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渡邉有
2023年12月18日 14:12
※この作品は夏目漱石の「永日小品」の中の「蛇」の二次創作です。 僕は時々瞼の裏に焰が見える。目を閉じると、朱とも橙ともつかない火影が絶えず揺らめいている。その焰はちっとも熱くない。幻想的な色彩を帯びながら、静かに、規則的に、冷酷に、揺らめいている。 これは一体何なのだろう。 僕の眼底に刻まれたその焰は、間違いなく僕に何かを告げている。次はお前の番だと警告している。僕はその焰の色彩を感じる