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一概には言えないけれど①

何でも例外はあるので、一概には言えないけれど、大きく・ざっくりとした傾向ってのはあると思う。


私が思うのは、”顔にはその人の人生が現れる”んじゃないかと思う。
もちろん、例外があるので、みんながみんなそうとは限らないけれど。

「人は見た目が9割」という本が以前ベストセラーになったように、人は往々に見た目で判断することが多い。

例えば総武線のように横並びの長い椅子の電車で、真向いの席に座っている人々の顔を見た時に、勝手にこんな人かなぁなんて想像したりする。

特に自分がアラフィフだからか、”しわ”の寄り方で、その人がどんな人なのか想像してしまう。(男性でも女性でもね)

いわゆる「笑い皺」っていうのかな、目じりや口元に、笑った時に出るしわが多いと、(この人はいつも楽しく、たくさん笑ってきた人なのかな~)と思うし、
眉間やおでこにしわが多いと(特にこれは男性に多い💦)、(難しい仕事ばかりしているのかしら?それとも怒りっぽい人なのかな?)
などと、色々想像してしまう。

決めつけは良くないけれど、そのしわの場所が濃いということは、それだけたくさんそこを寄せて来た?訳でしょ。
だからそういう理由があって、そのしわが目立つようになるのではないかと思う。


私は幼稚園の時に、担任の先生に
「こまちゃん、そんなお顔してたら大きくなってここにしわが出来ちゃうよ」
と、何度か言われたことがある。

先生の言う、「そんなお顔」というのは、「困った顔」のことで、そして「ここ」と先生が指さしてたのは「眉間」のことだ。
私は、無意識によく「困った顔」をして、眉間にしわが寄っていたのだ。


小さなころの写真を見ると、結構な確率で、笑うというよりは、口を真一文字に結んで眉間にしわの寄った「困った顔」で写っていることが多い。

小さなころから、長女として厳しく育てられたので、普段から何か怒られる原因を作っていないか、考えてばかりだったから。

なので、”笑いじわ”の多い人を見ると、羨ましくなってしまう。
私もそんな風になりたかった。
今の私は、その幼稚園の先生の予言通り、何もしなくても・何か嫌なことがあった訳じゃなくても、眉間にしわが寄って不機嫌そうな顔をしている。

だから黙っていると(本人は普通なんだけれど)怒ってる?とか機嫌悪い?とか聞かれてしまう。
普通だってば。笑


子供の頃、笑い声をあげると「うるさい!」と叱られていたので、出来るだけ笑わないようにするから、無表情になってしまった。😑
だからか?そういう意味では、顔全体にはしわは少ない。

多分、同年代では少ない方だろう。
機嫌よく笑っていたりすると、若く見られる。
いつも笑ってないけど。😂

でもね、これは環境と言うより、私の性格なんだと思う。
だって同じ環境で育ったけど、妹はそんなことないから。
生まれつき、いつもニコニコしている。


19歳の時に、村上春樹の「ノルウェイの森」を読んだ。
あんなに淡々とした、静かに進む話なのに、衝撃的だった。

その中で、(上巻の171ページ)主人公が好きな女の子に会いに行った先で、レイコさんという女性が登場するシーンがあるのだけれど、そこでレイコさんの”しわ”について、細かく描写されていて、しわとはこういうものなのか、と初めて知った。

とても不思議な感じのする女性だった。顔にはずいぶんたくさんしわがあって、それがまず目につくのだけれど、しかしそのせいで老けて見えるというわけではなく、かえって逆に年齢を超越した若々しさのようなものがしわによって強調されていた。そのしわはまるで生まれたときからそこにあったんだといわんばかりに彼女の顔によく馴染んでいた。彼女が笑うとしわも一緒に笑い、彼女がむずかしい顔をするとしわも一緒にむずかしい顔をした。
笑いもむずかしい顔もしない時はしわはどことなく皮肉っぽくそして温かく顔いっぱいにちらばっていた。

村上春樹著「ノルウェイの森」より


まだ19歳だった私は、年齢を重ねて、しわがだんだんと増えて行く先には、こんな風に他の人に思われるような顔になると良いなぁとおぼろげに思ったものだ。

しかしだ。
結局は、私の持論どおり、あまり笑わず困った顔ばかりしていたのがわかる、そのままの顔になってしまった。

これからの人生の後半戦、たくさん笑って眉間のしわが笑いじわで覆われてしまえばいいのに、と思う。







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