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戦コン内定のための全て


「せっかく難関大に入ったので高偏差値の企業に入りたい」と思っている権威主義者なあなた

あるいは、社会的インパクトの最大化という崇高な目的を達成したいあなた

あるいは、単に「考えること」が好きで、飽きずに働ける仕事がしたいあなた


動機はなんにせよ、戦略コンサルを目指す全ての人にぜひ読んでほしい記事を書きました。


こんにちは、赤羽です。

普段は、MBBのジュニアとして働きながら、Xの猛者の皆様から日々お勉強させていただいております。

また、内定者時代には、大学の後輩を中心に数名にケース対策指導をし、全員が戦略コンサルからオファーを獲得しました。


この記事は、戦コン志望者なら5000円でも確実にペイする内容ですが、確定申告がめんどくさいので、無料で公開します。


イイネと思ったらスキの連打とXでの拡散をぜひお願いします。


反響が大きければ、パターン別の具体的なケース解答例や、ジョブで使えるテクニックなどの記事も書こうかなと思います。


※本記事はあくまで筆者個人の見解であり、特定のファームの採用基準を反映したものではありません。(筆者は2023年の9月に入社したばかりであり、本記事執筆時点の2023年12月時点で、採用メンバーにアサインされた経験もなければ採用基準も知りません)


尚、これより先は、読解コストを下げるために敬体ではなく常体で書きます。




0. このnoteのバリュー、目的



他人から学んだだけにすぎない真理は、我々に付着しているだけで、義手義足、入歯や蝋の鼻か、あるいはせいぜい他の肉を利用して整形鼻術がつくった鼻のようなものにすぎない。

が、自分で考えた結果獲得した真理は生きた手足のようなもので、それだけが真に我々のものである。

ショーペンハウアー著「読書について」


↑の引用文は、僕が本noteにて最も強調したいことであり、座右の銘の1つでもある。

思考の能動性、知的好奇心、パターンゲーだと思わず深部にある本質を探ろうとする思考態度

これらが何よりも重要であり、このnoteはあなたの思索を助けるツールでしかない。

具体的にどう助けるか?

このnoteの至上目的
=「戦略コンサルからオファーを勝ち取ること」を目的とする人間のインプットにおいて、世にある全ての書籍を副読本化すること

つまり、このnoteと市販されている書籍を合わせることで、戦コン対策におけるインプットを完成させる手助けをしたい。

ただ、実際に取るべき行動としては、

インプット(このnoteと書籍)
→アウトプット(インプット内容の要約、模擬ケース/ジョブ、日常の思索)
→インプット(このnoteと書籍)

このサイクルを回すことを推奨するが、1:10くらいの比率でアウトプットの方が遥かに重要である。

対策の全体像を理解した上でインプットに役立ててほしい。

では、解説していく。

(要点を絞ったつもりだが、1万字を超えてしまったので、ゆっくり読み砕いていただけるとありがたい。)


1. 戦コン受験者のレベル3段階



戦コン受験者を3層に分解した


まず、上図の通り、受験者を三段階のレベルに分類する。

存在割合としては、レベル3が1%、レベル2が4%、レベル1が95%といったイメージだ。

これはざっくり要諦を押さえた分類である。

例えば、MBBの選考ではレベル2と評価される人も、DIやアク戦の選考ではレベル3と評価され、「内定者」になったりするし、

「MBB内定者」の中でも問題解決力の高さにはかなりバラつきがある。

また、レベル1が具体的にどのような状態か?についてはこちら↓の記事が非常にわかりやすい。


こちらの記事でTAさんも述べている通り、レベル1の対策廚っぽいアウトプットは、戦コンの面接官には通用しないことが多い。


有名なフレームワークや因数分解を思考停止で当てはめたのか?
あるいは、自分の頭で深く考えたのか?は、

「なぜその施策で顧客に選ばれるのですか?」
「その主張が正しいと言える論拠はなんですか?蓋然性はどのくらいだと思っていますか?」
「具体化していただけますか?」
「それ以外にはどんな有効な選択肢があると思いますか?」


らへんの質問を投げかければすぐわかる。


今回僕が執筆するこのnoteでは、レベル1を脱し、レベル2へ到達する方法と、さらにはレベル3へ到達する方法を伝える。


また、レベル0(←WEBテ落ちる、フェルミできない、3Cも4Pも知らない)からレベル1になるには、ググって上位表示される情報だけで充分だ。


2. レベル2への到達法



レベル2を改めて定義すると、

ケース面接を通過できるがジョブで落ちる状態であり、

本質的な問題解決力は内定レベルではないが、内定者の筋の良い解答例を転用できる状態

である。

別の言い方をすれば、

本質的な問題解決力は内定レベルではないが、30分程度の短い時間であるケース面接というゲームにおいては、まるで内定レベルであるかのように見せられる状態

を指す。

実際にジョブに行くと、ジョブ参加者のうち5人中3人くらいはレベル2であると分かるだろう。

過去問を使った具体例で解説する。

例えば、「エアコンの売上向上施策を考えよ」と、ケース面接で出題された時に、ある内定者は、以下のように回答する。

結論、地方自治体や町内会を通した特別割引オファーを高齢者向けに出すべきだと思います。

論拠及び背景について話します。

エアコンは、①メーカーごとに製品の差がほとんど無いコモディティ商品である②浸透率が既に非常に高い③買替年数が10年程度と長い、と3つの重要な特徴を持っていることから

