①マッチングアプリで知り合った人を追いかけて一人で海外まで会いに行った話

ザ・無謀である。
今思えばとんだ無鉄砲だ。
因みに、日本国内で一度も相手に会っていない。驚愕。
良い子は絶対に真似してはいけない。
なぜ行こうと思ったのか・行く前までどうしてたのか・行ってどうだったのかを、少しずつまとめようと思う。

マッチングアプリを始めて男性不信に陥り、いよいよ嫌気が差してきた頃。嫌気が差してきているにも関わらず、良い人がいるのではないかと無意識にアプリをチェックしてしまう。止めたくても止められないアプリ依存症ゾンビみたいな時、ある人の写真に惹かれた。プロフィールを覗くと「仕事の都合で海外に行くため〇月いっぱいで退会します！」と書いてある人で、なんだかとても気になった。〇月いっぱいまであと数日しかない。普通ならその状況の人にはアクションを起こさないのだろうが、私はいいねを押した。同じくらいの歳で海外赴任をしようとしている彼の事を、尊敬と同時に純粋に人柄を知りたいと思ったのだ。

なんと、その人はいいねを返してくれて、私は心底驚いた。
その日から彼とのやり取りが始まった。

彼は、海外赴任に向けて大使館へ行ったり数々の送別会へ顔を出したり、仕事の引継ぎやらで日々忙しそうだったけれど、私へのメッセージは一日たりとも忘れずに返してくれたのだ。
今日は〇〇に行って〇〇の手続きをしたよ。と毎日夜に一回長めのメッセージのやり取りをした。
彼が日本にいる間に、一度でいいから会ってみたいと思ったこともあった。でも、ぽっと出の私に割く時間がもったいないと私自身が思えるほど、日本での残り時間は少なかったから。

私は心のどこかで思ってた。
海外へ行ったら、環境の変化もあるだろうしそもそも時差もかなりあるし、忙しすぎて今のように毎日やりとりすることもなくなって、自然に疎遠になっていくんだろうなって。彼とやりとりするのはあと少しなんだろうな。少し寂しく、そう思っていた。

つづく。