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近畿大学 司書 【児童サービス論】 試験問題と解答例 2024年4月入学


【問題】

(総字数700字以上1,200字以内で次の設問に答えなさい。)
町に新しい図書館の建設が計画されていると仮定します。図書館で行う児童サービスの意義について論じなさい。またその上で、実施が望まれると考えられるサービスやイベントについて説明しなさい。

【解答例】(優80点)

1. 児童サービスの意義
 児童サービスの意義として第一に挙げられるのは、子どもと本とをつなぐこと、それを通じて子どもと社会をつなぐことである。児童サービスの対象は広義の児童であるが、それに限らず児童に関わる大人もサービスの対象となっている。そのため、児童サービス対象は、 乳幼児からヤングアダルト、親などの家族、学校の教員、子どもに関わる施設の職員など幅広い。
 また、公共図書館では、自由読書や様々な人・社会に触れられるという特徴もある。どんな本をどれだけ読んでも読まなくても良い自由読書の環境下で、興味関心のある分野のある本だけでなく、別の分野の本を見つけて視野・興味の幅が広がる。図書館利用によってレファレンスや様々な人と接する機会から利用ルールを通じて社会規範を学べるという家庭や学校では得られない体験も得られる。
 
2.実施が望まれるサービスやイベント
 図書館における児童サービスは、読書の機会と習慣の醸成、情報収集能力の養成、娯楽・ 学びの場の提供、社会的交流の役割を担っている。その役割から、実施が望まれるサービスとイベントをそれぞれ述べる。
 
(1) サービス
 館内における基本的なサービスとして、児童資料の提供とレファレンスサービス、乳幼児サービス、ヤングアダルトサービスを挙げる。
 児童資料の提供には、特定のジャンルや年齢層対象の資料に偏りが生じないように収集する必要がある。資料の収集だけでなく、レファレンスサービスによってそれぞれの子どもにあった資料を提案できるよう、職員は日々幅広い資料について知る必要がある。これは乳幼児サービスやヤングアダルトサービスでも、同様に資料提供 やレファレンスを充実させる必要がある。
 続いて、館外のサービスとして、街の学校や障がい者施設、ボランティア団体との連携を挙げる。学校図書館や障がい者施設、その他の関連施設へ児童資料の貸借や、読み聞かせやブックトークを各施設で展開していくなどが考えられる。また、ボランティア団体との連携には、後述するイベント等での連携に加えて、さわる絵本や布の絵本などをボランティア団体と協力して作成・修繕するということも考えられる。
 
(2)イベント
 イベントとして定期的に開催したいのは、読み聞かせ、ストーリーテリング、ブックトークなどである。これらのイベントから、子どもたちと本をつなぐ場として、対面で複数人の同世代の子どもたちと本は楽しいもの、図書館は楽しいところというを子どもたちに伝えることと、だれもが無料で利用できる公共図書館だからこそ、子どもや家族にとっての娯楽性も目的として定期的に開催したいと考える。またその地域ならではの昔話や民謡、わらべうたなどを通じて地元のことを知ってもらったり、ボランティア団体と連携することによって、各世代の交流の場とすることも目的としてイベントを開催したいと考える。

(1,188字)

【感想】

児童サービス論のテキストで十分ですが、今回の試験のようなサービスを挙げるものは、図書館概論や図書館サービス概論のテキストも役立ちます。

また、ネットで過去問を調べると、教科書だけでは対応が難しそうな、読み聞かせに向く絵本や学年別のおすすめ本について記述させるような試験もありました。
そのため、読み聞かせに向く絵本や学年別かつ児童資料の種類別で具体例を挙げるなどの準備をしていました。

せっかく準備したのに…という思いと、無難な試験問題で良かったという気持ちがありますが、合格したので良かったです。




※注意
解答の丸写しはしないようにお願いいたします。
皆さんの参考になれば幸いです。

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