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コラム/春の野山は宝の山

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耕作放棄地という言葉はよく問題視されますが、私たちにとっては宝の山でした。ある時に山の斜面を買うことになりました。通常、斜面の土地であっても土地というものはそれなりの価格がするものです。

しかし、地主との交渉の結果、移転手続きの費用は私たちが負担するだけで、ほぼ無料で手に入れることができました。地主さんにとっても、山の整理やメンテナンスが必要なことを考えると、このような解決策はメリットがあったようです。

私が移住をした中山間地域では、冬になると雪が積もって農業ができなくなります。しかし、その時には山に入って竹を切り出し、乾燥させることで保存することができます。雪解け後に同じ作業をすると、虫が竹に卵を産み付けるため、寒い時期に行う作業です。竹の端材は畑で燃やし、畑にアルカリ成分を補給することにもつながります。

灰は燃料(木材、石炭、廃棄物など)を燃焼させた際に残る固体物であり、主に無機物で構成されています。この無機物の中には、主に酸化物や炭酸塩が含まれており、これらの成分によって灰はアルカリ性を示すことがあります。

アルカリ性の灰は、土壌改良や建材、石鹸製造などのさまざまな目的に利用されています。土壌改良においては、灰のアルカリ成分が土壌の酸性を中和し、pH値を上昇させることで肥沃な土壌に改善する効果があります。

また、灰はセメントやコンクリートの原料としても使用されることがあります。ただし、灰のアルカリ性はその成分によって異なるため、具体的な利用方法や使用範囲によって適切な灰の種類を選ぶ必要があります。

灰の種類は、主にその発生源や使用用途によって分類されます。以下に一般的な灰の種類をいくつか挙げます。

1.       木材灰(木灰)
木材を燃焼させた際に得られる灰です。主に木の灰から得られる成分で構成されており、カリウムやカルシウムなどの成分を含みます。土壌改良や肥料として利用されることがあります。

2.       石炭灰
石炭を燃焼させた際に得られる灰です。主に石炭の灰から得られる成分で構成されており、シリカやアルミナなどの成分を含みます。セメントやコンクリートの原料として使用されることがあります。

3.       廃棄物灰
廃棄物やごみを燃焼させた際に得られる灰です。廃棄物の種類によって成分は異なりますが、一般的に酸化物や金属成分を含むことがあります。廃棄物処理やリサイクル利用の一環として使用されることがあります。

4.       農業灰
農業において発生する灰です。農作物の残渣や積草を燃焼させた際に得られることがあります。農地の土壌改良や肥料として利用されることがあります。

これらは一般的な灰の種類の一部であり、他にもさまざまな灰の種類が存在します。灰の成分や特性は発生源や使用目的によって異なるため、具体的な利用や取り扱いを検討する際には、適切な灰の種類を選定する必要があります。

この灰が残される過程の焚火というのはただ見つめていたくなるのですが、この火も有効利用できます。竹を適切な大きさにカットして、その竹を燻すことで竹は丈夫になり長持ちするのでイボ竹の代わりになり、通常は高価なものですが、私たちは作業費以外はほぼ無料で入手できました。

1時間で300本のイボ竹が作れるため、少なく見積もっても時給3万円以上の価値があると言えます。農家としては、竹が必要な時期には大量に使用することがありますので、この点で規模拡大に大きな強みとなりました。

通常、資材として購入したイボ竹だと資産になるので管理台帳が必要になってきます。つまり無駄な管理コストが発生するのです。そう考えると竹を使った資材は優秀です。イボ竹ほど長持ちさせるのは難しいですが、折れてしまった竹は畑で燃やせばいいのです。

なお、地域の法規制や規則に従うことも重要です。竹や他の植物の燃焼に関しては、地域の環境保護法や火災予防法などによって制約がある場合があります。地元の自治体や農業関連の機関に相談し、正確な情報と指示を得ることをおすすめします。

私の住んでいた地域では、竹や他の植物を畑で燃やすことに関して特に問題はありませんでした。むしろ、私自身が地域の消防団員として活動していたこともあり、安全に対する意識が高まっていました。

消防団員としての私の役割は、火災予防や火災の鎮火活動など、地域の安全を守るために貢献することでした。竹や他の植物を燃やす場合も、私たちは周囲の安全を確保するために適切な対策を取りました。

例えば、風の強い日や乾燥した季節には、燃焼の制御や監視に特に注意を払いました。また、消火訓練や消防機器のメンテナンスなども積極的に行い、万が一の火災に備える準備をしていました。

地域の皆さんも畑での竹の燃焼について理解があり、安全に配慮しながら行っていました。畑の近隣住民とのコミュニケーションも重視し、事前に周知や連絡を行うことで、安心して作業を進めることができました。

私は消防団員としての活動を通じて、火災のリスクに対する意識や防火対策の重要性を学びました。地域の安全を守るためには、個々の責任と協力が不可欠であり、私たち消防団員の役割も大きいと感じています。

畑での竹の燃焼は地域の文化や状況によって異なる場合がありますので、他の地域で行う場合は地元の法規制や指示に従うことをおすすめします。安全第一の意識を持ちながら、地域の協力と連携を図って作業を行うことが大切です。

また、宝の山という文脈でもう一つ共有したいと思います。

雪が積もるような中山間地において、3月は出荷の端境期であり、売り上げを伸ばすことが難しいという課題に直面しました。しかし、山があることで異なる魅力が存在しました。そこには自然の恵みが豊かに広がっていたのです。

山草と呼ばれる様々な野菜や植物が、私たちの売り上げを助ける存在となりました。これらの作物は、種をまいて育てる手間や管理の必要がほとんどありません。肥料を与えずに自然に成長してくれるのです。そのため、労力や費用をかけずに育てられるこうした作物は、私たちにとって大きな助けとなりました。

里山の保全という行動が、私たちの活動において重要な役割を果たすことを痛感しました。里山を守ることは、自然の恵みを受けるだけでなく、地域の売り上げを支える一翼を担っています。

里山は多様な植物や生物が生息し、生態系の一部として貴重な存在です。その豊かな自然を守り続けることは、私たちの事業の持続性や地域の発展につながるということを改めて感じました。

この経験から、私たちは里山の保全に積極的に取り組むことを決意しました。自然との共生を大切にし、持続可能な農業の実現に向けて努力していきます。山の豊かな資源を活かしながら、地域の食文化や経済に貢献することを目指しています。

このように、山の恵みを生かした作物が私たちの売り上げを助け、里山の保全が重要であることを実感しました。こうした自然と調和しながら地域の発展に寄与する活動はまずます重要になっていくでしょう。

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