見出し画像

読書感想 中島らも 今夜、すべてのバーで

 You Tubeチャンネル「世界一のゆっけ」で紹介されていました。Kindle Unlimitedで読み放題になっていたので拝読しました。


ライターをやっている男性が、アルコール性肝炎になり、入院する物語です。
ほぼ作者の実体験みたいで、肝障害の症状や、病院の様子(少し古いけど)がとてもリアルに描写されています。特に、アルコール依存症の方の心理描写が薄気味悪いくらいリアルです。リアルなんだけども、淡々と書かれているもんだから、余計に薄気味悪い印象を受けます。しかしこの方は、離脱症状による皮膚に虫がはったりするような幻覚はなかったみたいなので、それほど強烈な苦痛は描かれていません。

依存症は、それがないと自分を保てなくなって発症しちゃうんですかね……

私も昔は嫌なことがあると大酒を飲んでいたので、気持ちはわかるんですよ。現実逃避したいとき、お酒を飲めば簡単にいい気分になれますもんね。

どちらかというと、
「ビビデバビデブー」が「酒が飲めるぞ〜」
にしか聴こえない部類の人間でした。

お酒は、刹那の強力な快楽(多幸感を得られ、孤独感や不安感を忘れられる)
を簡単に得られるというメリットはありますが、デメリットもありますよね。
太るとか、むくむとか、肌荒れするとか。あとわかりやすく胃腸の調子が悪くなります。

私の場合はデメリットを考えてお酒は家では飲みません。楽しく飲める会食のときだけにしています。本当は飲みたいけど……笑
でも、依存症になる方は不可抗力なんですよね。

私は体が丈夫な方ではないので、胃腸に負担のかかる現実逃避は出来ないです。それが幸いして、読書とか、ダンスとか、サウナとか、そのへんを叫びながら走るとか、
比較的健康に良い現実逃避を行ってます。


人生何がさいわいして何がわざわいするか
本当にわからないと思うのです。
例えば、癌などの死を意識する病気になったとして。
癌になったことは残念ですが、それがきっかけで生活習慣が180度変わる方をたくさん見てきました。暴飲暴食、飲酒、喫煙、夜型生活をやめて、ボランティアまで始める方もいました。それによって、長生きする方もいるのです。

逆に、体が頑丈なために無理をして病気になったり、怪我をする方もたくさんいます。

看護師をやっていて、「いつ死んでもいい」と豪語し自暴自棄になっている方をたくさん見てきました。
しかしそういう方達でも、
やっぱり痛くて苦しくなると病院にくるのです。人間は、自分の意志で死のうと思っても、そう簡単には死ねないものだと私は思うのです。

 健康な体は、両親、ご先祖さま、ひいては神様が与えて下さっだ最高のプレゼントだと思います。決して自らそれを粗末にしてはいけないと思うのです。

私は今まで随分と自分の心と体を粗末にしてきたので、残りの人生を大切にあつかっていきたいと思います。





この記事が参加している募集

#読書感想文

190,781件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?