売上向上のためには、製品戦略より販売戦略が重要で、販売戦略においては、例えばテレビCMをマス向けに打っても視聴者のほとんどは買替がまだまだ先なので、広告が届いた直後に買替行動を取る確率が高い顧客セグメントを特定し、ダイレクトマーケティングを行うのが費用対効果が高いと考えました。

その顧客セグメントとして、地方に住む高齢者が好ましいと考えました。
理由を話します。まず、「まだ使えるから」「なんとなく」という背景から、耐用年数を超えて使用している割合が高いのではないかと思われます。
また、熱中症への危険性が高いこと、高額な商品を買うにあたり貯金額が高いことから、購買行動を起こしやすいと思います。
ただ、売上向上インパクトの大きさが懸念なので、思考時間が追加されたら簡単に試算してみたいと思います。

この施策でちゃんと売上向上するの?

と思った人もいるだろうが、ケース面接は施策のクオリティではなく思考過程が評価の対象なので、

実際のコンサルpjでこの施策が提言になることはまずないだろうが、ケース面接ならこれでいい。

この回答を数分で考えられる実力なら、ディスカッションも建設的にやれるので、ちゃんと通過する。

(というか、3分でエアコンの売上向上施策考えろって言われてガチで採用した方がいい施策が出てくるとは流石に期待してない)


ケース面接は形式上は超短縮したコンサル実務だが、実態としては、実務やジョブ選考とはまた別物のある種のゲームだと僕は思っている。

実際、「ケースの通過率は悪魔的に高いがジョブで全然勝てない就活生」と、その逆が一定数存在する。

通過する具体的な回答例を示したので、次に、「ではどうすればこれを作れるようになるか?」を説明する。

結論、それが冒頭で示した「内定者の筋の良い解答例を転用できる状態」である。

例えば、上記のエアコンの問題を内定者に教わった経験があれば、①コモディティ化が非常に進んでいる②浸透率が既に非常に高い③買替頻度が低いという特徴を持つ商品

具体的には、家電全般、スーツケース、生命保険etcがケース面接で出題された時に、

今回のエアコンの回答例の上流のロジック(=セグメントを高齢者と特定するところまで)を転用できるだろう。

あるいは、家電に限った話だが、

コモディティ化が進んでおりハードウェアで差はつきにくい。なので、

ソフトウェア開発
(ex. XXで時短ができるIoT家電)
美しいデザイン考案(ex. ダイソンやAppleの製品)
既にあるブランドイメージを横展開(ex. Panasonicの美容家電)

で差別化する(実際に深掘るのは1つ)。

といった方向性もありえる。

こういった示唆を、様々な出題タイプ別に蓄積し、半固定的にうまく組み合わせてアウトプットを作れる状態こそが

レベル2:ケース面接を通過できるがジョブで落ちる状態

である。


これは、ある程度型化された思考ではあるが、半固定的であり、目の前のケーステーマに適合したアウトプットが出てくるので、レベル1の対策廚とは明確に異なる。

そして、先述した通り、ケース面接は、「数分で思考して数十分だけディスカッションする」という特殊な建付けであり、本質的には実務とは乖離しているある種の"ゲーム"なので、

経営学の古典的名著や実際のコンサルティングファームの最終報告書を読んで勉強しても、パフォーマンスは向上しにくい。

なので、1. 自分でケースをたくさん解いて作る 2. 内定者や社員から盗む、と大きく2種類の対策がpracticalには重要だ。

ただ、2. の質には注意してほしい。

具体例で説明する。

👨‍💼「A社の属す××市場は縮小傾向にあるので、成長市場を狙って多角化すべきです」

というロジックは、コンサル就活生がケース面接でよく使うロジックだが、

明確な間違いであることが多い。

例えば、「じりじりと縮小するトレンドにありいくつかの企業が潰れていた米国コーヒーショップ市場に後発で参入して大成功したスターバックス」が反例だし、

実際の過去問でもあるブライダル事業の問題においても

少子化と未婚率上昇がすぐに市場縮小要因として浮かぶが、

着実に成長しているブライダル事業の会社はググればバンバン見つかる。

そもそもブライダルはかなりフラグメントな市場かつ地域性も大きいので、緩やかに市場がシュリンクしても個社の売上は2倍3倍に現実的になりうる。


これをスルーしてFBとして指摘できない内定者メンターがけっこう多い。

少し意地の悪いやり方だが、有料のメンタリング等でメンターの実力を見抜きたければ、

「ブライダル事業の問題を解いてきたのでFBください」と言って、上記ロジックを展開し、指摘が入るか否か?を確かめてみてもいいだろう。

なので、最後に頼れるのは自分だけであることと、内定者の中でも実力の高い人か現役orOB社員に見てもらえればとても効率がいいこと、を覚えていておいてほしい。

以上が、レベル2 : ケース面接を通過できるがジョブで落ちる状態、への到達法についての解説だ。

次章では、レベル3:本質的な問題解決力が高い状態、への到達法について解説していく。


当然、こちらの方が重要だ。


3.レベル3への到達法



目次の通りだが、以下の三段階で本質的な問題解決力を伸ばしていく。

1.「What is 戦略コンサル?」を”正しく”理解する

2. コンサル式の問題解決フレームをインプット

3. インプットしたフレームをアウトプット(←本記事は対象外)


