見出し画像

心に響くお酒の物語『異なる人生、共感の一滴』

『ほろよい読書』(双葉文庫、Kindle版)は、織守きょうや氏、坂井希久子氏、額賀澪氏、原田ひ香氏、柚木麻子氏が執筆した短編小説集です。

お酒をテーマにした人間ドラマを描いており、酒好きな伯母の秘密を探る姪っ子、自宅で果実酒を作るキャリアウーマン、酒蔵を継ぐことに悩む娘、酒のせいで夫に去られた妻、オンライン飲み会に呼ばれるバーテンダーなど、多様なキャラクターが登場します。

この本は、さまざまな人間模様を通じて、人とのコミュニケーション、時間をかけて何かを作る喜び、ストレスの発散方法など、お酒を通して大切にしているものが透けて見える作品集です。

私は、坂井希久子氏と額賀澪氏の話が気に入りましたが、それぞれの物語が持つ深みや感情が響いたのではないでしょうか。

来年の梅酒作りの計画も、この本からのインスピレーションかもしれませんね。

この本からは広い世代の女性に共感を呼びそうな内容であることが伝わってきます。また、自分の「普通」を押し付けるのではなく、相手の「普通」を尊重するというメッセージも、人との関わり方について深い洞察を提示しているようです。

読者が自らの経験や感情を投影しながら読めるのが、この短編集の魅力の一つのようです。

この記事が参加している募集

推薦図書

読書感想文

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!