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アプリ婚活の辞め時を決めた32歳

絶望のどん底にいた私。
その頃はたしかまだ29歳で、仕事は大好きな事を出来るようにはなっていたけれど、やってもやっても年俸制だから上がらない。分かってはいたがやっぱりモチベーションが上がらない。珍しくボーナスが出たと思えば500円だ。小学生のお小遣いか!!
そんなこんなで、やりがい搾取状態で年収は同世代の人と比べてかなり少なかった。

29歳なんて結構キャリアを積み上げ始めて、部下を持ち始める年代なのに私は・・・・・・でもまあ少ないと言っても、首都圏内で結婚してダブルインカムになれば、それなりにやっていけるじゃんと思っていたし、ぼんやりと「この仕事好きだし、周りの人も良い人だし、この会社にずっと居たいな。結婚して子供が出来ても産休育休も取れるだろうし。」と思っていた私。
その後も、マッチングアプリをやったり休止したり、1対1の婚活ラウンジ?に行ったり同期と街コンに行ったり、緩く活動を続けて色々な人と出会った。

本当に十人十色。
会った瞬間上から下を嘗め回すように見てくる人もいれば、目を全く合わせず歩調を全く合わせない人、住んでいるところを執拗に聞き出そうとしてくる人、声がめちゃくちゃ大きい人、長い間洗ってないような匂いの服を着ている人、息が胃酸臭い人、明らかに愛想笑いをしてくる威圧的な人、写真と別人な人・・・
私はもう人を好きになれないのかもしれない。
帰り道は毎回「休みの日に一日かけて知らない人と会って話して、自分は一体なにやってるんだろう」と虚無感で胸がいっぱいになった。
この地獄はいつまで続くんだろう。もうそろそろ限界になってきた。
自分が将来の為に良かれと思って始めたことなのに、今はもうやりたくなさすぎでもはや地獄。明るい未来が全く見えない沼の底。

私は一人で生きていく覚悟を持たないといけない
この活動にも期限を設けて、きっぱり諦めよう
この先も一人で生きていく可能性が少しでもあるなら、今のうちに対応できる年収の仕事に変えないと、いざその時が来たら詰む。
結婚相談所に入るにしてもお金はもちろん掛かるし、独身を貫くならマンションの一室を買うためのローンを組まないといけない。
どちらにせよ、これからもっとお金がいる。
一時的な実家へ出戻りも視野に入れて、親に交渉しなきゃな・・・・・
あれ、今の部屋の更新月っていつだっけ。

やりがいだけの仕事ではもうだめだ。
大好きでずっとやり続けたいと思っていた仕事を32歳にして辞める決心をした。
未来の私の為に。
将来後悔しない為に。

悟られないように転職活動をして、無事に採用を勝ち取った。
大好きな上司に「話があるのでお時間いただけませんか」と二人で応接室に入る。
ずっと上司の右腕として彼女の力になりたかった。この仕事を教えてくれた彼女に仕事で恩を返したかった。本当は辞めるなんて言いたくない。
そんな思いがあるまま、退職の意を伝えると上司は「ごめんね」と「引き止めたいけれど、私はあなたのお給料を上げてあげられないから何もしてあげられない。ごめんね。」
言葉を選びながら話す上司を見て、私は思わず泣いた。引き止められたかった訳ではない。上司も同じ不満を会社に抱いているのを知りつつも、先に会社を辞めようとしている事の申し訳なさからだ。

辞めると言い出したのは私なのに、私は退職するまで事あるごとに泣いた。
今思えば迷惑な奴だったと思う。

そうして私は半強制的に自分に縛りを作った。
32歳の6月までに、結婚を意識できる人と知り合えなかったら潔くアプリを止めて結婚相談所に入所する。
今の家は更新せず、実家に戻らせてもらって、貯金をしよう。


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