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純米酒の本質に触れる!厳選日本酒コレクション130

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Hey! What's up people~!? 鎌田です。それでは編集者目線で気になった本をあなたにご紹介させていただきたいと思います。

今回はこちら「厳選日本酒手帖 (知ればもっと美味しい!食通の常識) 」です。

本書では酒米の栽培という側面でも記事が割かれており、なかなか本質をついたトピックだったので自分の経験を通して、ご紹介したいと思います。

以前にも農業生産法人を経営していたことは話してきましたが、酒蔵の経営も任されるようになって、山田錦という酒米の栽培にも取り組むことになりました。

やがて日本で最大の栽培面積にまで広がることになりましたが、その傍らで栽培していたのが「五百万石」でした。やはり、マーケティング的にも欲しかったというのがありましたし、シンプルに山田錦とどのような差があるか検証してみたかったのです。

「五百万石」は、現在作付面積第2位で、酒米「山田錦」に首位を譲るまでは長くナンバーワンの名を欲しいままにしていました。最盛期には生産高が五〇〇万石を超えたことを記念して五百万石と名づけられたそうです。

加賀百万石にも使われる「石」でございますが、イシじゃなくてコクと読むんですね。コクってなんだ?といいますと、一石(いっこく)とはその昔、大人一人が一年間に食べる米の量でした。

つまり加賀百万石は一〇〇万人が食べていける国を意味していたわけです。そして一石がとれる田んぼの面積を一反(いったん)と呼ぶんです。農地はこのように一反、さらに大きい単位は一町と呼んでいました。逆い小さな単位は、一畝、一歩といいました。

つまり、2018年度に廃止が決まった減反政策の「反」もここからきておりまして、今なお一〇〇万ヘクタール、つまり一〇〇万町以上の田んぼで米が栽培されていないのです。

これを反数にしたら千万反、つまり一千万人が食べていける面積が遊んでいる計算になるのです。

これはもったいないですね!

ここでちょっと酒を計算してみましょうか。

米(米麹)+水=酵(もろみ)

酵=酒+酒粕

純米酒=米+水-酒粕

純米酒造りだと、米と水から醪を醸造して、醪を搾って酒粕を除くと純米酒の出来上がりです。

つまり、純米酒造りだと、水は米の約1.4倍、「粕歩合」という酒粕の比率は約0.3倍となります。この粕歩合は純米より、純米大吟醸の比率が高くなる傾向にあります。

そこから計算すると、仕込んだ米の約2.5倍の純米酒ができます。これを逆に計算すると、1升の純米酒は1㎏の玄米から造られるのです。これは、70%精米の純米酒だと、仮定しています。

うちのように農薬化学肥料に頼らず慣行農法の倍ほどの間隔を空けて育てる田んぼでは、平均一反あたり六俵 (360㎏)となります。

つまり、純米酒360本分となります。一反は約1,000mだから、360で割ると、純米酒1本造るのに必要な田んぼは約3mになります。

つまり1坪ということで、皆さんにイメージしやすいように表現すると畳で約2畳分です。

それでは減反中の田んぼを活かして純米酒を造った場合は、1升瓶36億本という試算になりまして、これ結構多いような気がしますよね。しかし、日本の成人人口1億人として割れば、1人年間36本で、一日当たりにすると、たったの一合じゃあないか!うーん足りない。

酒税法の改正によって輸出ということなら、新たに醸造免許が申請できるとあって、個人的に新規事業をここ宮崎で考えております。

市街地に近いところは耕作放棄地なんてあるわけもなく、難航しておりますが自宅から三〇分圏内なら、農地を取得して酒米栽培からSAKEを造ってみたいですね。

本書では、そんな純米酒が130種類も紹介されており、数年は愉しめる内容でした。

それではまたお会いしましょう!

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