見出し画像

物語なんて、必要ないと思っていた。

ドラマは観ない、小説は読まないようにしている。

感情移入が激しく、疲れるから。
感情が話の世界に引っ張られて、生活が立ち行かなくなる。
ひとりならば心乱れても支障はないが、今はそういうわけにもいかない。

つくり話なんて、生きるのには必要ない。
現実で精いっぱいだし、日常が乱されるなんて邪魔でしかない。

ただ、朝ドラだけは毎作品観られる。
一日15分と、起伏の緩さが、私にはちょうどいい。

NHKでは、夜にも15分ドラマをしている。
「わたしの一番最悪なともだち」が、舞台が神戸だったことから、夜ドラをなんとなく観だした。

「作りたい女と食べたい女シーズン2」は、世界観が心地よくて、夜10時45分が楽しみになった。

次にはじまるのは「ユーミンストーリーズ」。
心が耐えうるか、恐る恐るだった。

松任谷由実の名曲からインスピレーションを得て、3人の小説家が生み出した3つの物語を元にした、オムニバスドラマだ。

原作か、脚本か、監督か、キャストか。
何がドラマの良さを生み出すのか、今までドラマを観ていない私にはわからない。

ただ、このドラマには心惹かれた。
心を動かされるということがどういうことか、気づかせてくれた。

味わい、そこから何を感じるか、考えるか。
変化していく気持ち。そして迎える後の生活。

ドラマはめでたしめでたしで終わりたい。
その方が気持ちがいいから。
でも、生きてるってパキパキと割り切っていけるものでもない。
人の機微に触れることで、終わらない感情が心を豊かにしていく。

それが嬉しくて、原作の本を手に取った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?