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街の書店を考える③〜書店が街で続くように

書店が減り続ける中、“独立系書店“と呼ばれる街の本屋さんが次々とオープンしている。
魅力あるお店がたくさんあり、出先や旅先に絡めて立ち寄るようにしている。

遠くの旅行ともなると、せっかく来たからと一度に5軒以上回ることもあった。
そして、このことが自分のペースを乱していく一因となる。

私にとって書店は、散歩道みたいなものだ。棚の間を行ったり来たりして、いろいろなことに考えを巡らす。ある程度の時間を要して、買う日もあれば買わない日もある。
以前は多くのお客さんの中の一人だった。だが時代は移り変わり、いよいよ書店に足を運ぶ人が少なくなってくる。

何も買わずに小さな店を出るのは苦手だ。
お店の人はどう思うだろう…。
行ったからにはできれば買って帰りたいが、買いたい本がいつもあるわけではないし、何軒も行くとさすがにきびしい。

ある時、とある本屋さんのSNSを目にする。
「買わずに出ていく」
よほどつらいのだろう。だがそれがとどめだった。

だんだんと本を買うのが義務になった。
なくても文庫や薄い冊子を探す。読書感想文を書かされる子供のようだ。ちゃんと探せば見つけられたのだろうけど、その余裕はなかった。

ボランティアみたいだな。
街の書店を守るボランティアだな。

浮かぶ言葉に息をのんだ。
こんな時代に、信念を持って本屋を開ける人がいる。商売が立ち行かないなら助けてあげないと、という上から目線の考えが、とても失礼に思えて情けなかった。

本の界隈に余裕がなくなっている。
良い方向に向かうためには、書店として生計が成り立つことが大事で、書店を楽しみに行くことが大事なのだ。
昔のように戻らないにしても、方法や仕組みをなんとか再構築できないのだろうか。もしくは、何か新しいカタチはないのだろうか。

書店が街に必要な場所として続いていくことを信じて、気負うことなく自分のやり方で関わり続けていきたい。

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