ヴィッセル神戸マッチレビュー│J1第5節vs札幌(2024/3/30)
コンサドーレ札幌との試合は、6-1でヴィッセルが勝利。今季のホーム初勝利を飾ってくれました。
【レビュー】
派手なゴールラッシュはポジティブな要素でしたが、それ以上に良かったのがトランジションの部分。守→攻、攻→守がシームレスな状態でプレー。相手がマンツーマンを採用したため「1対1の個」で優位性を保ち、ピッチのどのエリアでも神戸の展開でゲームを進行できました。
得点シーン:大迫(8’)
加えて、チーム全体のコンディションが上がっていた点もポジティブな要素で、ここは吉田さんをはじめチームスタッフの手腕として触れておきたいと思います。
得点シーン:宮代(24’)
個人評はやはり攻撃陣が中心。まず宮代は予想以上の早さでチームにフィットし、違いを生み出してくれました。広瀬との関係性だけでなく、この日は大迫や武藤らとも好連携を披露。昨季から継続する右中心の攻めを軸に、広瀬と宮代が絡んだ左からの攻め。さらにこの日は中央からの攻めと、攻撃のバリエーションが試合ごとに増えています。
それにしても宮代はゴールをイメージする能力が本当に高い。感覚的にゴールの位置やシュートコースが分かるタイプなのでは。まだまだ底がしれないですし、量産体制に入る予感がします。
得点シーン:武藤(43’)
3点目を奪った武藤を評価するなら、まずネガトラ(攻→守)での献身性でしょう。幾度も自陣に戻り相手の選手にアタック。ボール奪取に成功すれば、すかさずポジトラ(守→攻)でゴール前まで走り込む。冒頭でシームレスなトランジションと述べましたが、もっともこの姿勢を体現しているのが武藤です。この日は2ゴールと本職のストライカーとしてもチームに貢献。今季チャンスはありましたが、やっと報われました。
得点シーン:宮代(49’)
大迫の無双ぶりはこの試合もさすがでした。彼が囮役や配球役をハイレベルでこなすおかげで、攻撃陣はのびのびプレーできます。この試合は自ら流れの中で先制ゴールも決め、「ストライカーモード」のスイッチも入ったのでは。
得点シーン:山川(72’)
さて、好調だった攻撃陣を支えたのが守備陣です。とはいえ、攻撃同様こちらもはっきりと攻守の色分けはありません。この日も後方からのロングフィードが起点となり複数得点が生まれています。こうして見ると、今の神戸は「一芸」だけではピッチには立てない。攻守で闘える選手を起用するという明確な基準が、はっきりチームに浸透してきたように感じます。
選手層の厚みも増しており、この日は筑波大から加入したルーキーの山内がデビュー(神戸ユース出身)。彼のイメージは中盤の底でボールを捌くプレーでしたが、この日はIHで攻撃的にプレーしていました。緊張した様子は窺えず、ファーストプレーからすぐに試合に入ると強烈なミドルも披露。長い時間見てみたい選手で、カップ戦でのスタメン起用にも期待です。
得点シーン:武藤(90+5’)
選手層の厚みという点では、昨年から長く負傷離脱していた菊池が復帰したのも朗報です。セットプレーではさっそく高さを発揮して得点に関与。守備機会こそ少なかったですが、存在感を見せつけました。ここから連戦が続くだけに、彼の力が必要なタイミングは必ず訪れます。長いリハビリに耐えてよくぞ戻ってきてくれました(おかえり!)。
攻撃陣が調子を上げ、守備陣は相変わらず安定している。着実にチームの状態が上向いてきました。ここからはできるだけ多く勝ち点を稼いでいきたい。それだけに、次節の鳥栖戦に期待したいのは今季初の連勝。良い流れに乗るためにも、結果を求めて準備をしたいですね。
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