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【読書感想】言葉を「武器」にする技術

作者 :髙橋健太郎
発売日:2017年6月


作者経歴

横浜生まれの作家。漢文学を専門としている。言葉の使い方や読み解き方を中心に研究、執筆活動を行っている。


説得すべきキーパーソンを見極める

例えば、会議の場当たりは議長や、決議権を持っている人物。ネット上の議論であれば、相手では無く、それを見ている不特定多数のネットユーザーである。


説得は論理的に

説得する際は

  • 根拠があること。

  • 根拠と結論を結ぶ論理が正しいこと。

を意識する。また、根拠は相手が認める根拠でないといけない。例えば、「A社の売上は倍増している」という根拠を示したとしても、相手が倍増していないと思っていれば理解は得られない。


8つの説得パターン

  1. 同等論法

  2. なおさら論法

  3. 反対論法

  4. グループ論法

  5. 結果論法

  6. 原因論法

  7. 分割論法

  8. 証言、証拠論法

パターン①
「Aがこうだから、Bもこうしてください。」という、同事例を引き合いに出し説得する方法。
パターン②
「前回は予算100万円で達成出来たから、それより小さいプロジェクトである今回は80万円で達成可能だ」のような、大小比較を用いて説得する方法。
パターン③
「A社が成功しているのは量より質を重視しているから。逆行する施策は得策ではない。」というように、反対の例を出し説得する方法。
パターン④
「Aは〇〇のグループに所属しているのだから、同じグループに所属しているBも同じように扱われるべき」というように、同グループの事例を出し説得する方法。
パターン⑤
「お腹をこわしたのは、食べたものが悪かったから」のように、原因と結果の因果関係を紐づけて
説得する方法。
パターン⑥
パターン⑤は『結果→原因』だったのに対し、『原因→結果』で伝える方法。例「売り方が悪かったから、利益が出なかった」
パターン⑦
「この原因は、A、B、Cに分割できる。それぞれの原因は、〇〇の方法で解決出来るから安全である。」というように、細分化して原因と結果を唱える方法。
パターン⑧
「専門家が辞めておけと言っている」等、その中身が正しくは無かったとしても、正しいと思い込ませる要素によって、説得力を持たせる方法。


説得を成功させるには、人に好かれること

論理的に、とは反することだが、誰でも好きな人の言うことは聞き、嫌いな人の言うことは聞きたくないものである。好かれるためには、

  1. 功績

  2. 評判

  3. 品格

が必要である。功績、評判は実績が無いと得られないが、品格は立ち居振る舞いで得られるため、まずはここに注力すべきである。


論理で負けそうな時は感情に訴えかける

  1. 聞き手の利益になることを強調する。

  2. 立派な人、弱い人、かわいそうな人のためであることを強調する。

  3. 自分の利益にはならないことを強調する。

この3点を意識し、聞き手には自分に愛を持ってもらい、相手を憎むように煽動する。


嫉妬心を煽れ

  1. ターゲットの幸福が能力によるものではないことを強調する。

  2. ターゲットの幸福が不当な手段で得られたものだと強調する。

  3. 幸福なターゲットが聞き手を見下していることを強調する。

これにより、聞き手を煽動していく。
人は自分と同等か、下の人間に嫉妬を抱く傾向が強い。その社会的なな地位を引きずり下ろすベクトルを生み出すのに最も有効な手段である。


不利な話題からは逃げ続けろ

根拠、論理、こちらより強い説得の3種に分類される。逃げる場合は、悟られないように戦っているかのように逃げるのがポイントである。
一例として、「議論自体が馬鹿馬鹿しい」と論議を拒否する、「それより重要なことがある」とはぐらかす、細かいミスを指摘して揚げ足をとる等がある。


感想

最後に、説得とは、相手のことを知り、相手の思考に合わせた手法で行うもの。つまり、常に相手のことを考えること、引いては、周りの人間に興味、関心を抱くことと書いてありました。

私は、どちらかと言うと他人に興味を持てない方なので、改めて自分の課題を再認識させられました。

具体的手法についても、普段から無意識的に行なっているものもあれば、なるほどと思えるものもあったため、これから活かしていけそうです。

特に、テレビ等で討論している場面や、政治家からの言葉遣いには、今までとは違って視点で見ることができ、『真意や言葉に込められた思惑』についてはしっかりと認識した上で、情報を受け取ることが出来るようになると思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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