自ら命を絶った息子――命って生きるってなんだろう?
死にたいと思っている若者へ〜最愛の息子を失った母親の願い。
《自殺掲示板》
息子はなぜ死を選んだのか……
いじめでも無いし、もちろん虐待でも無い。
私は毎日泣きながら、パソコンで検索をかけた。
息子が閲覧していたページには、
自殺を勧めるような『自殺掲示板』があった。
「生きていたっていい事ないよ」
「死んだ方が楽だよ」
「生きてたって、将来、過労死でどうせ死ぬ」
「どうせ人はいつか死ぬ。だから早く死んだほうがいい」
「子供が死んでも、親はすぐ立ち直る」
「楽な死に方あるよ」
「スマホはアプリでロックしとけよ」
「コミ二ティ障害は、死んだ方が不安から解放されるぞー」
掲示板には、こんなやり取りが溢れ返り、私は怒りと悔しさに腹が立った。
死んだ事のない人間が、軽々しく『死んだ方が楽』と言っている。
自殺した事のない人間が、試したわけでもないのに、『楽な死に方あるよ』と言っている。
自死遺族の苦しみを知らないくせに、『親はすぐ立ち直る』って馬鹿げた事を言っている。
嘘で溢れた『自殺掲示板』の世界。
私の息子は、きっとこの内容を信じたんだろう。
高校に入学し、新しい環境で不安がいっぱいの中、掲示板に救いを求め、
嘘か本当かも、見分けがつかず
掲示板の中の人を信用して、
『死んだ方が楽』と判断してしまった。
小学生、中学生は、
嘘の情報を、簡単に信じてしまう。
そして、簡単に実行してしまう。
嘘に騙されないで、
彼らは仲間のふりをして、陰できっと笑ってる。
誰かが死ぬのを楽しんでる。
だから、惑わされず生きて欲しい。
悲しい時には、悲しい歌を聴いて、強くなって欲しい。
メイクを勉強して、変身した自分の姿を楽しんで欲しい。
いじめられて辛かったら、親に相談して欲しい。
逃げ道は、きっとある。
幸せは、きっと来る。
死にたいと思った経験、辛かった日々を綴って、悩んでいる誰かを救える人間に、なって欲しい。
だから、生きて――