レベル2への到達は再現性が高いかつ、比較的少ない投下時間(長く見積もって100時間くらい?)で可能な一方、レベル3はある程度の先天的なコンサル適性と、青天井の投下時間が必要になる。

戦コン内定への道は、レベル3に到達するかレベル2でジョブ参加しまくってラッキーパンチを放つかの2択だ。

もちろん赤羽はレベル3への到達を強く推奨する。


3-1. 「What is 戦略コンサル?」を”正しく”理解する


ほとんどの就活生はなんとなくふわっとしか戦略コンサルを理解していないし、僕もオファーを貰った頃はそうだった。

ただ、ここの理解は早ければ早いほど良いので、就活生の今、この記事に偶然たどり着いたあなたはラッキーだと思う。

コンサルティングファームがクライアントから何を期待されているのか?

への解像度が高ければ、

その期待されているもの&期待を上回るものを届けるために必要な能力は?

への解像度も高くなり、成長効率が高くなる。



では、

コンサルティングファームがクライアントから何を期待されているのか?

について解説していく。



結論、こちら↑の中林さんの質問回答が非常に本質を突いているように思う。

ヘッジファンドの経営者で不確実性の研究者で、著者として有名なタレブ氏も、コンサルのことを「企業官僚」と表現している。


要は、経営の3要素の内、サイエンス(経営理論×秀才の稼働)を外注することである。

経営の3要素について
アート(直感)、サイエンス(分析)、クラフト(経験)の3つが会社を成長させるために必要である、という有名な理論。
(北野唯我さん著「天才を殺す凡人」という本がこれを明瞭に解説しているので、ぜひ読んでいただきたい。)


アートについては、例えば、Appleの旧LisaやiPhoneという先端ではない要素技術をかき集めて優れたビジョンを具現化したプロダクトや、

見知らぬ他人に自分の家の空き部屋をホテル代わりに貸してしまうエアビー、のような破壊的なイノベーションを、

戦略コンサルティングファームが起こすのは、期待されていないしそもそも不可能である。

クラフトについては、実は、世界初の戦略コンサルティングファーム、つまりマッキンゼーが誕生するまでは、むしろコンサル=クラフトを提供する会社であった。

いわゆるグレイヘアコンサルと呼ばれるもので、ある業界に長年いたシニアが、その業界の会社に経営アドバイスをするというコンサルティングサービスだ。(ADLは元々はグレイヘアコンサル)

そして、戦略コンサルが提供する「サイエンス」とは、具体的には、

・ふわっとした経営課題を明文化、定量化、整理し、議論、意思決定するために役立てる
-ex 1) 事業ポートフォリオをPPMマトリクスに整理し、再編の意思決定に活かす
-ex 2) 進出すべきか検討している新地域を、Market Attractiveness/Ability to winマトリクスに整理し、意思決定に活かす
-ex 3) GEの経営指標重視型マネジメント、P&Gの定量分析をコアにしたマーケティングなど、定量アプローチにおけるエクセレントカンパニーの手法を、クライアント企業にうまく当てはまるようにテーラーメイドで作る

・無駄を特定し、省き、コストカットを実現する
-ex) ①ずさんな管理の財務Excelを解読し、見通しの良い軸で切って再整理する→②利益率が高い同業他社、ビジネスモデル等が似ている異業種他社、社内の優等生部署のベストプラクティスを調査、導入し実際にコスト削減する

・ある会社を買収すべきか?を判断する
-ex) その会社の属す市場の成長性・安定性があるか?、その会社がシェアを保てるか?、シナジーはどの程度あるか?をBDDの型にはめて分析する


等である。

これらは、秀才(IQ120~140くらい)が非常に強い。

IQが140以上の天才になってくると、前頭葉が刺激に過敏になって対人関係や長時間労働のストレスへの耐久性が下がるので、適性が下がる。

平均IQが125程度であるとされる東大生の中で上位1~2割くらいのIQの人が戦コンからオファーをもらっていると言われると、体感的にしっくりくる。

IQが140以上の天才は、その多くがアカデミアに残っている印象がある。

これは、ジェフ・ベゾスが、大学の同期が賢すぎて物理学者になるのを諦めてビジネスの世界に進んだのと似ている。(勿論、戦略コンサルタントよりベゾスのほうが何倍も優秀で稀有であるが。)


結論を繰り返すと、戦略コンサルが出しているバリューはサイエンス(経営理論×秀才の稼働)であり、


選考では、秀才であることを示すのが重要である。

経営理論は誰でも後から身につけられるし、社内で型化されているし、何よりも経営理論単体だと何の価値も産み出さず使い手の能力に大きく依存するツールだからだ。


そして、秀才度=問題解決力の高さ、と言い換えても過言ではない。
(天才度=創造性の高さ)


