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本との出会い

本との出会いは宝物探しのようなモノだと思う。
どんな素敵な宝石に出会うか?
初めは親や学校から与えられることが多いかもしれない。たくさんの本が身近にあれば本が好きになるとは限らない。始めは本を読めと言っていた親も本の虫が誕生するといい加減にしなさいと言う。子育ての時、子供が自ら読みたいと言った本は必ず買った。自ら選ぶことが大切だと思う。良書と呼ばれる本もあり、悪書と呼ばれる本もある。悪書?を手に取ると人はそんな本を読んではいけないと言う。
本が手元からなくなっても一度体に取り込んだ感動は自分の血となり肉となる。栄養になるものだけでなくちょっと毒も必要でしょう。
本を読むと心の中に宝石ができる。
自分の宝石箱に大事にしまった宝石を時々眺めたり手に取ったりできる。
時間と共に輝きを失いただの石になるものもあるかもしれない。
しかし、いつかまた輝き出す時が来るかもしれない。
同じ本を何度も読む方も、たくさんの本を読む方もいるでしょう。
まずは本に出会わなければ始まらない。

私の本との出会いを思い出してみた。

金沢で過ごした幼稚園の頃、祖母の家にあったのは野口英世とシンデレラの絵本だった。何度も何度も読んだ。字が読めたか覚えていないので見ただけかもしれない。今でも絵が浮かんでくる。
大人になって子育てをしながら、自分の子供の時には出会わなかった絵本をたくさん読んだ。子供と一緒に楽しんだ。
ぐりとぐら・ノンタン・しろくまちゃん・はらぺこあおむし・ひとまねこざる・たろうのおでかけ・・・キリがない。

小学校三年生の時、母が小学校の課題図書C.S.ルイス『ライオンと魔女』を買ってくれた。私にと言うわけではないが教育ママだった母は誰かが読むだろうと買ったようだ。
私がはまった。ナルニア国物語シリーズを全巻読んだ。
『朝びらき丸 東の海へ』は小遣いを貯めて買って読んだ。
先日、以前買っておいたブライアン・シブリー『ようこそナルニア国へ』を読みなおした。このシリーズに関しては多くの方が研究したり、感想を述べられている。作者のルイスが生きていた時代背景や宗教観・・様々なことが取り上げられている。
なるほどもう一度読んでみようと今度は時代順に読んでいる。
昔読んだ本を読み直すとがっかりすることも多い。でもナルニア国物語を読んだ時の感動は忘れられない。だだ純粋にワクワクして心が弾んだ記憶が残っている。全巻読んだら感想を書こうか。

小学校の図書室にあった岩波少年少女文庫はほとんど読んだ。講談社・創元社の児童文学全集など1955 年前後から多くの子供向けの文学全集が出された。私が小学生になった時これらの本が並んでいたのだ。今でも多くの読者が読んでいる本だ。こんな本も見つけた。

中学・高校は神田の本屋街に近かった。学校帰りに寄り道をする時は生徒手帳に親のハンコがいる。バスを待つふりをして古本屋を回った。途中で会った先生は気をつけて帰れよと言う。無届だと分かっていたと思う。
色々読んだ。明治の文豪、私小説、恋愛小説、外国文学・・・
書泉グランデで本を買って「しおり」をもらった。
時代小説が好きになり司馬遼太郎の『坂の上の雲』が平積みにされた時、小遣い貯めた。
時代小説は女子供が読むものじゃないと豪語するおじさんがいた時代だ。

図書館通いが増えてもっと色々読めるようになった。幕末明治にかけての写真集を見て古い写真が好きになった。スフィンクスの前で袴姿の侍たちが写った写真を見て、いつかエジプトに行くぞと思った。あれから何十年経ったか??数年前にエジプトへ行ってピラミッドを見てスフィンクスの前で写真を撮った。

スフインクスは意外と小さい

大学は理科系なので勉強とは関係なく好きな本を読んだ。時代小説は沢山読んだ。山岡荘八・柴田錬三郎・吉川英治・池波正太郎・藤沢周平・宮部みゆき・・色々読んだので覚えていない。
もちろんその時代の流行作家の本も読んだ。〇〇賞を取るような作品・・・

時代小説ではないが杉浦日奈子『江戸へようこそ』捨てられない本の棚に入っている。同じ棚に平尾道雄『坂本龍馬 海援隊始末記』網野善彦『日本の歴史を読み直す』松浦友久『唐詩 中国詩選(3)』も入っている。

時代小説を読むうちに中国の歴史が知りたいと思うようになっていた。
衝撃を受けたのは宮城谷昌光の中国歴史小説だ。中国の紀元前の話が活き活きと描かれていた。図書館に新刊が入るのを待って夢中になって読んだ。
読み終わっていないのは『三国志』と関連の本だ。リタイアしたらゆっくり読もう。中国にも行ってみたいが香港と台湾にしか行っていない。
ハードボイルドで知られた北方謙三の水滸伝・楊令伝シリーズは楽しかった。「チンギス紀」はまだ読んでいない。北方謙三が70代前半で出筆している。歳が追いついたら読もうと思っている。
吉川英治・陳舜臣・浅田次郎・塚本青史・酒見賢一・・中国歴史小説をしばらく楽しんだ。

21世紀になって通信の大学に入った。仕事しながらレポートを書くのは大変だった。卒業まで図書館で借りたのは参考資料になる本のみ。若い時に学びたかった分野。お金を稼げるようになったら学ぼうと思っていた。とにかく楽しかった。身にはつかなかったが古文書も読んだ。読書とは言えない。

卒業して、さぁ、また本を読むぞと思ったらメガネが離せなくなって・・
ちょっと億劫。
そのうち、大きい文字で書かれた本を手に取る日が来るのだろうか?
この10年、新しく魅せられた本に出会っていない。
読み残している本と思い出の本を読んでおかなければ・・・

まずは本を手に取ってください。
あなたに素敵な出会いが訪れますように!


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