映画「最後まで行く」

何度もしつこく岡田くんがいうので、
最後まで行く、
ギリギリになったけど公開3日目のレイトショーに滑り込みで観てきました。

劇場で映画を観るのは実に6年振り。

仕事の関係で、映画館への出入りは何度もしていたけれど、チケットを買ってシアター内に入ってシートに2時間強座ったのは6年振り(2回目)。

大学生の頃は空きコマの合間にキャンパス近くの映画館や駅直結の映画館によく入り浸っていた。(ミニシアター系の作品を一人で観るという自分に酔っていたんだと思う)

社会人になると、映画鑑賞が趣味の彼(現旦那)とのデートはもっぱら映画。

アクションやSFが好きだった彼と、それこそミニシアター系の邦画が好きな私は、これまで観てきた映画の話をして盛り上がった。
出会いのきっかけも某大型レンタル店でアルバイトをしていた先輩後輩の関係からだ。

まあ、どうでもいい話は置いておいて。

そんな私は、妊娠出産を挟んだ途端、映画館に足を運ぶことがなくなってしまった。
旦那と休日がカブらないので、私一人が映画鑑賞の為に子どもを置いていくわけにはもちろんいかないし(実家はどちらも遠方)、子ども向けの作品は平日休みの主人が連れて行ってくれていた。

気になる作品はあれど、いろんなハードルをクリアしてまで観たい、というエネルギーはなかった。

さらに、ミュージカルや舞台観劇という新たな趣味ができてしまい、優先順位はこっちが上になったのだ。(推し活ってやつ)


今回ようやく一人で映画を観に行くことが出来たのは、色んな条件が重なったのは当然だけれど、「最後まで行く」の公開直後に放送していた「ボクらの時代」が後押ししてくれたからだと思う。

番宣と称して、様々なバラエティー番組に岡田くんや共演者の方が出ていたけれど、藤井監督がテレビ出演をして映画のことを語っていたのは、この番組だけではないかな?

私と同世代の監督が、私と同じようにテレビドラマやバラエティ番組で岡田くんを観ているのは当然だし、ぶっさんとか学校へ行こうというワードが共通認識なのはとても親近感が沸いた。

映画作りという同じフィールドに立った監督が、岡田くんにやってもらいたい役が工藤という男なのは、もう首もげるくらい「わかってる」し、めちゃくちゃありがとうと言いたい。

常々本物になりたいと言っている彼は、ある分野を極めようとした結果、軍人や武士という極端な人物を演じることが多い。もちろん、日本映画界を背負って立つ役者だし、本人も自負があるから、オファーが彼に集中することはありがたいことだけれども、一方で岡田くんのコメディセンスが好きなファンは、そっちの姿を見たいという願望を同時に持ち合わせていたはず。だよね?

ようやく今回の作品で、その願望が現実になったと思う。

窮地に追い込まれた人間の滑稽さや、
ふと力が抜けた時に生まれる笑いがとにかく気持ちがいい。

そして諦めの悪い人たちが必死になる姿がこんなにも無様でピュアなんだと感心してしまった。最初から最後まで色々な仕掛けがあり、何度も観てみたくなる。

映画に頻繁に通っていた頃は映画の感想をSNSにあげることはへんな批評家ぶった気がして控えていたけれど、他者の気づきや感想がこんなにも楽しく感じられるのは、この映画の遊び心や余白がそうさせているのかな、と思ったので昔を振り返りながら感想を書いてみた。

バイオレンスシーンや音楽の効果でハラハラドキドキと心臓に悪いけれど、
同じくらいくすくす、じーん、ホッとなる箇所があるので、純粋に楽しむことができた。

23:30に映画館を出て車の運転をして帰る時は、尾田が出てくるんじゃないかとヒヤヒヤ。雨が降ってなくて良かった。

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