次章以降で、問題解決力を高めていく方法論を解説していく。

【コラム】「官僚≒戦コン」という主張の補足、時代の変化

先ほどから繰り返し述べている官僚≒戦コンという主張に対する補足をする。

最初に引用した中林さんの質問回答や僕が具体化して説明した戦コンのバリューとは少し違った切り口で説明する。

それは、東大生のトップ層が、昔は官僚に行き、今は戦コンに行っている原因が、国が主役の時代から企業が主役の時代へ変化したことではないか?ということだ。

まず、今も50年前も、東大生の性質は変わらない。入試システムが変わってないからだ。

繰り返しになるが、その性質とは、秀才性(≒問題解決能力(情報処理の速さ/ロジカルさ/勤勉性etc))であり、

秀才性の高い人材が長時間労働するのが官僚と戦コンの共通点だ。

変わったのは環境だ。

具体的には、給与の高さ、昇進の速さ、持てる社会的影響力の大きさから、官僚より戦コンの方が人気になった。

それは、経済をトップダウンで司る役割を担う主体が国ではなく大企業になったからだ。

そしてこれは、大前研一の予言通りである。

世界最高クラスのコンサルタントだった彼が、まさにその時代の境目で仕事をしていたと言える。

⇩スティーブ・ジョブズと大前研一の対談動画。2:14〜をぜひ視聴してほしい。





では、本論に戻り、問題解決力を高めていく方法論を解説していく。



3-2. コンサル式の問題解決フレームをインプット


大前提、全てを完全に理解できるならば、大前研一の企業参謀を読めばいい。

あれより優れたものを僕が書けるなんて1ミクロンも思っていない。

ただ、あれらは、実務を前提として書かれたものであり、選考対策を前提としていないため、

それらを理解し、選考に活かすのはけっこう困難だし効率が悪い。


なので、僕が選考対策を前提として書く。

それがこの章のバリューだ。




コンサル式問題解決の全体像
(下層2段目について)アクションベースの時系列整理


まず、ブロックを積み上げたような上図を見てほしい。

これは、僕がオリジナルで作成した「コンサル式問題解決力の全体像」だ。

縦軸は、脳内での深層度・根幹度を表していて、深いものほど普遍性・汎用性が高い。

これらは完全な上下関係にあり、IQと教養が弱い状態でイシュー/ロジ/クリを鍛えても全く意味が無いし、

イシュー/ロジ/クリが弱い状態で経営理論及びハードスキルを鍛えても全く意味が無い。

つまりこういうこと



では、選考対策として鍛えるべきブロックはどれか?

まず、IQは不可変だし、教養は養成にものすごく時間がかかる(=選考の日がdeadlineという前提においては、これまでの人生で既に確定している)

逆に、浅い層に位置する経営理論とハードスキルは、誰でも習得可能な再現性が高いものであり、選考では全く重視されていない。


故に、下から2層目の「イシュードリブン、ロジカルシンキング、クリティカルシンキングの3つをいかに向上できるか?」が戦コン選考対策のセンターピンになる。



僕自身、イシュードリブン、ロジカルシンキング、クリティカルシンキングの3つは、後天的に大きく高めた実感がある。

オファーをいただいた大学3年生の時の僕は、論点という言葉の意味を知らなかったし、ロジックツリーとイシューツリーを全く同義のものだと思っていた。

構造化の速度も精度も、言語化能力も、あらゆる能力が今よりかなり低かった。

では、それらの能力をどうやって高めてきたかと言うと、

インプット
→多読と思索を経て得た体系的な理解
アウトプット

→良質なFBがもらえる環境での実践

の両輪で高めてきた。

冒頭部の繰り返しになるが、あなたの体系的な理解をサポートすることが本記事の目的である。


<目次>
1. イシュードリブン
2. ロジカルシンキング
3. クリティカルシンキング
4. 経営理論


3-2-1. イシュードリブン


まず、イシュードリブンに関する重要な言葉の定義を明確化する。

これは、ググっても出てこない。(というか、ググって上位表示されるものは、解像度が低いライターが書いたとしか思えない。)

論点:ある問題を解くために分解されたその問題よりも小さな"問い"

仮説:ある論点に対する"仮の答え"
(あるいは「いくつかの事実を統合的に説明する見解」という定義もあるが、practicalにはいったん忘れていい)

イシュー:論点の中で、特にイシュー度(=解けた時のインパクトと解ける可能性)が高い"問い"

論点思考:問題を論点に分解するにあたり、一番下の論点が、強い論拠つまり明確なファクトを伴って答えを出せる状態になるまで論点を分解する"思考スタイル"

仮説思考:論点に対して答えを出すにあたり、網羅的に1から10まで調べてからそれを基に考えるのではなく、まず仮の答え(=仮説)と論拠を作って、それが正しいか?を調べて、findingに応じて柔軟に仮説を進化させて答えに近づいていく"思考スタイル"

