船神社の概要
・御祭神は、水の供給を司る高龗神。
・創建は、不詳。
・神社名は「きふねじんじゃ」。
貴船の地名は「きぶね」だが、
水が濁らないように「きふね」と発音する。
・絵馬発祥の地。
日照りの時は黒馬を献じ雨乞いを、
長雨の時は白馬を献じ雨止みを祈願していた。
その慣行が簡素化され「板立馬」を奉納するようになった。
それがやがて絵馬になった。
午前6時開門。
しんと静まり返った空間に足を踏み入れる。
御神水の立て札を読む。
襟を正して御神水をいただく。
一.自ら活動して他を働かしむるは水なり
二.常に自ら進路を求めて止まらざるは水なり
三.自ら清くして他の汚水を洗い清濁併せ容るるの量あるは水なり
四.障害に逢い激しくその勢力を百倍するは水なり
五.洋々として大洋を充たし、
発して蒸気となり雲となり雪と変し
霰と化し凝っては玲ろうたる鏡となる、
而もその性を失わざるは水なり
拝殿で参拝。
日頃の感謝を伝える。
決意を伝える。
貴船神社の三社詣り。
奥宮、結社も参拝。
貴船神社への旅。
心が穏やかになった。
自分自身と向き合えた。
明日への活力を得た。
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