イシュードリブン:イシューの特定とイシューに答えを出すことを最優先する"思考スタイル"

つまり、イシュードリブンとは、要素分解すれば

論点思考×仮説思考×本質至上主義(=イシュー度重視スタイル)


のことである。


この定義は、初めて聞いてもイマイチはっきりしないと思うが、非常に重要なので、適宜読み返して理解度を高めてほしい。

上記定義を踏まえ、レベル2の時と同様、イシュードリブンをやっている具体例で解説をしていく。

実務で書くホワイトボードのイメージ


上図を見てほしい。

これは、「XX市場に属す△△社を買収すべきか?」というBDDをイメージして作った。

ジョブ選考やコンサル実務のディスカッションの時にホワイトボードに書く内容イメージだ。

(余談だが、この論点はBDDの中でもPEファンドが意思決定者の場合を念頭に置いている。「事業会社 or VC or 個人投資家が意思決定者の場合はどうなるか?」はぜひ自分で考えてみてほしい。)

コンサルの問題解決は常に、論点を設計し、初期仮説と論拠を出し、それらを検証する過程で仮説と論点が進化する、という一連のサイクルを高速で回す。

僕がジョブに参加したときはそんなこと知らなかったので、真ん中の仮説だけホワイトボードに書いてディスカッションをする、というのを素でやっていた。

だが、知ってるならば、論点と検証アプローチも明文化しながら、マトリクスに整理してやったほうが絶対に良い。


ホワイトボードの論点の部分をツリーにしたもの


また、この事例を使って、イシューツリーについても解説したい。

「論点を分解する」とはビジュアル化すると、上図のことである。

全ての論点が疑問系で文末に?があることに注目してほしい。

先述した通り、論点は問いなので、必ず疑問系である。

就活生がよくやる誤用は「市場という論点について検討したいんですけど、」みたいな発言だ。

市場は論点ではなくただの要素だ。(例. 売上=市場規模×シェア、3C=市場、自社、競合)

「〇〇市場に参入すべきか?」などの問いになってはじめて論点と言える。

ちなみに、僕が就活生の時は、ロジックツリーイシューツリーを混同していたが、これらは明確に異なる。

また、アサーションツリー(←要は構造化)というものも重要なので、ついでにここで明確化する。

(※アサーションツリーは、イシュードリブンではなくロジカルシンキングに属す)


ロジックツリー(要素分解)


ロジックツリー(Why/What/How)


アサーションツリー


上図の通りだ。

つまり、以下の整理となる。

ロジックツリー
=分解した何かしらの事象を階層ごとにグループ分けしたもの

イシューツリー
=大論点を解くために、答えが出せる/出しやすい中論点、小論点に分解したもの達を階層構造に整理したもの

アサーションツリー
=イシューツリーに対する答えを同じく階層構造に整理したもの

ロジック(論理)という単語の語義は「言葉と言葉の関係性」なので、ロジックツリーは広義な概念であり、イシューツリーとアサーションツリーはロジックツリーに包含されていると言える。

特に、アサーションツリーは明確にWhy?ツリーの一つだ。

ただ、結果と原因のWhyと主張と論拠のWhyは、同じくWhy?の関係に分類されてはいるが全く異なるものであり、アサーションツリーは、後者の主張と論拠の関係を指す。

また、問題解決において思考とデリバリーは別物であり、
デリバリーの能力=アサーションツリーをいかに使いこなせているか?
である。

思考では、空雨傘の順に分析し、
デリバリーでは、傘雨空の順に分析結果を話す。



ここまでがコンセプチュアルなイシュードリブンの解説だ。


この後は、このnoteの内容を念頭に置きつつ、イシュードリブンについて解説した書籍を副読本として繰り返し繰り返し読み込んでほしい。

安宅さんの「イシューから始めよ」が代表的だが、当然に僕より遥か格上雲の上の方の素晴らしい言語化なので、副読本というのは、あくまで、戦コンの選考対策を至上目的とした時の話だ。

だが、インプットにかける労力が10だとしたら、アウトプットには1000の労力をかけてほしいと思うくらいには、アウトプットをしないとイシュードリブンができるようには絶対にならない。

読んでたらとても簡単に見えるが、実際に自分でやるとなるとマジでできない。


論点の分解が特にできない。(仮説思考もできない就活生が大半であるが、論点の分解はMBB内定者でもあんま出来てないことが多い)

具体的にどう出来てないかと言うと、

①論点に対して仮説が具体的すぎる(つまり、論点を分解してない)
②分解しているものの、分解軸が教科書的すぎて機能してない

だいたいこの2つのどちらかだ。

これはコンサルタントの中核的な能力なので、質の高いFBをもらう環境を就活生の時点で買ってしまうのはかなり賢いと思う。

成長には複利が利くので、投資が早ければ早いほど雪だるま式にリターンが大きくなるからだ。

とりあえずは内定することが足元の目標にはなるが、内定した先でパフォームすることも視野に入れた方が当然強い。

具体的には、Prismというサービスか、STRATEGY : BOOTCAMPというサービスを推奨する。

2~30万(新卒の場合)という金額はぱっと見高く見えるだろうが、こういったサービスは、内定者ではなく身分をきちんと明かした社会人の元戦コンの人間が責任を持ってやっているところが望ましい。

Prismは、質の高いイシューツリーを扱えるようになる上で非常に良い訓練になる競技ディベートをたくさんできるのと、体系的なカリキュラムと、MBBの内定者に教われるのが良さだ。

STRATEGY : BOOTCAMPは、メンタリングの回数こそ少ないが、内定者ではなく確実に元戦コンの社会人に教えてもらえるのが良さだ。

そもそも、どの支援サービスであろうが、戦コンに内定した場合のリターンを考えれば、数十万の投資は充分すぎるほどにROIが高い。

30歳時点平均年収が800万円程度の東大に入るために数百万も投資するのは常識なのに、30歳時点年収の期待値が2000万を絶対に下回らない新卒戦コン入社に数十万すら払わないという投資観は、個人的に不思議だ。


ちなみに、赤羽が就活生の時は、Prism代表の郷中さんに重課金してケース指導をしてもらっていた。

(当時はまだ彼はPrismを創業していなかったので、体系的なカリキュラムに沿うというよりその場その場の競技ディベートに近い形式だった)


【イシュードリブンに関する書籍紹介】

推薦書籍について話す。
ここで書評まですると冗長になるので、紹介にとどめる。

まず、元BCGの内田さんが執筆された、論点思考/仮説思考は、王道の対策本だが、個人的にはそれほど良い内容だとは思わない。

どちらも大衆向けにあえて浅く分かりやすく書かれていると感じる。

佐藤さんの「問題解決入門」がおすすめだ。

他も含め、推薦書籍をおすすめ度が高い順に並べた。
時間の許す限り熟読してほしい。

https://www.amazon.co.jp/dp/4041041414



また、アナロジー思考の本質を楽しく学べる神動画がこちら。



森岡さんのUSJのやつをより客観的に解説した神動画がこちら。


3-2-2. ロジカルシンキング


【演繹と帰納】

有名な話だが、論理とは演繹と帰納の2つを指す。これら以外は存在しない。

演繹から解説していく。


演繹的論証

まず、演繹を図示すると上記になる。

「前提」を"複数"置き、それらを組み合わせて「結論」に至るその処理過程を「導出」と言う。

つまり、演繹の結論が間違いとなる場合、前提と導出のどちらかあるいは両方が間違っている。

例えば、以下2つの例について、結論が間違っている可能性を考えてみてほしい。

例1
A社は〇〇市場に属す
〇〇市場は成長市場である
故に、A社は成長市場に属す

例2
A社の東京支社にはコンプラ違反の社員がいる。コンプラ違反の社員は一般的に倫理観が欠如しており、SNS等で A社のレピュテーションを毀損するリスクがある。しかし、A社にはコンプラ違反の社員に関するリスク以外のリスクは存在しない。故に、東京支社を売却すれば、A社は安全だ。



どうだろうか?

間違いの可能性に気づけただろうか?

解答例を示す。

まず、例1は、「導出は正しいが前提が間違ってる可能性がある例」で、

例2は、「導出が間違ってるので仮に前提が正しかったとしても確実に間違ってる例」だ。

例1の解答例

「A社は○○市場に属す」について、例えば、A社はコンサルティング業界に属しているが、利益の9割がファンド事業として株式を保有するペット保険会社によるものなので、実態としてはペット保険市場に属しているかもしれないし、

「○○市場が成長している」は、信頼性の低い出典を引用してしまっていたり、そもそも調査会社の市場の定義が間違っていて、実は成長していないかもしれない。

例2の解答例

コンプラ違反社員が東京支社以外の支社にもいるかもしれない。

(↑前提の疑わしさはいろいろ考えられるが、ここでは導出の間違いのみ記載)


戦コンの選考において求められる水準は、

前提の正確度:面白い結論なら50%以上、普通の結論なら80%以上
導出の正確度:常に100%

だと思う。

あくまで僕の体感だが、戦コン就活生のこれらの数値の中央値は

前提:50、60
導出:70

といった感じだ。
(面白い結論の場合、演繹処理よりも、そもそも面白い結論を思いつかないことが課題)

現時点で求められる水準に達してない場合、選考までには必ず到達させよう。

鍛え方としては、競技ディベートをやるのが最もおすすめだ。

相手は、自分と同レベルの人ではなく、自分より明らかに演繹処理に強い人とやってボコされてFBをもらわなければ、高い成長角度は期待できない。


次に、帰納について解説する。

帰納とは、複数の事象の共通点を発見し、新たな一般法則を結論として見出すこと、だ。

この操作で共通点でないものを共通点とみなしてしまうというミスをする人はまあいないだろう。

どちらかといえば、共通点を発見する能力に伸び代がある。

これは仮説思考とも被る能力で、すなわちアナロジー思考である。

一般法則を具体事象に適用するのが演繹で、具体事象から一般法則を生み出すのが帰納、だと理解しておけばよい。

また、演繹、帰納に続く第三の論理的推論としてアブダクションというものがある。

正直僕も深くは理解できていないのだが、要は「論理的な発散法」を指しているらしい。

演繹は示唆が大前提と小前提の外側に飛び出すことは無いし、

帰納も観察事項に共通点を見出す操作なので、

要はどちらも「収束」なのだ。

ただ、実際の知的生産活動では、「収束」の前に「発散」があるはずで、それは「直感/閃き/ブレスト」などと一般的に表現されている。

その「直感/閃き/ブレスト」という行為も完全な無秩序ではなく、何かしらの規則・法則があるはずだとして、論理化、システム化したものが「アブダクション」である。(ソクラテスが考えたらしい)

アブダクションを学習する優先度は全然低いので、余裕があったらでいいと思う。



【コラム】「思考」をどう言語化するか

アナロジー思考がまるで仮説思考とロジカルシンキングの下位概念であるかのように僕は書いているが、見方を変えれば上下関係は逆である。

思考を極度に抽象化すると、

素材とアナロジー

の2つしか存在しない。無から有が生まれることはありえないからだ。

また、以下のように「思考」を言語化することもできる。

知覚→直感/閃き→演繹処理→帰納処理→反証

こちらは、問題解決に活かすというより、真理を解き明かすことそのものを目的とした時に有用な哲学と親和性の高いフレームだ。

→演繹処理→帰納処理→反証

の言語化は非常に進んでいて、ポパー等の哲学者が優れた功績を残している。

一方で、

知覚→直感/閃き

の言語化には誰も成功していない超難問の科学的特大イシューで、ロジャー・ペンローズの量子脳理論などが、傍証レベルだが、有力視されている。

何が言いたいかというと、

イシュードリブン→ロジカルシンキング→クリティカルシンキング

という僕がこの記事で設定したフレームは、コンサル実務/選考対策を前提としており、目的が違えば適切なフレーミングも変わってくるということだ。

また、どんなに多読をして優れた言語化に触れようとそれだけでは不十分で、自分で悩み考え抜く過程でしか、現場で使える思考力は強化されない、ということをここで改めて強調したい。





【ロジックツリー(ドライバー分解)とアサーションツリー(構造化)】

次に、ツリー構造について解説する。

前述した演繹と帰納よりも、こちらの方が抽象度が低く具体的で、実践的だ。

まず、イシュードリブンの章の図を再掲する。

ロジックツリー(要素分解)
ロジックツリー(Why/What/How)


アサーションツリー


上図の通りだ。

ロジックツリーは簡単で、わざわざ解説するほどのことでもない。
practicalには、フェルミ推定ができるようになれば充分だ。


アサーションツリーについて話す。

アサーションツリーは訓練が必要で、僕も日々の実務で議事録のTakeawayを高速抽出する際に頑張って書いているが、まだまだ成長途上だ。

お互い頑張ろう。

アサーションツリーには大きく2つのルールがある。

①縦の関係:主張⇆論拠(Why so?⇆So what?) or 骨子⇆肉付け(抽象⇆具体)の関係になっている
②横の関係:粒度と属性が全く同じである

これらを常に遵守するのは、簡単なようで難しい。

縦の関係が特に難しい。

縦の関係のルールを言い換えると、「下層のメッセージは常に1つ上の層のメッセージをサポートするものでなければならない」ということだ。

""サポートするもの""だ。"'論理的に関連するもの""ではない。(関連すればなんでもいいというわけではない)

以下でダメな例を示す。


【ダメな例】

✔︎縦がダメ

・A社は××市場に進出すべき
ーB社を買収して進出すべき
ー××市場の他には△△市場も候補である

「こんなきもちわるいミスしないよ」と思った方もいるだろうが、就活生の9割はこのレベルのミスを頻発している。

1つ目は、WhatとHowの関係なのでメインビュレットと同レイヤー

2つ目は、××市場が選択肢というユニバースの一部なのでどちらかといえばむしろ上位レイヤー

(尚、レイヤー上下の定義は文脈依存だが、ここではアサーションツリーを作る場合を前提とする。)

✔︎横がダメ

・A社は××市場に進出すべき
ー××市場が魅力的だから
ー××市場には強い競合がいないから

これはどちらも論拠を述べていて、縦の関係は合っているが、粒度が合っていない。

次に、合ってる例を示す。

【合ってる例】

✔︎主張と論拠

・A社は××市場に進出すべきだ
ー××市場が魅力的だから
ー××市場で勝てそうだから

✔︎骨子と肉付け

・Aさんの言う「合意内容」がBさんの想定するそれとアクションレベルではズレていた
ー××市場が魅力的であるとは言ったが△△市場から撤退すべきとは言っていない
ー売上の目標額を引き上げるとは言ったが営業人員を増やすべきとは言っていない




簡素な例を使ったので楽勝に見えるであろうが、

徒然なるままに思いの丈を述べてくるクライアントの主張を理解し、完璧に構造化された議事録のTakeawayを書くのは思いの外むずかしい。


出来るようになるためには、これも演習以外無い。

家で簡単にできるエクササイズとしては、日経新聞の記事や本の内容を要約、アサーションツリー化してみる等が良いと思う。

また、選考本番ではタイムプレッシャーが重いので、そのために負荷をかけるという意味では、やはり競技ディベートが最適だ。




【フロー構造、循環構造】

言いたいことはシンプルで、

ツリー構造
→論理関係を分かりやすくビジュアル化する上で世界一汎用性の高い構造。しかし、静的なものしか扱えず、時間軸や相互作用などの動的な関係性は落とし込めない
フロー構造、循環構造
→ツリー構造より汎用性は劣るが、動的な関係性もうまく表現できる。

これだけだ。

ツリー構造が正しく扱えれば戦コン選考では充分に高評価だが、ツリー構造にも限界があることは覚えておくとよいだろう。



これは、ベゾスがレシートの裏に書いたとされている循環構造だ。

日本語で説明すると、まず優れた顧客体験を提供する→トラフィックが増える→出品したい企業が増える→商品の種類が充実する→さらに優れた顧客体験が提供できるようになる→トラフィックが、、という好循環1

好循環1で企業として成長する→規模の経済とマージン交渉力の向上で低コスト構造に→低価格でサービスが提供できる→さらに優れた顧客体験が提供できるようになる、、といった好循環2

という2つの好循環を分かりやすくビジュアル化している。

これをツリー構造でやるのは不可能だ。

ただ、当然に難度が高く、僕もまだこんなすごいことは全くできない。。

(フロー構造は簡単)



【大前研一先生の考えに対する赤羽の解釈】

大前研一著「企業参謀」より引用


赤羽解釈


めちゃくちゃ余談だが、企業参謀で大前研一先生がおっしゃっていることをリフレーミングすると、上記図になるのではないかと思っている。
(アサーションツリーは伝達ツールであり思考ツールではない)

要は、「静的にMECEにロジカルに分解/整理しただけでは、当たり前のことしか出てきませんよ、イシューから始めましょ、動的なものをちゃんと動的なまま扱いましょ」ってことではないか?と思う。


【推薦書籍】

イシュードリブンの時と同じく推薦書籍を紹介する。おすすめ度が高い順だ。


バーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」は、とりあえず入門編だけでいい。

なぜなら、読解が難しく、実務と並行して読んで初めて良さが分かるような本だからだ。

自信がある人はいきなり読んでみてもいいと思う。


3-2-3. クリティカルシンキング


例によって語義の確認から入る。

Critical=批判的な、批評的な、懐疑的な

という言葉の通り、「クリティカルシンキング」とは、俯瞰的な視点から正しさを疑い、客観的に正しい結論へと至る思考力のことである。

金槌を使うのが上手いと全ての問題が釘に見えてくる

出典:忘れた

有名な言葉だ。

イシュードリブンやロジカルシンキングといったコンサルの問題解決ツール、あるいはアカデミックな経営理論やファイナンス理論といったものが金槌に該当する。

釘に見えやすくなっている自分をいかにメタ認知できるか?がクリティカルシンキングであるとも言える。

クリティカルシンキングができている具体例を示す。

「あるコンサルティングファームA社が過去10年の間に支援したクライアントはの平均企業価値成長率は、市場全体の上場企業の企業価値成長率の4倍だった。故に、A社の支援はクライアントの企業価値向上に大きく貢献してきたと言える。」

という主張があったとする。これに対して、

「それを因果関係だと断定するのは間違っていると考える。なぜなら、A社への高いフィーを払う余裕のある儲かっている会社は、業界内のシェアが高く、自然に成長する可能性が高いからだ。例えば、10年前時点でのROICと売上高成長率が近い水準の会社のみを集めてセレクションバイアスをなるべく減らしてから算出すべきではないだろうか?」

と考えるのが、クリティカルシンキングの一例だ。

この程度のクリティカルシンキングなら割と誰でもできるが、例えば、パラダイムの変化に気づき、今までのゲームルールの延長で考えない、といったクリティカルシンキングは非常に難しい

ベイカレントが大躍進を遂げ、DIの業績が全く振るわない未来を予測できたコンサル業界人が何人いただろうか?


どんなに強い論拠に支えられた仮説でも常に反証可能性にさらされていることを自覚し、

視野を広げ、枠外から物事を考える姿勢が重要だ。

ただ、イシュードリブンとロジカルシンキングに比べると優先度はかなり低いので、戦コン対策としてはいったん無視でいいと思う。

推薦書籍を挙げるとしたら、個人的にショーペンハウアーの「遺志と表象としての世界」を推したい。


3-2-4. 経営理論(≒MBAで習うこと)


グロービスの教科書でも買って読みましょう。

以上。


(↑ご参考)


4. まとめ


いろいろ書いたが、結局1番大事なのはマインドセットだ。

気合い、根性、パワー。


人生で1度しか無い就活、悔いのないよう心を燃やすことを推奨する。


また、僕はまだ1つしかPJを経験していないが、戦略コンサルはとても社会的意義のあることをしていると感じた。

知的好奇心と熱意のある学生さんにぜひ入社していただきたいと、1社員として強く思う。



愛を込めて。

赤羽

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